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こんにちは!このブログも7周年!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
日本には国土の2/3ほどの森林面積があり、「木」は最も身近な自然の建築素材です。
そんな木を家の外壁に採用して、ナチュラルでおしゃれなデザインにしたい!というニーズは今も根強くあります。
一方で、腐る・燃える・メンテナンスが面倒といったデメリットも、よく取り上げられるところ。
そんな木材外壁のデメリットは解決できるのでしょうか?
この記事ではそんな疑問に答えつつ、木材を外壁にするときの注意点、木材外壁の代替にできる素材などを紹介していきます!
木の外壁で心配になるデメリット3つ
掲載元:江上組
木材の外壁を採用するにあたって心配になる「腐る・燃える・メンテナンスが面倒」というデメリットは解決できるものなのか。
それぞれ見ていきましょう!
木材の外壁は腐りやすいけど、乾燥していれば耐久性の高い素材に
木には、空気の湿度によって、湿気を放湿・吸湿する性質があります。
伐採時の含水率(水分の質量/水を含まない木材の質量)は100%以上も普通で、水をたっぷり含んだスポンジ状態です。
その後、時間とともに放湿(乾燥)と吸湿を繰り返しながら、最終的には15%くらいで平衡(つりあうこと)するようになり、耐久性の高い素材になります。
含水率が20%以上の状態が長く続くと腐朽菌が繁殖しやすくなりますが、雨などで一時的に含水率が上がっても、その後に乾燥させれば腐朽菌の発生を抑えることができ、腐ることもなくなります。
掲載元:クレバリーホーム
外壁の乾燥状態を保つ方法のひとつに、外壁通気工法があります。
図のように、外壁の躯体(柱や梁など)側と外装材との間に通気層を設けるもので、通気層は外壁材の乾燥を促進するだけでなく、外壁内の結露も抑えることができます。
ですから、雑草や物置などで通気層の入り口を塞がないようにしないといけません。
これは、木材の外壁に限らず一般的な共通事項です。
木材の外壁は燃えやすいけど、防火仕様の建材がある
外壁に木の板材を張るときには、防火仕様にする必要があります。
各建材メーカーは、外壁に木材を張れる大臣認定の防火仕様を持っていますので利用するといいです。
木材の外壁は塗装メンテナンスサイクルが短い
一般的な外壁サイディングの塗装メンテナンスは10年前後のサイクルとされており、塗料の性能向上で次第に長くなっているのが実情です。
それに比べて、木材を外壁に張った場合のメンテナンスは、5年前後とされています。
掲載元:彩家
5年なんて短すぎる!と思われるかもしれませんが、木の魅力との引き換えですね。
確かに、5年ごとに足場を組んで塗装し直すというのは面倒ですしコストも掛かります。
ですから、できればDIYできる高さ(つまり平屋建て)、あるいは1階部分のみ板張りとするなどの工夫が必要かもしれません。
なお板張りの塗装には、浸透タイプと被膜をつくるタイプがあります。
折角、自然の木を使用するのですから、個人的には木目を消さない浸透タイプがいいと思います。
塗装の必要がない「焼杉板張り」というのもありますが、一般的ではありませんのでこの記事では省略しますね。
木目「調」のサイディングは自然木の代わりになる?
木材の板張りに不安がある場合には、一般的なサイディングと同等の耐久性とメンテナンスとなる木目調サイディングもあります。
近年の印刷・塗装技術の向上で、よほど近くに寄らないと分からないほどナチュラルな仕上がりのものもあります。
木目調窯業系サイディング
窯業(ようぎょう)系サイディングとは、セメント、繊維材を主原料とした混和材を板状に成形・養生したもので、ほとんどが不燃材として大臣の防火認定を取得しています。
窯業系の木目調サイディングは、写真のように一見しただけでは人工物とは分からないほどです。
ただし建物全体に使用すると、やはり人工物の不自然さが現れてきますので部分使いがいいでしょう。
玄関ポーチ部分や1階だけ、というのがいいですね。
木目調鋼板サイディング
鋼板製の木目調サイディングは耐久性のあるものですが、残念ながら窯業系の木目調サイディングにくらべても自然木の風合いに欠けます。
理由は塗料が基材(鉄板)に浸透せず、塗膜にどうしても光沢が出てくるのが主な原因でしょう。
木材の外壁には、上で紹介したようなデメリットがあります。
しかしデメリットを十分に理解して対処方法を知れば、残るのはメリットだけ。
それでも木材の外壁に不安が残る場合は、窯業系の木目調サイディングがおすすめです。
この記事が、外壁に木を張るかどうかで迷っている方の参考になれば嬉しいです。