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元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
床暖房を後付けしたい!
ただ、床暖房といっても……
- 電気式?それとも温水式?
- リフォーム工事にかかる費用は?
- 1日あたりのランニングコストは?
- 設置して何年くらい使える?
などなど、気になるところですよね?
そこでこの記事は「床暖房を後付けするときの完全ガイド」と称して、
あなたがどんな種類の床暖房を選んだらいいのか。
どんな工事をするのか。
どんな費用がかかるか(実際の見積もり例を紹介しています)まで、全部まとめます!
あなたの床暖房リフォームに役立ててください。
床暖房には、温水式・電気式の2タイプがある
床暖房には、温水式と電気式の2つのタイプがあります。
これから後付けで設置するなら、温水式の方がオススメです。
温水式は保温時間が長くローコスト
温水式の床暖房は、床下に温水を流すことで床を暖めます。
掲載元:リンナイ
暖まるまでに15分程度かかってしまう難点はありますが、いったん暖まってしまえば保温時間が長く、床暖房の電源を切っても30分くらいは余熱でも暖かさが持続します。
循環している温水の温度が下がってきたら、給湯器が燃焼またはヒートポンプで温める形なので、ランニングコストが低く使いやすいのが特徴。
特に都市ガスの利用で、コストが低くなります。
電気式は切ったらすぐ冷めるドライヤー
対して電気式は、温水式に比べてランニングコストが高いので、個人的にあまり使い勝手が良くないと思ってます。
わかりやすくいうと、ドライヤーをつけっぱなしにしている感じ……。
床暖房の電源切ると直ぐに床が冷えてしまい、温度調節を弱にしていても、相当な電気代がかかります。
設置費用は安いのですが、 せっかく設置したのに使わなくなってしまう人が多いです。
というわけで床暖房を後付けするなら、どちらかというと温水式の方がオススメ。
なのでここからは、温水式の方で説明していきますね。
温水式床暖房にするときの給湯器の種類
温水式の床暖房を後付けするなら、床下に温水を流すために、床暖房に対応した給湯器を設置しなければいけません。
ただ、給湯器は他にもエコジョーズ・エコウィル・エネファームなど種類があって、違いも選び方もわかりにくい!
ですが実際には悩む必要はなく、ガス住宅ならエコジョーズ、オール電化住宅ならエコキュートの一択でいいと思います。
ここから少し、給湯器について説明しておきますね。
ガスならエコジョーズ、オール電化ならエコキュート一択
下の表は、ガス・電気の給湯器を簡単に分類したもの。
まず、エネファームとエコウィルは発電機能のある給湯器ですが、設置費用は相当に高くなります。
徹底的にエコ住宅にしたい!ということであれば別ですが、床暖房目的に設置するものでもないので、ここでは検討しないことにしましょう。
続いてエコキュート。
電気を動力とした給湯器であるエコキュートですが、古いものでない限り暖房機能が付いています。
オール電化の家なら、これ一択で迷う必要はないでしょう。
ガス住宅では、ガス代が安くなっても電気代が高くなるので、エコキュートはあまりオススメしません。
最後に従来型の給湯器とエコジョーズ。
従来型の給湯器は、ガスで燃やして水を温めるのですが、そのとき発生する蒸気をそのまま捨てていました。
そのため排出口周辺の温度は90度~100度になってましたが、エコジョーズはその蒸気を再利用して水を温める仕組みで、排気温度は45度くらいになっています。
当然、エコジョーズの方がランニングコストが安いわけですが、実は従来型の給湯器と比べても大きな価格差はありません。
少し高いくらいなので、ガス住宅ならエコジョーズ一択でOKです。
実際、従来型の給湯器はどんどん減っていて、今使われている給湯器の多くはエコジョーズになっています。
給湯器は交換よりも、暖房専用機の追加がオススメ
(オール電化住宅でエコキュートを利用する場合は、ここは関係ないので読み飛ばしてください)
ガス住宅で温水式の床暖房を後付けするなら、今ある給湯器を暖房機能付き給湯器(エコジョーズ)に交換するプランか、暖房専用の給湯器(エコジョーズ)を追加するプランを選ぶことになります。
基本的には、後者の暖房専用機を追加するプランの方がオススメ。
その方が設置費用が安いですし、暖房機能付き給湯器だと、壊れたときに給湯も暖房も両方の機能が使えなくなってしまうからです。
ただ、マンションのように給湯器の設置スペースが限られる場合は、暖房機能付きの給湯器に交換するしかありません。
床暖房後付けする工事の方法と工期
さて、給湯器の話から次は、床の施工の話に移りますね。
床暖房には、床下に床暖房パネルを敷いて床を暖めるタイプと、家の基礎を暖めて建物自体を暖めるタイプがあります。
主流は前者の床を暖めるタイプ。
後者の基礎を暖めるタイプは、一部の工務店・ハウスメーカーでしか扱っていないので、ここでは説明しないでおきます。
まずは床暖房の後付けリフォームが、どのようなことをするのか、確認しておきましょう。
床暖房パネルの貼り方には3つの方法がある
床暖房の後付けリフォームは、基本的に3つの方法に別れます。
3つのうちどれにするかは、リフォーム業社との打ち合わせで決めることになります。
- 既存の床の上に床暖房パネルを敷き、その上にフローリングを貼る方法
既存の床より仕上がりの高さが24mm上がり、リビングやキッチンの出入口ドア周りなどに見切りが付く - 既存の床を剥がし、床暖房パネルを設置してから、その上にフローリングを貼る方法
仕上がりの高さが12mm上がるだけで済ませられるので、この方法が現在主流 - 既存の床を剥がし、下地の床をさらに剥がして12mm下げる事で、既存の床と仕上がりの高さを同じにする方法
3つめの方法について少し付け加えますね。
2×4工法や木質パネル工法などの住宅では、3つめの方法は選べません。
下地自体が構造体になっているので、剥がせないからです。
鉄骨やRC造住宅は、下地がコンクリートですが、置き床工法という「支持脚」を使った床構造であれば可能でしょう。
給湯器との接続には2つの方法がある
続いて、床暖房パネルと給湯器の接続工事ですが、これにも2つの方法があります。
- 基礎に穴をあけて配管を通す方法
- 給湯器を設置する付近の外壁に穴をあけて配管を通す方法
こちらについては、2の方が主流になります。
床暖房の後付けの工期は3〜4日くらい
床暖房を後付けする工期は、大体3〜4日をみておきましょう。
1日目に床解体。
2日目に床暖房の床下配管、その後に床調節。
3〜4日目に床暖房パネルとフローリングの敷込み、暖房専用機の取付と接続。
といった流れになります。
床暖房後付けのコスト
床暖房後付けリフォームの工事費は100万円超
では床暖房の後付け工事が、総額でどのくらいになるか、確認しておきましょう!
以下は、付き合いのある業者さんに、この記事のためにつくってもらった見積もり例です。
床暖房の後付けに必要な費用項目をまとめると、ざっとこのようなものがあります。
- 床暖房設備の材工
- 既存床の解体・床暖房対応床材の新設(仕上一体の床暖パネルもあります)
- 給湯器の撤去・新設及び配管工事※必要な場合
- 一部電気工事※必要な場合
- 上記に付随する木工事、雑工事
上の見積もり例は、1階のLDK・6畳洋室に床暖房を後付けした場合ですが、給湯器も含めてざっと130万円は必要ということですね。
キッチンをいったん取り外すと費用は高くなる
料理に片付けの時間を含めると、夕食だけでも1〜2時間立ちっぱなしになるキッチン。
せっかくならキッチンも床暖房であっためたいと思いますよね?
ただキッチンに床暖房を設置した場合、費用がふくらむ可能性もあるので、注意が必要です。
上で説明しましたが、床暖房を後付けすると、多くのケースで床の高さが上がってしまいます。
そのためシステムキッチンをいったん取り外すのですが、排水管・電気配線・ガス配管などの付け外しが必要で、それだけ費用があがります。
高さが変わってもいいなら、蹴込みの部分でうまくジョイントする方法もありますが、目立たないかどうかは、大工さんの腕次第になります。
床暖房の見積もりは2〜3社に依頼すること
上記で、130万円の見積もり例を挙げましたが、実際の見積額は、依頼するリフォーム業者によってかなり違ってきます。
床暖房に限ったことではないですが、給湯器も床暖房対応フローリングも、多く仕入れている業者ほど、安く手に入れることができます。
(住宅設備には、一応定価はありますが、あってないようなものです)
とはいえ、仕入れは安いけど工事費が高かったりするので、リフォームを依頼するなら、2〜3社に見積もりを依頼して比較するのが鉄則です。
ただ「安ければいい」ものではないです。
上で説明したように、ある業者はキッチンを外す提案をしているから高く、別の業者はキッチンを外さないことを説明もせず安いのかもしれません。
見積額の根拠を丁寧に説明してくれる、そんな信頼できる業社を選んでくださいね。
2022年4月で給湯器は値上げされた
この記事を書いているのが、2022年5月ですが、同年4月に給湯器の金額が値上げされました。
業者の仕入れ値が上がっているので、あなたの支払額も数万円高くなってしまうと思われます。
またコロナウイルスの影響で、生産工場のロックダウンされたところもあり、給湯器の納期が半年待ちになっています。
業者さんの話によると、2022年2月に発注した給湯器が、5月現在になっても金額・納期が判明していないとのことでした。
直近の冬に間に合わせたいなら、早めにリフォーム業者に連絡をとっておいたいいでしょう。
床暖房のランニングコストは1日100円前後
床暖房を後付けしたら、ランニングコストもかなり気になるところでしょう。
1日あたりどのくらいになるかですが、これは電気・ガス料金の比較サイトであるタイナビswitchさんで詳しく計算されていました。
https://www.tainavi-switch.com/contents/20568/
当サイトによると、1日10時間30日温水式の床暖房を稼働させたとして、1日あたりのランニングコストは……
- 8畳で85円
- 10畳で100円
- 12畳で118円
- 14畳で150円
とのこと。
つまり、1日あたりジュース1本分くらいということですね。
床暖房には、他の暖房器具に比べて、部屋が乾燥しにくい・掃除などの手入れが楽・ホコリやダニが舞いあがりにくいといったメリットがあります。
このランニングコストでそれだけのメリットが得られるのなら、費用対効果としては十分ではないでしょうか。
床暖房の耐用年数は長いが、給湯器は交換が必要
では床暖房を後付けしたとして、どのくらい使用し続けられるのでしょうか?
温水式の場合、床下の床暖房パネルの耐用年数は30年くらいです。
床下に配置しているので、床に釘打ちなどで穴が空いてしまわない限りは、ずっと使っていけます。
床暖房パネルと給湯器をつなぐ配管の耐用年数は、7〜10年といったところ。
ただし余程の施工不良がない限りは、耐用年数を過ぎても、そのまま使われているのが実際のところです。
どちらかといえば、床暖房パネルや配管が使えなくよりも前に給湯器が壊れます。
エコジョーズの耐用年数は10年くらい。
エコキュートの耐用年数は7年くらいです。
給湯器が耐用年数を超えてくると、修理をするにも部品がなくなっていたり、保証期間も過ぎていて修理代がかさみます。
なので給湯器が壊れたら、新しく買って交換した方がいいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここでは、床暖房を後付けしたいときの、リフォーム方法や費用などをまとめました。
床暖房にも電気式・温水式がありますが、選ぶなら温水式が、どちらかというとオススメ。
そうなると多くの場合、給湯器も追加か交換しますが、ガス住宅ならエコジョーズ、電化住宅ならエコキュートがいいでしょう。
リフォーム工費費用としては、LDK+洋室の規模で100万円は超えてきます。
ただ、リフォーム業者で費用はかなり変わってくるので、2〜3社に見積もりをだしてもらい、比較するべきです。
いったん設置してしまえば、1日100円くらいのランニングコストで、健康的に家を暖められるので、冬も快適に暮らせることでしょう。
それでは、あなたのリフォームが成功しますように!