つなぎ融資とは?をわかりやすく

このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。詳しくは運営ポリシーをご覧ください。

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こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

カルタ


基本的に、住宅ローンが実行されてお金が支払われるのは、建物完成後

これは住宅ローンという商品が、建物に担保設定をしてからというのが、条件になっているからです。

ただそれでは、建物完成までに必要な土地代金建物着工金建物中間金などは、現金で支払はなければいけなくなってしまう……。

数千万円にもなるお金を一括払いなんて、なかなかできるものではないですよね?

焦る女性

そこで用意されているひとつの方法が
つなぎ融資」です。

この記事では、つなぎ融資について、具体例をもとにわかりやすく解説していきます。
3分もあれば読めると思うので、ぜひ参考にしてくださいね!

つなぎ融資とは

つなぎ融資は、住宅ローン実行までの費用を対象にしたローン

なぜ、つなぎ融資が必要になるのでしょうか。

まずは土地を買って家を建てる場合の、一般的なお金の流れを確認しておきましょう。

たとえばあなたが、
1400万円の土地を買い、
1800万円の建物を建て、
住宅ローン3000万円を借りるとします。

すると次のようなタイミングで、あなたはお金を支払うことになります。

  • 土地契約時
    仲介手数料(48万円のうち半分):24万円
  • 土地引渡時
    土地代金:1400万円
    仲介手数料(48万円のうち半分):24万円
    その他諸費用:25万円
  • 建築請負契約時
    請負契約金(全体の1割):180万円
  • 建物着工時
    建物着工金(全体の3割):540万円
  • 建物棟上時
    建物中間金(全体の3割):540万円
  • 建物完成時=住宅ローン実行時
    建物完成金(全体の3割):540万円
    その他諸費用:15万円
    住宅ローン諸費用:80万円
その他諸費用とは、印紙代・登録免許税・司法書士報酬など。
住宅ローン諸費用とは、手数料・保証料・抵当権設定費用など。
土地の手付金なしと仮定しています。
引越・外構などの費用は、ここでは考慮していません。

上のオレンジ色のお金が、住宅ローン実行までに必要になるお金です。

この例を見ても、住宅ローン実行までに2700万円以上の支払いタイミングがありますね?

つなぎ融資は、この金額を対象にして融資をしてくれる仕組みなわけです。

床で遊ぶファミリー

ただし、この例はハウスメーカーで新築した場合の一般例であって、住宅会社によって支払いタイミングは異なります。

たとえば工務店の場合は、建物の代金は着工時に1/3、上棟時に1/3、完成時に1/3の3回払いであることが多いです。


されここからは、2700万円のうち300万円を自己資金で、つなぎ融資を2400万円借りるものとして説明して行きますね。

つなぎ融資は、住宅ローンで一括返済する

つなぎ融資は、住宅ローンとはまったく別モノのローンです。

なので上の例だと、3000万円の住宅ローン契約とは別に、2400万円のつなぎ融資契約をすることになります。

つなぎ融資は、読んで字のごとく「つなぎ」が目的なので、住宅ローンを実行したときに一括返済をします

返済されれば、つなぎ融資契約はそこで終了。
その後は、住宅ローンだけ返済していくわけですね。

ちなみに住宅ローン3000万円のうち2400万円は、一旦あなたの口座に振り込まれることなく、直接つなぎ融資の返済に充てられます(代理受領という)。

つなぎ融資は、住宅ローンとセット

つなぎ融資は、住宅ローンとセットの商品です。

なので、住宅ローンはA銀行、つなぎ融資はB銀行、というのは通常できません。

審査も住宅ローンとセットで行われ、住宅ローンの審査に通らないと、つなぎ融資の審査にも通らなくなります。

つなぎ融資には、上限回数がある

上の例お伝えした通り、住宅ローン実行までには、お金を支払うタイミングが複数回あります。

ただ、つなぎ融資を実行してもらう上限回数は、金融機関によって違うので注意が必要です。

以下で、つなぎ融資を3回に分けて受けたときの例を説明しますね。

つなぎ融資の金利は3%前後

つなぎ融資は金利が高いので、その負担はずっしりと重いです……。

現状の住宅ローンは、変動金利で0.5%前後とかなり低いですが、つなぎ融資の金利は3%前後(この記事を作成時点)。

たとえば次のように、2400万円のつなぎ融資を3回に分けて受けたとき、利息はいくらになるか計算してみましょう。

土地引渡時に1400万円:6ヶ月
建物着工時に500万円:4ヶ月
建物棟上時に500万円:3ヶ月

上記の6・4・3ヶ月は、それぞれ住宅ローン実行までの期間です。
これだけの期間、つなぎ融資を受けると、支払う利息は……

1400万円×3%×6/12ヶ月=210,000円
500万円×3%×4/12ヶ月=50,000円
500万円×3%×3/12ヶ月=37,500円

約6ヶ月で、合計約30万円も支払うことになるわけですね。

驚く夫婦

住宅ローンで返済できるまでの期間が長いほど、金利負担は増すので、住宅会社に支払いタイミングを相談してもいいでしょう。

大手ハウスメーカーの場合、建築請負契約時に100万円、残りは全部建物完成後でOKと言ってくれるところもあります。

つなぎ融資の利息を支払い方には3パターンある

約6ヶ月で30万円の利息が発生するわけですが、これを支払うタイミングは、金融機関に3つのパターンに分かれます。

  1. つなぎ融資実行時に金利を一括先払い
  2. つなぎ融資借入中に金利だけ毎月返済
  3. つなぎ融資返済時に金利を一括で後払い

どのパターンでも、つなぎ融資の元金は、住宅ローン実行時に一括返済します。

なので、支払うとすると金利の部分のみ。

2.のパターンが多いと思いますが、建物が建つまで賃貸の家賃と重なるときは、結構キツイかもしれません……。

つなぎ融資の条件は金融機関によってさまざま

つなぎ融資は、扱っている金融機関によって、かなり条件が違ってきます。

保証会社への保証料が必要になったり、団信保険料が自己負担であったりと様々なので、条件については、よく確認する必要があります。

ただ無担保融資であることは、どこも一致しているようですね。

つなぎ融資を借りるなら10万円超の諸費用がかかる

つなぎ融資を利用するなら、その契約をするための事務手数料や印紙代などの諸費用がかかります

事務手数料については、借入額の何%という定率制にしているところと、定額制にしているところがあります。

定額制のところで10万円くらいが相場。

あとは印紙代が2万円だったとして、上で説明した6ヶ月間で支払う金利が30万円だっとすると、少なくとも計50万円がつなぎのために必要になるわけです

かなり負担は大きいですね……。

ただ住宅ローンと違って無担保ローンなので、抵当権設定費用等は不要です。

さいごに

いかがだったでしょうか?

ここでは、つなぎ融資について、できるだけわかりやすく解説しました。

お伝えしたとおり、つなぎ融資は金融機関によって条件が違います。

金利だけでなく、融資のタイミングや返済時期、団信保険の有無など確認して、あなたにあったところを選んでくださいね!