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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
傾斜のない、シンプルな陸屋根!
陸屋根は、「りくやね」もしくは「ろくやね」と呼んで、陸には、「平らな」あるいは「水平な」と言う意味があります。
「平ら」というところから何となく、雨が流れにくい、雨漏りしそう、などと言うイメージを持つかもしれませんね。
では、実際はどうなのでしょう。
今回は、そんな陸屋根をご紹介していきます!
時間にして3分ほど、メリット・デメリット・コストなど知っておきましょう!
陸屋根とはどんな屋根?
最初に、陸屋根とは傾斜のない屋根といいました。
ですが、実は全く平らと言う訳ではないんです。
ほんのわずかですが、雨水を流すための小さな勾配がついています。
具体的には、1/100ほどの勾配で、水平距離1mに対して1cmほどの傾斜。
また、陸屋根の周囲には、たいてい下写真の矢印部分のパラペットという小高い壁がついています。
このパラペットがあるため、正面からは屋根部分が見えず、一見すると平らに見えるんですね。
そして、そのパラペットで見えなくなることを利用して、”なんちゃって陸屋根”なんていうものもあります。
”なんちゃって”といっても悪い意味ではなく、これもすごく有効な方法。
そもそも、家を建てる人が陸屋根を選ぶ目的は、「屋上を利用したい」あるいは「キューブ(立方体)デザインが好き」ということが多いです。
後者の方であれば、実際に陸屋根でなくても、そのように見えさえすればいいわけですね。
下の図は、建物を横からみた時の”本当の陸屋根”と”なんちゃって陸屋根”です。
”なんちゃって陸屋根”の方は、雨水の流れ落ちてくる方からみると、屋根の端部が見えますね。
でも一般的には、この流れ落ちる方を建物の裏側にするので、正面側からは”本当の陸屋根”と同じ外観に見えるわけです。
屋上利用を考えていない場合は、”なんちゃって陸屋根”で十分です。
陸屋根のメリット・デメリット、コストは?
ここでは、屋上利用=本当の陸屋根、デザイン目的=なんちゃって陸屋根として考えてみます。
本当の陸屋根のメリット・デメリット・コスト
本当の陸屋根の最大のメリットは、屋上にプライベート・アウトドアのスペースを確保できること。
建物で失った土地を屋上で取り返すとも言えるでしょう。
デメリットに雨漏りリスクがありますが、屋上利用であれば日常的に点検ができるので、こまめに排水口回りの掃除に心がけてくださいね!
コストの面では、本当の陸屋根を作ること、それ自体のコストは三角屋根にくらべて大きく増えることはありません。
ですが、屋上への階段や防水層保護兼用のウッドデッキなど、屋根周辺設備でコストアップになります。
その他の、水道や照明設備などもプラスになりますね。
なんちゃって陸屋根のメリット・デメリット・コスト
デザイン目的のなんちゃって陸屋根は、シンプルなデザインになることが多いため、コストダウンになる傾向があります。
ただデメリットとしては、雨音が室内に響きやすいこと。
これは、小さい勾配でも雨水を流れやすくするために鋼板屋根の採用が多いことが原因のひとつ。
そして、一般的な三角屋根に比べて屋根裏空間が小さいことも原因といえます。
防音材あるいは断熱材をしっかり入れて、雨音を消すよう業者にお願いしましょう。
陸屋根でおしゃれな外観にするには
陸屋根にすると、キューブ形状でおしゃれな外観にしやすくなります。
ポイントは、シンプルさを活かしながら、いかに立方体を印象づけるか。
そして、住宅に表情をもたせるのに、ちょっとだけアクセントをつけることです。
上の写真は見事に立方体を印象づけながら、素朴な温かみも感じさせます。
1階・2階の上下に長い窓で立方体を強調し、植栽で住宅の温かみを演出しています。
とても参考になる例だと思います。
無機的な立方体に対する有機的な植栽は大事ですよ。
上の写真は、シンプルさに徹底しています。
全面には一切のマドを付けず、アプローチから影になった玄関ポーチ、そして上部のダーク色の凹部まで一直線です。
一切の無駄を省いた感じですね。
「こんな窓がなくて大丈夫?」と思っちゃいそうですが、このような間取りの家は、窓がないのは道路から見える方角だけ。
その分、他の方角から光も風もよく通すようにしているものです。
まとめ
マイホームを計画する際に、陸屋根は目的ではありません。
屋上利用あるいはキューブデザインが好きかどうかの選択した結果です。
そして、屋上利用なら陸屋根、デザイン目的ならなんちゃって陸屋根が妥当な選択です。
それぞれに懸念されるデメリットはありますが、致命的なものではないです。
ですから、それらを理由にして諦めるというのは違う!
しっかりデメリットの内容を知って、設計者や施工者と相談しながら解決していきましょう!
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