このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
頭金って…
どのくらい、いれたらいいの?
大きなお金が動くマイホーム。
頭金を大きくして住宅ローンを減らした方がいいだろうけど、手元にもお金を残しておかないと心配ですよね?
一般的に頭金は2割と言われる事が多いですが、これは昔、住宅金融公庫の融資が8割までしか借りられなかったことの名残り。
でも今は時代が違います。
僕の考えでは、頭金は少なくしてOK!
自己資金なしで家を買ってOKと言ってわけじゃありません。自己資金があっても、頭金に注ぎこむ必要はないということ!
これは、変動金利で1%を切ってしまう異常な低金利の今だからこそ。
このような状態では、現金があっても頭金とせず、手元に残しておいた方が良い!
「マイホーム あってもいれない 頭金」
今回は、その理由を5つご紹介します!
住宅ローンは無料の保険といえるから
住宅ローンを借りると、「フラット35」など一部を除いて、団体信用生命保険(以下、団信)が無料でくっついてきます。
これは団信の保険料を銀行が負担してくれるから。
団信とは、住宅ローンの借主が死亡や高度障害になった場合、住宅ローンの残高分の保険金が支払われて、残金がチャラになる保険の仕組みのこと。
いわば、住宅ローンを持っているということは、「無料の保険に加入している」のと同じことになるんです。
例えば同じ預金額のAさんとBさんがいたとします。
それぞれ家を購入するのに、Aさんは預金全額を頭金に、Bさんは頭金を払わずフルローンにしました。
仮にAさんが住宅ローンを借りた直後に亡くなった場合、団信で住宅ローンはチャラになるので、家を家族に遺せます。ただし現金は頭金に使ってしまったので遺せませんでした。
ところがBさんが亡くなった場合は、家に加えて現金も家族に遺してあげられることになります。
金利が高いなら、おすすめできませんが、変動金利で1%を切るような今の相場なら、あえて頭金をいれないのにもメリットがあるということですね!
現金があれば残債割れも怖くないから
そもそも頭金をなぜいれる必要があるかというと、
- 住宅ローンの金利負担を増やしたくないから
- 家を売ることになったときの「残債割れ」が怖いから
が主な理由です。
特に2の「残債割れ」は、かなり深刻な状況になりえます。
「一生この家で暮らす!」と思っていても、仕事や健康上の理由でそうもいかないことだってあります。
残債割れとは、いざ家を売ることになったときに、売価<住宅ローンとなった状態のこと。
一般的に、家は買ってからの値下がりが激しい資産ですから、住宅ローンを多く借りるほど、残債割れになる可能性は高くなります。
銀行は住宅ローンを融資するときに家を担保にとりますが、お金を全額返してもらうまで、当然担保をはずしてくれません。
そして銀行の担保が付いている家を買う人なんて、まずいないです。
家を売るには、住宅ローンを返さないといけない。
住宅ローンを返すには、家を売ったお金だけでは足りない。
でも、不足分を支払うお金がない…。
まさに、なにも身動きがとれない状態!
そうならないように、頭金を入れて住宅ローンを減らすわけですね。
とはいえ、住宅ローンを多く借りて残債割れになったとしても、家を売った不足分の現金が手元にあるのなら対応できます。
「残債割れにならないように頭金はできる限りいれるべき!」という言葉のみをとらえることはないんです。
住宅ローンの金利を上回る資産運用は十分可能レベルだから
今は住宅ローンの金利が変動で1%を切るような時代です。
ハッキリ言って、1%を超える利回りが期待できる金融商品なんていくらでもあります!
株などの値動きが激しいものでなくとも、債券だけの運用でも十分可能な範囲でしょう。
もっと重要なのは、資産の流動性!
流動性とは、かんたんに言えば「使いたいときに、使える」ということ。
長い人生の中でもし大金が必要になったとき、家はそう簡単にお金に換えることはできませんが、株や債券のような金融商品は、かんたんに換金できます。
手持ちの資産が「家」という不動産に偏りすぎてしまうことだってリスク。
流動性のある資産もバランスよく持つてば、いざというときの対応性が広がります。
住宅ローン控除をフル活用したいから
住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高×1%の額を、前年支払った所得税(もしくは住民税も含む)から控除し、お金を返してくれる制度。
今のような低金利時代では、支払った住宅ローンの利息より、返ってくる住宅ローン控除の額が大きいことがあります。
つまり、住宅ローンを借りた方が得をしてしまうわけです!
それならば、あえて当初頭金をいれずに、その分住宅ローンを借りる。10年間フルに控除額を受け取って、その後で頭金にするはずだった金額で一部繰上げ返済をする。
この方が、理にかなってます。
例えば、住宅ローンを3000万円借りて、金利が0.6%だったとします。
すると、3000万円で0.4%(住宅ローン控除1%ー金利0.6%)の10年もの定期預金をしているのと同じ効果!
もちろん金利が変わることもあるでしょうが、その金利が1%を上まらない限り得です。
※控除額には上限があるので注意
前にお伝えしたとおり、住宅ローン控除を受けている間の10年で頭金(にするはずだったお金)をうまく運用すれば、増えた分だけ、余計に繰り上げ返済することだってできます。
メンテナンス費用を甘くみてると大変だから
家は正直なところ「金食い虫」。
暮らしてみると、いたるところでメンテナンス費用がかかります。
ただメンテナンスをしっかりするほど家は長持ちするので、そこに充てる費用は削るべきではありません。
台風など自然災害の被害で補修が必要になることだってあるでしょう。
新築であっても、10年〜15年も経てば、100万円単位でメンテナンス費用がかかります。
頭金を多く入れすぎると、至急必要でないものはお金が届きにくくなるので、そういった将来かかりうる費用は、余裕をもって押さえておくことが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「マイホーム あってもいれない 頭金」
その理由は5つ
- 住宅ローンは無料の保険といえるから
- 現金があれば残債割れも怖くないから
- 住宅ローンの金利を上回る資産運用は十分可能レベルだから
- 住宅ローン控除をフル活用したいから
- メンテナンス費用を甘くみてると大変だから
でした!
マイホームは大きなお金が動く人生の一大イベントです。
じっくり考えてみて下さいね!