このコンテンツは、元ハウスメーカーで今不動産特化FPであるカルタが、マイホームに関する情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
中古住宅を買って、自分好みにリノベーションしたい!
新築よりも、現物を見て買える中古住宅の方が安心!
そんな考えから、今、中古住宅の魅力が再認識されています。
確かに、チラシやフリーペーパー、ホームページで検索できる物件はごまんとあって、そこで暮らす自分をイメージすると、新築よりも選びやすいですよね?
中古住宅を買うとき、外観や内観がキレイかどうかとか、価格はどうかとか、それは誰もが見るところ。
でも、中古住宅は新築に比べて建築メーカーからの補償がない分、より「目に見えない部分」にも目を向けないといけません。
今回は、買ったあとで「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、”買ってはいけない中古住宅7つのポイント”をご紹介します。
あなたのマイホーム計画の参考になりますように!
買ってはいけない中古住宅
既存不適格物件は買ってはいけない
建てた当初は適法だったけど、その後の法改正で、今同じものを建てたら違法になる…そんな物件を「既存不適格物件」と呼びます。
例えば建築基準法では、幅員4m以上の道路に2m以上接道していないと、建物を建てる許可がおりません。
そんな土地に建てられた家を買ってしまうと、その家一代限りで再建築ができないので、住宅としての価値はかなり低く、将来売却もできません。
売却どころか、リフォームすらできない可能性もあります(規模の大きなリフォームであれば現行法による建築確認申請が必要なため)。
不動産会社の方から「これは既存不適格物件です!」とは言ってこないので、自分から聞くようにしましょう。
検査済証のない中古住宅は買ってはいけない?
住宅を建てるときは、まず建築確認申請→許可が得られたら着工→完成したら完了検査→検査に合格すれば検査済証が発行されるという流れですすんでいきます。
ただ2000年頃までは、建築確認申請はするものの、完了検査は受けないということが多く、検査済証の取得率は40%に満たない状況でした。
なかには、完了検査を受けないことで違法建築の発覚を免れたケースもあるので、検査済証がない中古住宅には、注意が必要です。
とはいえ、「検査済証のない中古住宅は買ってはいけない!」と言っているのではないです。
そんな物件は多いので、建築確認申請書と実際の建物を比べて、変に違いがないか確認しましょう。
(これは僕の経験ですが、建築確認申請書は2階建てなのに、実際の建物は3階建てだったことがあります…)
違法建築物を買ったからといって、摘発されて改築などを求められることは、おそらくないでしょう。
でも、リフォーム工事の建築確認申請をしたときに許可が下りない可能性はあります。
断熱材のない中古住宅を買ってはいけない
冬に暖かく、夏に涼しい快適な生活を送るためには、住宅に外気と内気を隔てる高い断熱性能が求められます。
断熱性能を高めるには、住宅をすっぽり断熱材で覆う必要があるわけですが、なかには断熱材のはいっていない中古住宅もあるので、注意が必要です。
「断熱材の入ってない住宅なんてあるの⁉︎」と言いたくなるかもしれませんね?
実は、意外なことに日本の省エネ基準では、断熱材をいれるのは「推奨」であって、「義務」ではないんです。
住宅の省エネ基準が初めて制定されたのは1980年のこと。
以降、1992年→1999年→2013年→2016年と省エネ基準は改定されていますが、その基準は大きく変わっておらず、2020年に予定されていた断熱材の義務化も延期されました。
だから中古住宅を買うときには、壁内の断熱時はチェックできませんが、床下や屋根裏は点検口から確認することができるので、チェックしましょう!
それでもし断熱材が入っていないようなら、あとになって高額なリフォーム費用がかかることを覚悟しないといけません。
軟弱地盤に建つ中古住宅は買ってはいけない
欠陥住宅の多くの原因は、軟弱地盤による不同沈下にあるといわれています。
家全体が均等に沈むのであれば、さほど問題はないのですが、不均一に沈むと家が傾いて、健康にも被害が及びます。
地盤の強弱を見るのに、地面を覗くわけにはいきませんが、いくつか判断するコツはあります。
家が傾くと基礎にひび割れが見えたり、ドアや窓の開閉が難しくなるので、まずは内見するときにチェックしましょう。
あと便利なもので、スマホアプリで家が傾いていないかをチェックできます。
「水準器」と検索するとでてくるので、試してみると良いです。
内見以外でも、地理院地図で過去の立地環境を確認しておきましょう。
この地図を使えば、航空写真を現在と数十年前とで比べることができます。
例えば、その土地が昔は水路で埋め立てられた場所であった場合、軟弱地盤である可能性がでてきます。
地理院地図でなくとも、「沼」「瀬」「川」など、水を連想させる地名のついた地域は、過去水辺に近かったことがうかがえ、地盤が弱いかもしれません。
中古住宅を買うまえに地盤調査ができれば一番いいんですが、普通、それは断られますので…。
シロアリ被害のある中古住宅を買ってはいけない
シロアリの被害は、木造住宅に限ったものではありません。
実は、鉄骨住宅でも床組(床を支える骨組のこと)は木材を使っていることが多く、シロアリの被害はありえることです。
なので、内見をしたときに床が軋んだり、グニグニとするときは、シロアリの被害が及んでいる可能性があります。
一般的に防蟻処理は「5年に1回程度するべき」と言われます。
ただし、新築したときに、そもそもどのような防蟻対策がとられていたかによって、もっと長い周期でも問題ないケースもあります。
そうはいっても例えば築15年やそれ以上経った家で、これまでアフターメンテナンスとしての防蟻処理を一度もしていないのであれば、シロアリの被害を警戒すべきでしょう。
被害がすすむと、多額の補修費が必要になるケースもあるので、防蟻対策の記録がのこっているか確認するのをおすすめします。
雨漏りがひどい中古住宅を買ってはいけない
築年数に応じてリスクが高くなるのが、雨漏りの被害。
実は、売主が気づいてないだけで、壁内で雨漏りが発生していた…ということもあるので要注意です。
内見の際には、天井のコーナー部分やサッシまわりに黒ずんだシミがないかチェックしましょう。
黒ジミの正体はカビで、外壁のひび割れから雨漏りして染み出したものなら、内壁をはずしてリフォームすることになるので、リフォーム費用が高くなります。
また外壁でも、ひび割れ周辺に白いシミのような汚れがあるかもしれません。
これは白華現象といって、内部で雨漏りしている可能性があります。
耐震性の低い中古住宅は買ってはいけない
言わずもがな、日本は地震大国です。
中古住宅を買う上で、建物の耐震性には特に注意したいところですよね?
実は、中古住宅の耐震性がどのくらいかは、築年数である程度予想できます。
区切りとなるのは、1981年と2000年の2つ。
1981年の改正で「新耐震基準」が施工され、さらに2000年には耐震性の基準を引き上げる大きな改定がありました。
だから、1981年5月以前に建築確認申請を取得した住宅は、新耐震設計基準が施工される前の基準となるので、耐震性能が低い可能性が高いです。
そしてより高い耐震性の中古住宅を買うなら、2000年6月以降に建築確認申請を取得した住宅にした方が良いでしょう。
耐震補強のリフォーム費用は、100万円を超える大規模なものになりがちです。
古い家を買って、レトロ感を残したリノベーション!…ロマンがありますが、そのロマンは意外と高くつくかもしれません。
売買契約まえにホームインスペクションをしよう
2018年の宅建業法改正で、不動産会社に対して、買主に「ホームインスペクションのあっせん」をすることが義務付けられました。
ホームインスペクションとは、住宅診断のことで、専門家が隠れたところに欠陥がないか、主に非破壊の目視調査をするもの。
あくまでも義務化されたのは「あっせん」であって「実施」ではありません。
実施するなら費用は自己負担となることがほとんどですが、次のようなメリットがあるので、お金を払ってでもする価値はあります。
・購入後のトラブルを未然に防ぐことができる
・劣化しているところがわかるので、購入後のリフォーム費用が計算しやすい
・一定の基準を満たせば、既存住宅売買かし保険に加入できる