こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
「マイホームを買ったとたんに転勤になった!!」
よく聞く話ですね。
マイホームは、仕事が安定してきたときに「欲しい!」とよく思うもので、そのタイミングは、会社がステップアップのための異動を命じる時期と一致します。
だから、実際にマイホーム購入と転勤が重なってしまうことはよくあること。
業種によっては、数年おきに転勤することが決まっていて、国内外を問わず、次はどこに行くかわからないという人もいるでしょう。
そんな転勤族の方にとって、マイホームを購入するか否かは、かなりの迷いどころ。
あなたが転勤族で、マイホームを検討しているなら、絶対に意識しておいてほしいことがあります。
それは将来、人に「貸すこと」・「売ること」を視野にいれた物件探しです!
つまり、将来の転勤に応じて、流動的に対応するということ。
マイホームを買ったら、必ずそこを『終の住処』と決めつけることはありません。
転勤先やその時期によって、選択がかわることもありえるからです。
子供が小さいうちは、単身赴任だと困る。
けど、中・高校生になってくると受験もあるし転校はかわいそう…。
そう思っていたら、転勤先は教育水準が高くて良いところだった。
などなど。
転勤族がマイホームを買うなら、一生住むことも、人に貸すことも、売ってしまうこともできるよう、特に資産価値の下がらない物件を探すことが重要!
今回は、そんな資産価値に注目した物件の探しのコツをお届けします!
転勤族がマイホームを買ったときになりうる事例
ある転勤族、Aさんの話をしましょう。
Aさんは、13年前に都心からはなれた郊外に一戸建てを購入しました。
しかし、それから1年と経たないうちに関西へ異動を命じられます。
子供がまだ小さかったので、家族そろって引っ越すことにし、家は賃貸にだすことにしました。
家が新しかったこともあり、借り手はすぐ見つかりました。
それから13年間、同じ人が住み続けてくれています。
ただ、利益などはありません。
家賃はすべて住宅ローンの返済と固定資産税の支払いで消えてしまいます。
Aさんが怖いのは、今の住人がでていってしまったときのこと。
貸した当初は、ほぼ新築でも、今は築13年。
次の借り手が見つかったとして、家賃は下がってしまう可能性は十分にあります。
住宅ローンの負担を減らそうと思い、銀行に借換の相談もしました。
Aさんの借り入れ金利は、変動金利で2.3%。
ここ13年間で銀行の貸付金利は下がり続け、今や変動金利は0.5%程度の低水準になっているからです。
でも、銀行からは断られてしまいました。
なぜなら、住宅ローンは、そこに住んでいないと貸せないから。
賃貸にだしていると、事業性の融資になってしまい、住宅ローンとして取り扱えないわけです。
いっそ、今の住人に買い取ってほしいところですが、郊外という立地で、さして人気のある地域でもなく、売っても住宅ローンの残高より高い値段はつきそうにありません。
そう、「残債割れ」です!
う~ん、どうするか…。
実際、こういう悩みのある方はいくらでもいると思います。
このようなリスクを回避するには、資産価値の下がらない物件を買うことに尽きます!
(あるいは、そもそも買わないか…)
資産価値が下がらなければ、家賃が下がっていまうことを心配せず、住宅ローンを完済できるほどの値段で売ることも可能!
では、そんな資産価値の下がらない物件は、どうすれば見つかるんでしょうか?
資産価値の下がらない物件探しのコツ5つ
それでは、資産価値の下がらない物件探しのコツを5つご紹介します!
そのコツというのは、次のとおり。
- 駅から徒歩圏内を中心に探そう!
- コンパクトシティ化計画を確認しよう!
- 収益還元法で物件価格を確認しよう!
- (中古の場合)管理状況を確認しよう!
- (建売・中古の場合)ホームインスペクションを利用しよう!
1~5の順で物件情報をふるいにかけていくと良いと思います
物件情報の良しあしは比較しないとわかりにくいので、できるだけ多くの物件情報を集めてください。
ただし、インターネットで紹介されている物件は全体の4割にすぎないと言われています。
直接、いろんな不動産会社に依頼しても良いですが、タウンライフなどの一括資料請求サービスを利用すれば、ネット上で情報入力をするだけで未公開物件情報が手に入るので、利用すると楽です。
駅から徒歩圏内を中心に探そう!
まず駅から徒歩圏内の立地を選ぶのが、資産価値の下がらない物件の第一歩。
徒歩圏内とは一般的に徒歩10分以内。
徒歩1分あたり80mで計算しますから、駅の半径800m以内が理想になります。
もちろん、駅に近い物件こそ価格帯は高くなります。
でも資産価値が下がらないようにするには、「郊外の広い物件より、狭くても駅の近くがいい!」という割り切りが必要です。
特に賃貸にだすことになったとき、駅に近いか遠いかで需要も家賃相場もまるで違ってきます。
こうなってくると、一戸建てよりマンションの方がいいのかもしれませんね。
駅に近い物件は、次のコンパクトシティ化にも対応できます。
コンパクトシティ化計画を確認しよう!
コンパクトシティとは、国土交通省の進める施策のひとつで、簡単に言うと「車を使わなくても、公共交通機関から徒歩もしくは自転車でいける範囲に居住区を集約させてしまおうよ」というもの。
今後も高齢化が進んでいく日本で、車を使わない高齢者の不便を解消しつつ、道路や下水道といった公共投資の維持コストも削減できると期待されています。
この施策では、病院や商業施設を誘導する「都市機能誘導区域」、住居を誘導する「居住誘導区域」、「それ以外の区域」とを明確に分けてしまいます。
「駅からは遠いけど、近くにいろいろあって便利」と思っていたら、10数年後には、周りになにもなくなってしまった!…なんていう可能性も。
そうなると、資産価値の下落はまず避けられませんので、コンパクトシティについては確認しておいた方が良いです。
コチラから各都市のコンパクトシティ化への取組が確認できますので、参考にしてください。
→国土交通省HP
各公共団体の都市計画課でも確認できます。
収益還元法で物件価格を確認しよう!
転勤が決まって、人に貸すことになったとき、住宅ローンや固定資産税の支払いが家賃より低くなったら困りますよね。
賃貸不動産の価格が適正がどうかを判断する計算方法で「収益還元法」というものがあります。
これを使って計算してみましょう!
こんな計算式です。
=賃してもマイナスにならない物件価格
解説します!
まず「1ヵ月の想定家賃」ですが、候補となる物件をしぼりこんだら、近隣の家賃相場を調べてみてください。
マンションなら、同じ建物内に賃貸情報があれば楽ですね。
それ以外は、お近くの不動産会社に立地・築年数・広さなどを伝えて相場を聞くのがてっとり早いです。
ただし、くれぐれも売主に聞かないように!
実際の相場より高めに言ってくる可能性があります。
「× 0.85」としているのは、諸経費を控除するためです。
「× 5%」の部分は、還元利回りを表します。
還元利回りとは、資産の収益性から資産価値を割り出すレートのこと。
地域によって差がありますが、住宅の場合、だいたい4%~6%で計算します。
例えば、1ヵ月の想定家賃が12万円だったとすると、2448万円以下なら割安物件であるとの目安になります。
管理状況を確認しよう!
マイホームを売ることになったときは、管理状況は特に重要です!
中古の一戸建てを検討している場合であれば、適切な時期に適切な修繕をしているかで、その家が長持ちするかどうかが大きく違ってきます。
前所有者がしっかりと修繕していて、リフォームの記録を残していれば、それは大きな安心材料になります。
同時に、そこを購入した場合、あなた自身もリフォーム記録を残しておくことが、売ることになった際のプラス材料になるので、しっかり保管しておきましょう。
中古マンションの場合は、修繕実施状況がわかる資料を請求して見るようにしましょう。
その他、掲示板に総会や理事会でモメている事項が掲示されていないかも確認するようにします。
同じマンションであっても、居住者同士で管理運営にまとまりがない場合があります。
その場合、修繕が計画どおりに実施できず、結果として資産価値の下落につながるから注意が必要です。
ホームインスペクションを利用しよう!
専門家が第三者的な立場で行う住宅診断サービスをホームインスペクションといいます。
基礎、外壁、軒裏、雨樋、バルコニーなど総合的に問題がないかをチェックし、補修の必要があれば、おおよその費用も算出してくれます。
購入した後になって、大きな補修が必要とわかれば、資産価値がどうこう言っている以前の話になってしまうので、利用を検討してみましょう。
ホームインスペクションには、5万円~10万円の費用がかかります。
高額ですが、ホームインスペクションを利用した履歴を大事に保管しておけば、いざ売却することになったときに、大きな安心材料となって買主を見つけやすくなるメリットもあります。
まとめ
転勤族がマイホームを購入するときは、住み続けることも、人に貸すことも、売ることもできるよう、資産価値の下がらない物件を探すことが、なにより重要です!
そのためには、物件情報を多くあつめ、以下の順で物件情報をふるいにかけていき、残ったものだけを検討するのが着実な方法です!
- 駅から徒歩圏内を中心に探す!
- コンパクトシティ化計画を確認する!
- 収益還元法で物件価格を確認する!
- 管理状況を確認する!
- ホームインスペクションを利用する!