このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
よし、マイホームを建てよう!
そう考えてハウスメーカーや工務店を探していると、よく見る「(Zeh)ゼッチ住宅」という言葉。
今後、義務化されることもありうるゼッチ住宅ですが、そもそもゼッチ住宅とは、どんな住宅なんでしょうか?
今回は、マイホームを建てたい!そう思っているあなたに、ゼッチ住宅を簡単にわかりやすく!
ゼッチ住宅と認められるための基準や、どんなメリット・デメリットがあるのかを簡単にわかりやすく解説していきます。
あなたのマイホーム計画の参考にしてくださいね!
ゼッチ住宅とは「つかう<つくる」家のこと
ゼッチ住宅とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
「家でつかうエネルギー」よりも「家でつくるエネルギー」の方を大きくして、エネルギーの収支をゼロ以下にしてしまおうというものです。
世界で消費されるエネルギーのうち、ビルや住宅での消費エネルギーは約2割を占めています。
そこで建物内の冷暖房や照明などの消費エネルギーを削減して、地球温暖化の防止につなげようということですね。
もともとは欧米を中心に世界に広がった考え方で、日本でもそれを広めようと補助金による支援もおこなわれています。
ゼッチ住宅と認められる基準とは
それでは、どのような住宅をゼッチ住宅というのでしょうか。
それと認められるには、次のような基準を満たす必要があります。
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」
…なにやら難しいですね。
簡単にいうと、
- 高断熱で空調の効きを良くして
- 省エネの設備(エアコン・給湯器など)にして
- 創エネシステム(太陽光発電など)をつけなさいよ
ということです。
もう少し具体的に見てみましょう!
高断熱と認められる数値をクリアーしているか
断熱性能が低い家だと、冬は壁や窓を伝って室内の暖かい空気が逃げて、夏には暑い外気が室内に伝ってきます。
そんな家だと、エアコンをフル稼働することになって消費エネルギーが大きくなります。
そこで断熱性能を高めた家にしようというわけですが、具体的にはU A値やηA値といった数値目標をクリアーする必要があります。
- UA値とは:室内から室外に出ていくエネルギー量を数値化したもの
- ηA値とは:室内に入りこむ日射量を数値化したもの
どちらも数値が低いほど断熱性能が高いということになります。
断熱性能をどうやって高めるかは、ハウスメーカーや工務店の工法・仕様によって様々です。
省エネ設備は4項目で基準を満たしているか
室内設備機器の中で、最もエネルギー消費量が高いと言われるのが、「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目で、それぞれ基準を満たす必要があります。
- 空調は高効率エアコンに、
- 照明はLEDに、
- 給湯はエコキュートに、
- 換気は第1種換気システム(吸気も排気も機械で強制的にするもの)
などにすることになり、設備の種類は限定されることになります。
それらの設備を導入することで、1次エネルギー(自然界から得られる変換や加工を必要としないエネルギーのことで石油や天然ガス、太陽光や水力などのこと)を、従来の20%以上、削減することが求められています。
創エネシステムで相当量のエネルギーをつくれるか
「創エネシステム」とは、エネルギーをつくり出すシステムのこと。
まっさきに思い浮かぶのは、太陽光発電システムでしょう。
ただエネルギーが創りだせるなら太陽光に限りません。
広く普及しているものでいえば、家庭用燃料電池エネファームもOK。
メジャーではないかもしれませんが、地熱発電や風力発電でも可です。
注意点として、それら創エネシステムをただつければ良いわけではなく、結果としてその家のエネルギー収支がおおむねゼロなるような導入量にしないといけません。
また「創エネ」したエネルギーをためる蓄電池の導入も義務付けされています。
ゼッチ住宅のメリット・デメリット
それでは続いて、ゼッチ住宅のメリット・デメリットを確認していきましょう!
ゼッチ住宅を建てるメリット
- 光熱費が節約できる
- 部屋間の温度差が少なく、体にやさしい家になる
- 創エネを備蓄するので、災害時に強い
- 住宅の価値が上がる
- 補助金が利用できる
エネルギー収支をゼロにすることを目的とした家なので、当然、光熱費は節約できます。
創エネシステムと蓄電池があれば、節約したエネルギーをつかって普段通りの生活をおくれるのも大きいです。
また、ゼッチ住宅にすることで60万円から最大195万円(ゼッチ・プラス定額105万円+先進的再エネ熱等導入支援事業最大90万円の合計額)の補助金を受けることができます。
ゼッチ住宅を建てるデメリット
- 建設費が高くなる
- エネルギー収支はリアル「0」ではない
- 補助金額に変動があり、申請手数料も高い
高断熱にするため、つかう断熱材の等級や壁の厚みなど、建築会社によっては特別仕様にしないといけません。
それでなくとも、省エネ設備や創エネシステムなど、高品質・高価格なもので構成される住宅なので、必然的に建築費は高くなります。
またエネルギー収支は、おおむね“ゼロ“になれば良いのであって、たくさん使えば当然、光熱費は発生します。
補助金申請については、添付書類はざっと厚さ3㎝をこえます。
建築中写真も工程ごとに撮影角度、構図が細かく定められていて、小さな工務店では「ゼッチ住宅はやりたくない」という声が上がるくらい。
そのため、建築会社によっては、見積もりに計上する「ゼッチ補助金申請手数料」が、補助金の金額を上回るケースもあります。
実際にみんなゼッチ住宅にしているの?
ゼッチ住宅は地球温暖化防止策として注目され、目標では2020年に半分の達成を目指していました。
国土交通省の公表した「2019年度新設住宅戸数」は一戸建てで14万7,522戸。
それに対し、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会資料2019」での補助金交付決定は1,667件となっています。
ゼッチ住宅は、登録ゼッチビルダーしか建てることができないので、全体の着工件数から計算することはできません。
ですが、全体の半分に達成していないのは間違いないでしょう。
デメリットでも上げた建設費が障害になっていると専門家はみています。
ゼッチ住宅にすることでの建築費増加分は、補助金ではおそらく補えません。
地球温暖化防止の趣旨に賛同する!
健康的な生活おくって、災害にも対応できる家を建てたい!
そんな明確な目的意識をもっている人にこそ、ゼッチ住宅はおすすめです!
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