気密性の高い家
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こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!


カルタ

現在の省エネ基準に「気密性能」の項目は、実はありません。

なぜ、無くなったのでしょう?

正確なところはわかりませんが、ハウスメーカーなどが「高気密」を新たなセールスポイントとしてアピールしていた頃(〜2000年〜)、競い合うように各社が気密性の”数値”を追っていました。

そうして「高気密・高断熱住宅」をうたい文句にした家々が建てられたわけですが、のちに高気密はシックハウス症候群につながる、気密検査にコストと時間がかかりすぎるという見方がでてきます。

そんな理由からなのか、2013年の省エネ基準から、気密性能の項目がなくなりました。

家 リスト

ただ、そうはいっても「気密性が重要ではない」ということではありません!

省エネが当たりまえの現在の住宅で、気密性はいまだ大きな要素です。

今回は、気密性の高い家がどんな家なのかをお届けします!

気密性能の高さはC値でわかる

気密性能を表すものに「C値」があります。

C値とは、屋根・外壁・床にあるスキマ面積の合計を延床面積で割ったもので、数値が小さいほど気密性が高くなります。

例えば、延床面積が100㎡の家があり、その家のスキマを全部足すと、合計が200c㎡(名刺4枚分くらい)だったとしましょう。

するとC値は、200c㎡÷100㎡=2.0ということになります。

数値だけ聞いても、ピンとこないでしょうね。

リビング 家族

スキマ面積には、コンセント穴や換気扇なども含まれますから、C値2.0なら、スキマ面積はかなり小さいと言えます。

参考までに、省エネ基準から気密項目が削除される前の、北海道・青森・岩手・秋田の気密性能基準はc値2.0で、それ以外の地域はC値5.0でした。

ただ、北米や北欧の基準値はC値1.0が普通ですから、比べるところによっては、まだまだとも言えます。

省エネ住宅にするなら、高気密は欠かせない条件!

省エネ住宅にするには、「高気密」と「高断熱」はセットだと思ってください。

高気密を誇る家であっても、断熱性が低く、壁を伝って熱が逃げていたら、高気密にする意味がありません。

高断熱を誇る家であっても、気密性が低く、スキマから熱が逃げていたら、高断熱にする意味がありませんよね。

省エネ基準から気密性能が削除され、高断熱だけが残ったとしても、省エネ住宅にとって「スキマが小いこと」は欠かせない条件です。

気密性の高い家で知っておいて欲しいことと注意点

気密性の高い家にするとき、知っておいて欲しいこと、注意して欲しいことがあります。

24時間換気は機械吸排気のものを

ストーブやコンロなどを使うときの換気はもちろんですが、それ以外のときでも、気密性の高い家では、日常的に換気をしないと空気が循環しません。

これを助けてくれるものが、24間換気システムであり、窓をしめ切りがちな冬や夏では大きな効果を発揮します。

リビングの窓

24時間換気システムには、「自然吸気+機械排気」のものや「機械吸気+機械排気」があります。

気密性の高い家では、後者を使うべきでしょう。

換気システムに頼りすぎない

高気密・高断熱とした場合、壁内に結露が発生しにくくなるので、腐食防止にもなります。

室内の結露も起きにくくなるのですが、ただこれは完全に抑えることはできません。

鍋物をした後やガスストーブの使用時などは、湿度が80%にもなります。

換気

このような場合、24時間換気システムが働いていても間に合わないので、結露対策として窓を開け、空気を入れ替えるようにしてください。

カビ防止に、家具は壁から離すこと

表面が見えている部分は大丈夫でも、家具のうしろなど空気がよどみやすい場所では、24時間換気の効果も届かず、いつしかカビが生えてしまうことがあります。

高気密・高断熱で24時間換気を行っている住宅でも、結露しやすい外壁側に家具をピッタリくっつけて配置するのは避けるようにしてください。

気密性検査はコストも手間もかかる

気密性の高い家にするなら、気密性能値を測るため完成間近の段階で気密検査をすることになり、コスト(5〜10万円くらい)と手間がかかります。

コスト

検査は、専門家に依頼しますが、期待した数値がでなかったときにスキマを埋める必要があるので、建築メーカーも立ち会わないといけません。

工事が中断され、立ち合いの手間もかかることから、建築メーカーはわりと嫌います。

まとめ

家族を守るために、気密性の高い家にして理想的な空気環境にすることは、快適性への進化ですから良いことです。

しかし、誤った認識や運用では、デメリットだけが残ってしまう結果にもなりかねません。

高気密とセットの24時間換気は、基本的にオフ状態にするものではありませんが、高気密の良さと注意点を知っていれば、オンオフを上手に使い分けることができます。

そして、正しい認識で、時には気持ちの良い外気を取り入れることも大事だと思いますよ!



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