中古の一戸建てを買うとき、何に気をつければいいの?
注意しておくべき点が知りたいな。
こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
新築にくらべて、比較的安く買える中古の一戸建て。
でも、後々莫大なリフォーム資金が必要になったら意味ないですよね。
それに「良い物件」であれば、売主がなんでその物件を売ることになったのか気になるところ。
とはいえ、どこにどんな問題があるかなんて、素人目に見てわかるはずもありません。
そこで今回は、中古の一戸建てを買うときにチェックしたい”知っておくべき7つの注意点”をご紹介します!
①なんで売るのかの理由に注意
まず、第一に注意したいのは、売主がその物件をなんで売ることになったのかの理由です。
子供が独立して、今の家では広すぎるから駅近のマンションに引っ越すことになった。
こんな理由なら納得できますね。でも…
気難しい隣人との人間関係が崩れて住みにくくなった!いっそ引っ越そう。
たとえば、こんな理由であった場合、そのリスクを買主である、あなたが引き継ぐことになっていまいます!
だから中古の一戸建てを買う際に、一番に確認したいのは、この売る理由。
おそらく、仲介している不動産会社の営業マンの方から説明があると思います。
ただ、なにか問題があって売りたいと思ったときに、その理由を正直に話すわけはありませんよね?
(法的に説明が義務付けられているものもあります)
できれば、一度説明があったことでも、売主に直接聞きたいところ。
「お隣さんって、どんな方ですか?」などの質問を売主の目をみてしてみてください。
視線をそらしたり、言葉につまったりしませんか?
②あきらかなお得感に注意
中古の一戸建てを買うとき、その価格は、同じエリア内の他物件の価格と比較するのが、最もかんたんな方法です。
ときには、近隣マンションと比較しても安い物件があるかもしれません。
ただ、それを「掘り出しものかも!」とすぐに飛びつくのは危険です。
マンションに比べて、一戸建ては土地もあわせて買うことになるので、高くて当然のはず。
それでも同程度あるいは安い価格ならば、なんらかの原因がある可能性があります。
設備やグレードなど、よくよく観察する必要があります。
また、「内装リフォーム済」というケースもよくありますね。
このケースでは、何がお得というわけではありません。
リフォームにかかった費用は、しっかり価格に上乗せされています。
それよりも、リフォームでキレイになったからといって、見た目だけにとらわれないようにしましょう。
パッとしたイメージが良いからといって、なにも物件そのものが新しく生まれ変わったわけではないですもんね。
③築年数と耐震性に注意
最近多い「リノベーション物件」にも注意が必要。
昭和に建てられた古い家をリノベーションして、デザイナーズ住宅として売り出すケースも多くなってきました。
おもむきがあってオシャレな家が安く買えるのはメリットですが、元々その家が建てられた築年月をしっかり確認しておきましょう。
それというのも、築年月によって耐震性に大きな違いがあるからです。
耐震性の分かれ目は、1981年にあります。
この年に建築基準法上の耐震基準が大きく見直されました。
1981年以前に建築された家は旧耐震基準のもと建てられており、震度5程度の地震があっても倒壊しないことを想定して建てられています。
それが同年見直され、新耐震基準のもとでは、震度6~7の地震があっても倒壊しないレベルまで基準が引き上げられました。
実質、この新耐震基準が義務付けられたのは、1981年6月1日。
ということは、建築スケジュールを考慮すると「1982年完成」物件の中には、旧耐震基準で建てられた家である可能性があります。
このような、建築当時の法律では問題なかったけど、今だと問題ありという物件を「既存不適格物件」といいます。
新耐震基準を満たしていない物件を売る際には、不動産会社に説明の義務がありますから、気づかず買ってしまうことはないと思います。
ただ、不動産会社としてもあまり強調したくないところ…。
契約間際になって説明を受けることのないよう、事前に確認しておきましょう。
④建物を内覧するときの注意点
実際に物件を内覧することになった場合、注意しておいた方が良いチェックポイントをいくつかあげておきましょう。
- キッチンやお風呂など水回りの使い勝手
購入後、取り換えるとなるとコストがかかる部分です。
壁紙の張替えだけなら、そう大きなリフォーム費用はかかりませんが、水回りを換える場合は、200万円~300万円の費用負担を覚悟する必要があります。 - 建具の建て付け
うまく開け閉めできない場合、構造上の問題がある可能性があります。
売主がまだ住んでいる場合は、ちゃんと断ってから開けましょう。 - 床下の点検口
床下収納や押入れに床下の点検口があったら、中が乾燥しているかを確認します。
湿気が多いと、白アリの被害がある可能性もあります。
できれば懐中電灯を持って、構造材に腐食がないかも見たいところですね。 - 床の状態
スリッパではわかりにくいので、素足で歩いてみます。
湿気などの影響で、グニッと柔らかい部分があったときには、白アリや腐食の可能性もあります。 - 窓からの眺望
窓を開けたら、隣家の窓があったり、日当たりを遮る建物がないかを確認します。 - 壁紙
黒ずんだ汚れはまずカビでしょう。
カビによって構造材の強度が落ちるわけではありませんが、張替えのコストはかかります。
売主がまだそこに住んでいるのであれば、コンロの火がつきかたや、お湯がでるかも確認したいところです。
購入後すぐ、お風呂のお湯がでなくなった…!という話もありますので。
⑤建物を外から見たときの注意点
構造上の問題なんて、その道のプロでなければ、わかるはずはありません。
でも、ある程度の問題あるなしは、パッと見でもわかるケースがあります。
物件を内覧したときには、建物内だけでなく、外からもよくよく見るようにしてください。
特に見てわかりやすいポイントは次の4点。
- 屋根:屋根材の剥がれや塗装の剥がれがないか。
- 外壁:クラックや塗装の剥がれがないか。
- 基礎:クラックがないか。
- 軒裏:雨による染みや塗装の剥がれがないか。
クラックとは、ひび割れのこと。
細いひび割れであれば、ヘアークラックといって、構造上の問題は特にないことが多いです。
ただ、そのクラックの幅が0.5mm以上あったり、1mほど長かったりすると注意が必要です。
またこれらは、その物件だけでなく、近隣の住宅から見てとれるケースがあります。
近隣の似たような築年数の住宅を何軒か見てみて、同じようなクラックがあるなら、そもそも地域として地盤の弱い可能性があります。
地盤沈下は、家の寿命に多大な影響があるので注意が必要です。
⑥近隣環境に注意
気に入った物件があれば、昼と夜、平日と休日のように時間帯や日程をかえて近隣の環境を見るようにしましょう。
騒音や臭いなど、はじめ行ったときにはわからなかった情報が得られることがあります。
ただ、売主在住の場合は外から中をのぞかないようにしましょうね!
⑦住宅ローン控除の適用可否に注意
住宅ローン控除とは、住宅ローンの金利負担を軽減するための制度。
前年度に支払った所得税の額を上限(場合によっては住民税も含む)に、毎年の「住宅ローン年末残高×1%」を10年間にわたって受けとることができます。
ただ、中古住宅には次のような適用要件があります。
- 非耐火構造のもの・・・築20年以内
- 耐火構造のもの・・・築25年以内
築年数の古い物件には木造住宅が多いですが、ここでいう非耐火構造は、主にその木造住宅を指します。
つまり、基本的には住宅ローン控除を受けることができません。
築年数の古い物件でも住宅ローン控除を受けるには、一定の耐震改修工事をする必要があります。
詳しくは国税庁HPに記載があります。
・・・なんか注意することって多いね。
確かに。でも、どれも重要ですからね。
とにかく気を付けてほしいのは「早く決めないと、他の人にとられてしまう!」と焦りすぎないこと!
今回ご紹介した注意点を見ながら、できるだけ多くの物件を比較した方が、より物件の良しあしがわかりますよ。
でも、インターネットで探しててもコレっていうのが、なかなかないんだよね…。
インターネットで紹介されている物件は、市場にでまわっている不動産情報の2割くらいにすぎないですよ?
え!そうなの!?
不動産会社にいけば、インターネットで未公開の物件情報はいっぱいあります。
専属専任媒介契約といって、その不動産会社でしか扱っていない物件情報もありますから、いろいろあたってみると良いですよ!
でも、不動産会社ってどうやって探せばいいの?しつこい営業かけられそうだし…。
インターネット専用の「タウンライフ」っていうサービスが便利ですよ。
ネット上で希望を登録しておけば、今すぐじゃなくても、希望にあう物件がでしだい、いろんな不動産会社が情報を送ってくれます。
そんなサービスがあるんだ!?
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