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こんにちは!このブログも7周年!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
エコキュートとか、
エコジョーズとか、
エコウィルとか……。
給湯器で「エコ」と名のつくものが多すぎて、もうなにがなんなのか、わかりにくいですよね?
この記事で紹介するのは、数あるエコ商品のなかで、電気を動力とした「エコキュート」。
その仕組み・メリットやデメリット・注意点・業者の選び方まで、わかりやすく説明していきます!
エコキュートは電気を動力とした給湯器
エコキュートとは、どういうものなのでしょうか?
給湯器は種類が多いですが、「何を動力としているか」と「発電機能の有無」で分類するとわかりやすくなります。
上表のとおり、エコキュートは電気を動力としていて、発電機能はない、省エネを目的とした給湯器です。
そしてエコキュート最大の特徴は、貯湯タンクがあること。
他の給湯器は瞬間的に湯を沸かしますが、エコキュートの場合は、料金の安い深夜電力の間に湯を沸かし、それをタンクに貯めておくわけですね。
オール電化の家であれば、特におすすめの給湯器になります。
外気の熱を取り込んでお湯を沸かす仕組み
エコキュートは、湯を沸かす室外機(ヒートポンプユニット)と、湯を貯める貯湯タンクの2つで成り立っています。
どんな仕組みなのか、わかりやすくデフォルメチックにして解説しますね。
まず、室外機のなかには「CO2くん」がたくさんいて、なかをぐるぐる巡回しているとイメージしてください。
CO2くんは、ファンから送られてくる外気の熱を食べて、熱を帯びます。
熱を帯びたCO2くんは、圧縮機までやってきました。空気は圧縮されると、熱があがる特徴があります。
圧縮されたCO2くんは、一気にヒートアップ!
ヒートアップしたCO2くんは水の中に入れられて、熱を水にうつしていきます。
すっかり冷えきったCO2くんは、ふたたび熱を食べにファンのところまで戻っていきます。
1〜3を繰り返すことで、お湯が貯湯タンクに貯まっていきます。
このお湯を、お風呂やキッチンで使っていくわけですね!
……わかりやすかったでしょうか?
このようなエコキュートですが、家族人数によって、適した貯湯タンクのサイズがあります。
家族の人数で貯湯タンクのサイズが変わる
エコキュートは、貯湯タンクに180L〜550Lなど、サイズに幅があります。
家族人数によって何を選ぶか決まってくるのですが、三菱電機のホームページがわかりやすかったので、掲載しておきますね。
掲載元:三菱電機
それでは続いて、エコキュートのメリット・デメリットも確認しておきましょう!
エコキュートのメリットとデメリット
エコキュートのメリットには、次のようなものがあります。
- 深夜電力を使って低コストで湯を沸かせる
- 災害・停電時でも湯を使える
- 床暖房に対応している
安い深夜電力で湯を沸かすので、ランニングコストが低いのはエコキュート最大のメリット。
また災害などで停電・断水したときも、直接お湯を取りだして使える機能もついています。
数百リットルの湯をストックできているのは、いざというときに安心ですね。
床暖房を設置したい場合にも、エコキュートは適しています。
床暖房にしたいとき、一般的には暖房機専用の給湯器を追加しますが、エコキュートなら、それ1台で床暖房に対応できます(対応機種を選びましょう)。
ただ、エコキュートにはデメリットも多くあります。
- 室外機とタンクの設置スペースが必要
- マンションで取り付けるときは大きさの制限がある
- 停電になると湯を沸かせない
- 貯湯タンクの衛生面が気になる人もいる
まず目に見えるデメリットとして、室外機とタンクの2つがあるため、スペースを取られます。
なので、マンションなどで宅内にエコキュートを設置する場合、希望するサイズの貯湯タンクが入らないことも……。
バルコニーに設置することもありますが、玄関扉を外さないといけなくなったり、交換工事が大掛かりなものになりがちです。
またエコキュートは、電気を動力とするだけに、停電になるとお湯を沸かせません。
いざとなれば、メリットであげたように貯めたお湯を直接取り出せますが、停電中はお湯があってもポンプが動かないので、蛇口からはお湯がでません(お水はでます)。
あとは衛生面。
「タンクに貯めたお湯を使うのはちょっと…」と、気になる人は気になるかもしれませんね。
エコキュートは大きいので配置に注意
デメリットにもあげましたが、エコキュートは機体が大きいです。
なので、配置によって次のようなことが起きやすいので、注意しないといけません。
- 配置によって、避難経路を塞いでしまう
- 室外機やタンクを足がかりに、2階に侵入しやすくなってしまう
- 風をだすので、隣家の迷惑になるかも
エコキュートは、前方600mm・側方300mmもあれば設置はできます。
ただ都市部の一戸建てなど、隣家が近いケースでは、エコキュートによって避難経路を塞ぐことになりかねません。
また「室外機やタンクを足がかりに2階に侵入された」という話も聞きますので、2階窓との位置関係にも気を配った方がいいでしょう。
そして隣家に対しても注意がいります。
エコキュートは、隣家に向かって熱はだしませんが、風はだします。
なので、隣家の窓の正面に配置するのは、避けるようにしてください。
業者選びに注意!施工不良で大変なことになるケースも
エコキュートは、リフォーム会社などに依頼すれば設置することができます。
ただ「単に給湯器を設置するだけだかなら、安いところでいいだろう」と安易に業者を選んでは、後悔することになるかもしれません。 というのも一戸建ての場合、エコキュートを設置する為に、地面にコンクリートのベースを打ちます。
この場合、建物の基礎からアンカーを打って配筋をするのが必須なのですが、それをやらない業者が多い!
これで地震くると、タンクの中の水の重さでコンクリートが割れて、建物から離れてしまうかもしれません。
他にも、地盤が悪い所に安易にベースを打って、割れてしまい傾いてしまった現場も見たことがあります。
だから、いくつかの業者に話を聞き、丁寧に説明してくれて信頼できるところを選びましょう。
エコキュート専門業者なら価格が安くなるかも
ではエコキュートを設置するのに、どこに依頼すればいいのか?
例えば、家のリフォームをするタイミングで給湯器も入れ替えようというのであれば、リフォーム会社に依頼すればOKです。
ただエコキュートを設置するだけなら、エコキュート専門業者というのがあるので、そこに依頼した方が安くなるでしょう。
エコキュートは、パナソニックや三菱電機など多くのメーカーがだしていて、ホームページには、それぞれ定価が載っています。
ただ、そこに記載されている定価はあってないようなもの。
エコキュートを含め住宅設備というのは、多く仕入れている業者ほど、ビックリするくらい安く仕入れられます。
安く仕入れられても、施工費をかなり上乗せしているケースもあるので、2〜3社は比較した方がいいでしょう。
「地域名 エコキュート 専門業者」で検索してみてくださいね。
エコキュートの寿命は7年を目安に
エコキュートの耐用年数は、長めに言っているところもありますが、概ね7年くらいだと思っておいた方がいいと思います。
給湯器は耐用年数を超えてくると、修理をするにも部品がなくなっていたり、保証期間も過ぎていて修理代がかさみます。
なので壊れたら、買い換えを選択した方がいいかもしれません。
メーカー選びは慎重に!一度選んだら変えられない?
エコキュートは、シェア率の高いものから、次のようなメーカーがだしています。
それぞれメーカーによって、追い焚き機能だったり、スマホで操作できたりと様々な能力があるので、ホームページで確認して見てくださいね。
ただメーカー選びは慎重にしましょう。
というのも、よくできているというかなんというか……一度選んだメーカーは、買い換えするときも変更しにくくなっているからです。
上で説明したとおり、エコキュートの寿命は7年といったところですが、各メーカーは買い換えも視野に入れて、薄利多売しているのが実際のところ。
だからエコキュートは、各メーカーによって貯湯タンクの設置の仕方が共通ではありません。
貯湯タンクの足が違っていたり、配管が届かなかったり、タンクを固定するアンカーボルトが使えなかったりします。
マンションの場合だと、そもそもメーカーを選べないかもしれません。
マンション管理側との契約で、外観の見た目を壊さないためとか理由をつけて、特定のメーカーのものしか設置できなくなっていたりします。
エコキュートのメンテナンスは春と秋に
エコキュートのメンテナンスには、次のようなものがあります。
- 貯湯タンクの清掃(春と秋に1回ずつ)
- 浴槽フィルターの掃除(こまめに)
- 配管の清掃(春と秋に1回ずつ)
- 漏電遮断機・逃し弁・漏水の点検
(春と秋に1回ずつ)
浴槽フィルターの掃除はこまめにやっておいた方がいいですが、その他は年2回くらいやっておけば十分でしょう。
冬にお湯を使えなくなっては大変なので、秋のうちにメンテナンスをしておきます。
その半年前で春にも一度メンテしておくイメージですね。
特に重要なのが貯湯タンクの掃除です。
貯湯タンクの内部はサビはしませんが、水道水に含まれる不純物が溜まっていきます。
それを外に流すわけですが、年2回を目安に排水栓からタンク内のお湯をだすだけなので、難しくはありません。
買い換えのタイミングで取り外したエコキュートを見たことがありますが、「定期的にメンテナンスしてなかったんだなぁ」というのは、よくわかります。
衛生面のことなので、しっかり忘れずにやりましょうね。
さいごに
いかがだったでしょうか?
ここではエコキュートについて、仕組みやメリット、注意点まで幅広くまとめてみました。
これからエコキュートを設置するなら、ぜひ参考にしてくださいね!