バリアフリー住宅

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カルタ

バリアフリー住宅とは、簡単にどんな家をいうのでしょう?

住宅性能表示制度にいうバリアフリーの等級基準を満たす家?

確かにその通り。
ただ、それさえ満たしていれば良い、というわけでもありません。

バリアフリー住宅

バリアフリーの等級基準は、「安全」や「使いやすさ」を実現するための具体的な設備や数値目標を示していますが、そこに示されていなくても「こうすればもっと良くなる」というポイントはいくらでもあります。

そこでこの記事では、これからバリアフリー住宅をお考えのあなたに、
満たすべき「住宅性能評価のバリアフリー等級基準」と「こうすればもっと良くなる」というポイントをまとめてご紹介します!

トイレ・お風呂・間取りと分けて紹介していくので、参考にしてくださいね!

※住宅性能評価のバリアフリーには、3〜5等級までありますが、この記事では標準的な4等級の概略を中心にして紹介しています。

バリアフリーなトイレにするには

トイレのバリアフリー基準5つのポイント

バリアフリー住宅のトイレ掲載元:TOTO

さて、まずはトイレのバリアフリー基準を確認しておきましょう。

  1. 高齢者室と同一階に設置(動線と距離に配慮)
  2. 洋風便器
  3. 内法寸法で1100×1300以上の広さ(上図参照)
  4. 便器の前方と側方に介護者が補助できる500mm以上のスペースを確保
  5. 立ち座り用の手すりの設置

以上の5点は、バリアフリー等級4のトイレ基準で、4.の補助スペースには、扉を開けた時のスペース(ハッチング部分)を含めても良いとあります。

トイレをバリアフリー基準よりもっと良くする3ポイント

さて、バリアフリー基準としては以上ですが、経験上、次のポイントにも配慮した方が、より安全で使いやすいトイレになります。

  1. 外から解錠できる出入り口
  2. 出入り口は、引き戸もしくは外開き戸(有効出入り口幅:750mm
  3. 水を流す音などの使用音が聞こえにくい位置

A.とB.は、トイレ内で倒れた人を救助するためのもので、内開きでは、中で倒れた人でドアを開けることができません。

C.はとても現実的な問題です。トイレの使用音が聞こえたり、出入りする時の姿が見えたりするようでは、お互いに気まずくなり、気兼ねなく使えるとはいえませんね。

ですから、人が集まるLDKに面したり隣り合わせに配置したりするのは避けた方がいいと思います。

バリアフリートイレの寸法

上の図はトイレのレイアウト例ですが、特にバリアフリー仕様としない場合でも、メインのトイレとしては、これくらいのスペース・設備は欲しいところです。

使いやすいトイレについては、これが、しっくりくるトイレの広さ!ドアの付け方や配置でも変わる心地良い寸法でも紹介しているので、ぜひご参考に!

バリアフリーなお風呂にするには

お風呂のバリアフリー基準5つのポイント

お風呂掲載元:LIXIL

さて、次はお風呂。
バリアフリー基準を確認しておきましょう。

  1. 高齢者の寝室と同一階に設置(動線と距離に配慮)
  2. 浴室出入口の高低差を120mm以下、またぎ高さ180mm以下で手すりを取付けたもの、または出入り口の段差を20mm以下としたもの。
  3. 出入り口の有効幅は650mm以上
  4. 浴槽をまたぐ時の姿勢を安定させる手すり
  5. 広さは、短辺を内法寸法で1400mm以上、内法面積としては2.5㎡以上

以上の5点がバリアフリー等級4の基準です。

お風呂をバリアフリー基準よりもっと良くする4ポイント

お風呂も、バリアフリー基準を超えて、次のポイントに配慮すると、より安全で使いやすいお風呂になります。

  1. 入り口は引き戸もしくは折れ戸タイプ
  2. 浅型の浴槽とする(またぎやすくするため)
  3. 出入り口と洗い場の手すり
  4. 滑りにくい床にする。

浴槽は縁に腰掛けやすいタイプを選ぶといいですね。

中には腰掛けがついた浴槽もあります。

浴槽掲載元:LIXIL

お風呂の事故では、転倒とヒートショックによるものが代表的なもの。

とくに冷えた身体のまま、温かいお湯に入ることで急激な血圧の変化が起こり、事故に繋がってしまいます。

これを防ぐために、浴室暖房機能のついたお風呂もありますが、それだけでヒートショックを防ぐことはできません。

お風呂のフタをしないで浴室全体を温めておくとか、脱衣所を暖房しておくことなどの使用上の工夫も必要なんです。

バリアフリーな間取りにするには

間取りに必要なバリアフリー基準8つのポイント

バリアフリーな間取り掲載元:ダイワハウス

上のプランでは、高齢者室からトイレや浴室への動線が近くてシンプルです。

また、トイレも家族が気兼ねなく使える配置になっています。

プラン図を見ながら、必要なバリアフリーの等級基準をチェックしてみましょう。

  1. 玄関で靴の着脱時用の手すり
  2. 床の段差を5mm以下にする(敷居の高さなど)
  3. 通路有効幅780以上(出入り口有効幅750mm以上)
  4. 高齢者室の内法面積は12㎡以上
  5. 廊下の手すり(床から800mm以上の高さ)
  6. 階段の手すり(踏面から700〜900mmの高さ)
  7. 階段(勾配:6/7、550mm≦踏面+蹴上×2≦650)
  8. バルコニーに床から1100mm以上の高さの手すり

以上が、各室に共通のバリアフリー4等級の基準。

ですが、4.の12㎡は6帖ではクリアしません。
12㎡以上とするには8帖大が必要になります。

6.の階段については詳細な基準がありますが、詳しくは階段の理想的な寸法とは?安全で使いやすい「1段の高さ・踏面・階段幅」で解説しています。

参考までに、踏面を240mm前後、蹴上を180mm前後、とすれば、クリアします。

間取りをバリアフリー基準よりもっと良くする4ポイント

それではここでも、バリアフリー基準でなくても、ここに配慮したらもっと安全で使いやすくなる!というポイントを確認しておきましょう!

  1. 車イスでも利用できるキッチンと洗面台
  2. 全館冷暖房(ヒートショックを低減させる)
  3. 折れ戸を採用する場合、指を挟みにくいものを選ぶ
  4. 足元灯(廊下、階段)

A.は、車椅子での使用を考慮したものですが、椅子にすわっての家事は意外と便利なもので、おすすめです。

バリアフリーキッチン掲載元:LIXIL

B.の全館冷暖房は人気ですね。冬のヒートショックには特に効果のあるものです。

C.は、子供だけでなく、大人でも不注意で怪我をすることがあります。

折戸掲載元:建材ダイジェスト

D.は、廊下や階段などの、特に影になる部分には欲しいアイテムです。


家族の安全を守り、使いやすい快適な住宅とするには、まだまだ多くの配慮するポイントがあります。

この記事で取り上げた内容はその一部で代表的なものす。

家族を思いやり、それぞれの行動をシミュレーションしながら、何が必要かじっくり考えてみましょう。

安全で使いやすい、そして家族に優しい家を建ててくださいね!



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