注文住宅を建てたいっ
どうしたら相場より安く建てられるか知りたいな♪
このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
注文住宅を建てたいけど、考えている予算で足りるかな…。
できれば相場より安く家を建てたい!
なにぶん今後の生活を左右しかねない大きなお買い物。
かかるお金によっては、「希望するメーカーで建てられないかも」「もっと坪数を小さくする?」「土地を探す地域を変えようか」と、いろいろ悩んでしまそうですね。
でも…もし、あなたが相場より安くできるコツを知っていたら?
メーカーも、坪数も土地も、もっと選択肢が広がるはずですね。
そこで今回は、注文住宅の価格相場と相場より安く家を建てる9つのコツをご紹介します。
それではまいりましょう!
工法別、都道府県別にみた価格相場
工法別の価格相場をみると、木造が一番安い
まずは、工法別にどれだけの価格差があるか、相場をみてみましょう。
次の表は、国土交通省の統計結果をもとにした、一戸建て100㎡(約30坪)あたりの工法別価格相場です。
100㎡あたりの価格 (万円) |
|
---|---|
木造 | 1790 |
コンクリートブロック | 1960 |
鉄骨 | 2550 |
鉄筋コンクリート | 2650 |
鉄骨鉄筋コンクリート | 3250 |
参考データ:(国土交通省 総合政策局 情報政策課 建設経済統計調査室)
5つの工法によって、大きく差が出ていますね。
特に木造が安くなっていますが、これは比較的価格帯の低い工務店に木造が多いことも原因と考えられます。
もちろん、建築メーカーによって価格帯はさまざまで、木造で高いところもあれば、鉄骨鉄筋コンクリート造で安いところもあるでしょう。
ただ工法による「高い安い」の順は、一般的にこの通りと言っていいです。
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際の、ひとつの基準になりますね。
都道府県別の価格相場は最大で560万円のひらき
続いては、同じく一戸建て100㎡(約30坪)あたりの都道府県別の価格相場をみてみましょう。
地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) | 地域 | 価格(万円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 1840 | 茨城 | 1880 | 新潟 | 1820 | 静岡 | 2000 | 奈良 | 1850 | 徳島 | 1700 | 熊本 | 1740 |
青森 | 1680 | 栃木 | 1840 | 富山 | 1830 | 愛知 | 2070 | 和歌山 | 1790 | 香川 | 1830 | 大分 | 1760 |
岩手 | 1840 | 群馬 | 1860 | 石川 | 1820 | 三重 | 1980 | 鳥取 | 1800 | 愛媛 | 1720 | 宮崎 | 1600 |
宮城 | 1880 | 埼玉 | 1890 | 福井 | 1760 | 滋賀 | 1810 | 島根 | 1840 | 高知 | 1840 | 鹿児島 | 1730 |
秋田 | 1730 | 千葉 | 1970 | 山梨 | 1880 | 京都 | 1850 | 岡山 | 1990 | 福岡 | 1830 | 沖縄 | 2110 |
山形 | 1780 | 東京 | 2160 | 長野 | 1960 | 大阪 | 1870 | 広島 | 1920 | 佐賀 | 1800 | ||
福島 | 1940 | 神奈川 | 2130 | 岐阜 | 1940 | 兵庫 | 1870 | 山口 | 1880 | 長崎 | 1720 |
参考データ:(国土交通省 総合政策局 情報政策課 建設経済統計調査室)
各都道府県によって、価格帯はバラバラ。
一番高いのは東京で2160万円、一番安い宮崎県の1600万円と比べて560万円もの差があります。
自分が建てる場所は、全国対比で高いのか、安いのか。
これも家を建てるときの、ひとつの目安としてとらえましょう。
相場より安く家を建てる9つのコツ
注文住宅の価格相場を確認してもらいましたが、では、どうすれば相場より安く家を建てられるのか?
まずは、次の間取りを見てみましょう。
この間取りでは、安く家を建てるための要素をつめこみました!
それではこの間取りをもとに、まずは“間取りで家を安く建てるコツ”を見てみましょう!
①間取りを正方形にすれば、家は安くなる
敷地の形状によって出来ないことはありますが、間取りを正方形に近づけると家は安くなります。
この間取りも、正方形に近い形をしていますが、正方形の家が安い理由は、外周の長さにあります。
同じ100㎡の家でも、10m×10mの正方形の家は外周が40m。
5m×20mの長方形の家は外周が50m。
10mも外周が違うことになります。
これが2階建・3階建と、家に高さがでるほど、長方形の家と正方形の家との価格差は、さらに広がっていくことになります。
価格を抑えるなら、間取りを正方形に近づけましょう。
②凹凸を減らせば、家は安くなる
間取りに凹凸が少ない方が、家は安く建てられます。
理由はさっきと同じ、外周の長さです。
上2つを比べると、右の方が「丸で囲っている部分」だけ外周が長くなっていますね。
当然、価格が高いのは右です。
凹凸がある家は確かに高級感がでますが、なくても、一部分だけ外壁材を変えてアクセントをつけるなどすれば、十分おしゃれな家になります。
価格を抑えるなら、凹凸も抑えるようにしましょう。
③1階と2階の面積が同じ、総二階の家にする
家の中で特に高くつくのは基礎の部分です。
1階の面積が大きいほど基礎面積も広くなるので、1階と2階の広さが同じ総二階にすると、家は安く建てられます。
また総二階にすれば、1階にかかる屋根もなくなるので、その分の費用も抑えることができます。
④水回りは一か所に集中させる
水回りをできるだけ1か所に集中させることでも、家は安くなります。
というのも、水回りの配管が意外と高いから。
家事動線を考えて、キッチン・洗面所・お風呂を一か所に集中させる間取りが人気ですが、これはコストの面から見てもメリットが大きいといえます。
配管でいえば、2階トイレの位置も重要。
この間取りのように、1階トイレの真上に2階のトイレがくるようにすれば、それだけ配管が短くて済み、コストダウンにつながります。
⑤部屋の仕切りを少なくする
部屋の仕切りを少なくすると、家は安くなります。
内壁が少なくなるのもありますが、建具が意外と高いものなので、これを少なくすると価格への影響は大きくなります。
この間取りでは、建具の数を13に抑えています。
②のように、廊下を介さず、キッチンからダイレクトに洗面所に入れるようにすれば、建具はひとつ減ります。
⑦のように、細かな収納をつくらず、ひとつ大きなウォーキングクローゼットをつくることでも、建具の数は減らせます。
また、LDKも仕切りをつくらない大空間になっているので、ここでも費用を抑えることができています。
⑥標準仕様は「安くて良いもの」!使わない手はない
間取りの工夫以外でも、家を安く建てるコツはあります!
標準仕様をうまく使うのが、そのひとつ。
工務店では少ないですが、ハウスメーカーでは、そのほとんどで標準仕様とオプション仕様があります。
標準仕様とは、初期設定されている建材や設備のこと。
床材を変更したり、キッチンのグレードを上げたりするとオプション仕様となって価格が跳ね上がります。
ただ、誤解しないで欲しいのは「標準仕様=安物」ではないということ。
標準仕様は、大量生産によって生産コストを抑えているから安いのであって、同じグレードのものを一般店舗で購入しようとすると、倍に近い費用がかかります。
だから、家の全てを標準仕様にすれば、実はかなりお得なお買い物。
住宅展示場では、オプション仕様ばかりのことが多いですが、まずはパンフレットなどで各社の標準仕様がどのようなものか比べることが大事です。
標準仕様のままで気に入りそうなら、使わない手はありません。
⑦ところどころ調整するなら、最初からメーターモジュール
メーターモジュールと910モジュールはこんなに違う!で詳しく説明していますが、その家がメーターモジュールか910モジュールかでも価格はかわります。
両方で同じ間取りを建てたとすると、メーターモジュールの方が面積が1.2倍大きくなるので、当然その分価格はあがります。
ただ、ローコスト住宅ではメーターモジュールを採用しているところが多いです。
その理由は「廊下を少し広げましょう」とか、住宅ごとに違った施工をするよりも、最初から「ウチはメーターモジュールだから廊下が広いですよ」と規格を決めてしまった方が、建材の生産効率が高くコストを下げられるから。
その分、広くなくていいところまで広くなってしまうので、間取りの自由度を犠牲にしてコストを下げているともいえます。
間取りの自由度は910モジュールの方が上ですが、ところどころ調整して広くしていくつもりなら、最初からメーターモジュールを選んだ方が価格は抑えられるでしょう。
⑧各社のコンセプトを優先するのが吉
特にハウスメーカーは、各社でわかりやすいコンセプトがあります。
例えば、セキスイハイムは太陽光発電を使った省エネ住宅。
積水ハウスはダインコンクリートという光触媒の外壁材。
住友林業は国産ヒノキの集成材などですね。
これらは、ハウスメーカーが自社ルートで大量生産、もしくは発注している分、コストを抑えられています。
自分好みのコンセプトを持つハウスメーカーであれば、良いものを安く手に入れられるチャンス!
ぜひ候補にしたいところです。
地元工務店はハウスメーカーほどの大量生産には向かなくても、地元企業のつながりで良質な建材・素材を仕入れて、「自然素材」などのコンセプトを前面にうちだしているところもあります。
各社のコンセプトは、TVCMやパンフレット、ホームページなどで大きく宣伝しているので、いろいろ見比べて自分にあったコンセプトを探ってみましょう。
⑨上手な値引き交渉で、追い打ちをかけて安くする
注文住宅は、値引きいかんによって価格は大きくかわります。
ただし、単に「値引きしてほしい」だと大きな効果は望めません。
値引きのコツは、相見積もりをとって他社と比較すること!
それも出来るだけ似たとところを比較することです。
あまり安すぎるところと比較されると、営業マンは価格勝負を捨てて、性能やアフターフォローなどに勝負どころを移してきます。
そうなると余計に値引きは難しくなります。
ハウスメーカー同士、工務店同士、さらには同じ工法同士で価格競争させた方が、ライバル心も煽れて値引き額が大きくなる可能性が高まります。
ひとつ注意しておくと、500万円とか大幅の値引きをしてもらった!というような話をよく聞きますが、そんな値引きはハッキリ言ってありえません。
その場合は、当初の見積もりが水増しされていたか、どこかで素材ランクを落としている可能性を疑った方がいいです。
値引きは金額ではなく、2度目、3度目の値引きを引き出したという「回数」で成功を測りましょう!
相場より安く家を建てるまでの流れ
それでは、長年の経験をもとに「相場より安く家を建てるまでの流れ」をお届けしましょう!
注文住宅を検討する際、契約までには次のようなステップがあります。
- 営業マンによる要望のヒアリング
- 間取り、資金計画の初回提案
- 1?2回の間取り変更
- 見積もり書の提示
- 建築請負契約の締結
(資金計画とは、家以外の付帯工事費や諸費用も含めた全体にかかるお金の概算のこと)
自分の希望を叶えつつ、かつ安く家を建てるなら、各建築メーカーでできる間取り、標準仕様、コンセプトなど、徹底的に見比べるところから始まります。
比較対象は最初は絞らず、出来るだけ多くします。
少なくとも5社以上はパンフレットだけでなく、間取りと資金計画を手に入れてください。
営業マンの心情としては、初回提案の資金計画が高いと敬遠されることが多いので、オプション仕様を含めた提案はまずしてきません。
標準仕様で、どんな間取りが、どのくらいの予算でできるのかがわかります。
さあ、手に入れた資料を見比べていくわけですが、見るべきポイントは、標準仕様、間取り(細かい調整が必要か)、コンセプトです。
多くを比べた方が、より各建築メーカーの特徴が色濃くわかるので、
「ここなら、標準仕様のままでも良さそうだ」
「ここなら、間取りをあまりいじることなく、満足いく広さになりそうだ」
と、より詳細で分析的な比較ができるはず。
価格と希望のバランスがとれるところで、候補として残す建築メーカーをピックアップしてください。
ただし、見積もりを出してもらう段階までには、候補の建築メーカーを2社か多くても3社までに絞りこみます。
それ以上増やしてもあまり意味はありません。
見積もりまで出すと営業マンは簡単には引き下がらないので、お断りするときの精神的な負担が重くなります。
また、相見積もりをとって比べていることは、遠慮なく営業マンに伝えてください。
相手より安い見積もりなら、見せてしまっても構いません。
そのときのポイントは、「他も検討しているが、できればあなたのところで検討したい」と伝えること。
営業マンにとって、家一軒の契約をとるまでには、相当な時間と労力がかかります。
あとちょっとで契約してくれそうなお客様は絶対に逃したくないので、最後のひと踏ん張りの値引きが引き出しやすくなります。
そして最終的に、価格と希望の一番おりあった建築メーカーで契約を決めます。
この流れのなかで一番の難関が、実は、初回提案を受けるまでです。
5社以上から、パンフレット、間取り、資金計画を手に入れるべきとお伝えしましたが、そのためには営業マンのヒアリングに2時間、初回提案に2時間の計4時間が一社当たりにかかります。
同じ話を何度もして、何度も聞くのは効率が悪く、また一度でも営業マンと会うと、断りにくくもなります。
なので、初回提案は一括資料請求サービスを使います。
一括資料請求サービスとは、インターネット上であなたの希望を登録すれば、複数のメーカーから同時に、パンフレット、間取り、資金計画を送付してもらえる無料のサービスです。
中でも僕はタウンライフをおすすめしていて、他の一括資料請求サービスと違い、具体的な要望を書き込める欄があります。
今の希望を箇条書きでも良いので入力すれば、あなただけの間取り、資金計画ができあがるので、初回提案を簡単に受けられます。
(土地探しからなら、土地情報も送ってくれます)
資料請求する建築メーカーを選ぶことはできますが、これを使ってしつこい営業を受けることはないので、「まとめて選択」にチェックをして登録しましょう。
まとめ
各建築メーカーは、生産性を高めてコストを下げることに余念がありません。
一括資料請求サービスを使って、標準仕様・間取りと広さのとり方・コンセプトを、できる限り多く比べてみましょう。
相見積もりもとって他社競合させれば、値引きも引きだしやすくなります。