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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
車椅子で暮らせる家って、どんな家でしょう。
廊下はどのくらいの幅があればいい?
どんな設備をつけたら暮らしやすくなる?
いろいろ考えて、新築もしくはリフォームをしてみたけれど、「もっとこうしておけば良かった…」なんて後悔したくないものですね。
そこでこの記事では、車椅子で暮らせる家をテーマに、家に取り入れたい工夫や、車椅子で暮らすことを考慮したサイズの取り方などを紹介していきます!
ここで紹介するポイントは14個。あなたの計画の参考になれば幸いです。
それでは参りましょう!
車椅子で暮らせる家になる14ポイント
車椅子が通りやすい廊下幅は900mmから
車椅子の通りやすい廊下幅は、一般的には900mm〜1200mm程度が良いとされています。
掲載元:日本財団図書館
住宅を建築するときには、910モジュールとか、メーターモジュールとか基準の寸法があるのですが、一般的に910モジュールの住宅は廊下幅780mm、メーターモジュールは870mmくらい。
車椅子は、JIS企画で幅700mm以下と決められているので、標準的な寸法廊下でも通行は可能です。
ただ、ちょっと狭いと感じるかもしれませんね。
廊下幅を任意に変えられるかは、ハウスメーカーや工務店によって変わってきます。
設計の自由度には注意しましょう。
行き止まりのない間取りにする
車椅子で暮らしやすい家にするには、行き止まりを作らないことも重要です。
家の中で何度も車椅子を切り返していると、結構なストレスですし、ぶつけて壁を傷つけてしまいますから。
たとえば下の間取りのように家の中心に収納を配置して、ぐるっと廊下と部屋で囲うと、回遊する家事動線ができて行き止まりがなくなります。
掲載元:Panasonic
あるいは行き止まりがあったとしても、車椅子の回転スペースを作りましょう。
掲載元:日本財団図書館
廊下の突き当たりを広めの洗面室にするなどの工夫が必要です。
車椅子対応フローリングにする
車椅子で暮らせる家にするには、滑りにくく、耐久性のあるフローリングを選ぶことも重要です。
車椅子は、滑りやすいフローリングでは横すべりして走行しづらく、特にトイレやお風呂など、車椅子の乗り降りをする場所では転倒の危険もあります。
なので車椅子で暮らせる家なら、滑りにくいフローリングの方が適しています。
また車椅子で移動する場合、床面に荷重がかかって、傷や凹みがつきやすくなるため、耐久性のある硬めのフローリングの方が良いでしょう。
ただあまり硬すぎると、転倒時のリスクもあるので、ある程度のクッション性も必要です。
難しいところですが、車椅子対応のフローリングもあるので、基本的にはそのなかから選ぶ方が無難です。
腰壁を設置する
狭い屋内では、どうしても車椅子をぶつけて、壁に傷をつけてしまうことがあります。
壁紙が破れたり、内壁材が割れてしまったりすると補修が大変なので、オススメとしては、腰壁を設置するのが良いでしょう。
吊り戸で段差をなくしフラットにする
室内の段差をなくすのは、車椅子で暮らせる家をつくる上で、基本の基本。
部屋と部屋の繋ぎ目も段差がない方が好ましく、そんなときに有効なのが「吊り戸」です。
掲載元:リフォーム産業新聞
読んで字の如く吊るしてある戸なので、敷居やレールが不要で、段差ができません。
さらに開閉に必要な力が少なくて済むので、車椅子で暮らすには、ありがたい設備になります。
ドアを幅広の引き戸にする
吊り戸でなくても、車椅子で暮らせる家にするなら、幅広の引き戸がオススメです。
開き戸であれば、ドアを開けるときに車椅子を動かしながらになりますが、引き戸であれば止まったまま開けます。
開け閉めが簡単になって、車椅子の動作が減るので楽です。
掲載元:Panasonic
また、ドアが開いた状態での開口巾を有効開口といいます。
一般的な引き戸の有効開口は800mm程度。
この広さでも問題はないのですが、廊下といっしょで、もう少し広い方が使いやすくなります。
たとえば2枚連動引き戸というものがありますが、これであれば有効開口を900mm以上に出来、車椅子でも出入りが簡単になります。
掲載元:YKKap
特にトイレは「トイレ戸」といって、ハウスメーカーなどで、幅が狭めのドアが標準仕様になっていたりするので、よく確認しましょう。
スイッチは高めにコンセントは低めに配置する
スイッチの高さは、床から1200mmに配置するのが一般的です。
ただ最近では、高齢者や車椅子の人にも押しやすいように、床から1000mmの高さで設定してある住宅も多くなっています。
車椅子で暮らせる家にするなら、低めに配置するのがオススメ。
逆にコンセントは、一般的には床から250mmの高さに配置することが多いですが、高めの450mmに配置するのがオススメです。
掲載元:栃井建設工業株式会社
バルコニーとつながる窓をフラットレールに
車椅子で暮らしていると、大変なのが毎日の洗濯です。
バルコニーへは、掃き出し窓(外に出られる窓)から出るケースが多いですが、通常の家は雨が入り込まないように、バルコニーとの間にあえて段差をつけています。
車椅子で暮らすなら、それよりも出入りのしやすさを優先した方が良いでしょう。
部屋とバルコニーの床高を合わせて、掃き出し窓は、段差のないフラットレールというものにします。
掲載元:JSK三重県住宅生協
掃き出し窓の一般的な幅は、2枚の引き違いタイプで1650mm程度。
いっぱいに開いて、有効幅は800mm以下です。
もちろんそれより幅広にした方が出入りはしやすくなりますが、逆に幅広だと窓が重たくなって、開け閉めに困ることになりかねません。
このあたり、住宅展示場やショールームで実際の開きやすさを体感しておいた方がいいですね。
適所に手すりをつける
車椅子で暮らせる家にするには、適所で手すりがあると安全です。
特に「起き上がる・座る・寝転ぶ」といった動作をする場所では、自分はもちろん、介助する人も、手すりがあると安全かつ楽になります。
なので、トイレ・浴室・寝室は手すりをつけるべきです。
また、室内外で車椅子を分けるケースや、歩くことも車椅子に乗ることもあるケースなど、玄関で動作が発生するときも手すりはあったほうが良いでしょう。

玄関は広く、上り框を低くする
車椅子で暮らせる家にするには、上り框をなくしてしまうのも、良い方法です。
上り框とは、玄関とホールをつなぐ段差部分のこと。
靴を履く場所と脱ぐ場所を区別して、土やホコリを室内に持ち運ばないようにする意味があります。
掲載元:ブルースホーム小倉
ここも段差がない、あるいは段差を低くして携帯スロープなどを利用すると、車椅子の出入は格段に簡単になります。
他の家族が座って靴を履きたい場合にも、ベンチを別に設置すれば問題ありません。
屋内外で車椅子を変えている場合は、玄関の段差も重要ですが、広さも重要になります。
靴が散乱して車椅子が通りにくくならないよう、スッキリ片付けられる大きめ玄関収納があるのも良いですね。
トイレは可能なら2畳ほしい
車椅子で入るトイレなら、小さくても2畳くらいのスペースがほしいところです。
トイレ内で車椅子を回転させて、行きと帰りで方向転換しないといけないからですね。
もし2畳のスペースをとるのが難しければ、廊下から見て、横向きの便器と引き戸にしましょう。
こうすると、車椅子と便器の乗り換えが短くて楽になります。
掲載元:ミサワリフォーム株式会社
またトイレ内の手すりは、縦の手すりと横の手すりを併用するのがオススメです。
縦の手すりは、起き上がるときの支えになり、横の手すりは、座っているときに手をかけてバランスをとることができます。
キッチンは車椅子対応のものを選ぶ
一般のキッチンでは、背が高く、車椅子に乗る人には扱いが難しいでしょう。
ただなかには、座ったまま調理できる車椅子対応のキッチンがあります。
掲載元:LIXIL
一般のキッチンよりも背が低くなっていて、車椅子でも移動しながら料理ができるように、シンク下がぽっかり空いた空間になっています。
また、シンクが底まで手が届くよう浅くなっていたり、サイドに設置された収納も車椅子のままで取りやすい設計になっています。
シュールームなどで、使い勝手を体験しておきたいところですね。
お風呂はバリアフリー仕様に
お風呂にも、車椅子でも入りやすい、バリアフリー仕様があります。
バリアフリー仕様のお風呂は、広くて浅い浴槽・手すりのある壁・滑り止めのある床・広い出入口になっているのが特徴で、車椅子の人にも使いやすくなっています。
掲載元:BXゆとりフォーム
日本人なら、やっぱりシャワーだけでなく、ゆっくり浴槽でくつろぎたいですよね?
浴槽の縁が広いものを選べば、いっかいそこに腰掛けて、くるっとスライドすることで浴槽へはいりやすくなります。
それも難しければ、お風呂専用の移動式リフトを設置しても良いかも知れません。
洗面台は壁付けがオススメ
車椅子の人が洗面台を使おうとしたときに、洗面ボウルの下が収納になっていると、足が当たってしまい、ボウルに近づきにくくなります。
なので洗面台は、ボウル下がスッキリ収納のないタイプを選びましょう。
そんな意味でも、洗面台は壁付けタイプがオススメです。
掲載元:sanwacompany
スッキリしていて周りを広く使えるため、手すりをつけたり、車椅子でも使い勝手の良い家具を選んで置きやすくなります。
掃除しやすいのもメリットですね。
さいごに
ここでは、車椅子で暮らせる家をテーマに、14のポイントをご紹介しました。
廊下の幅や段差の解消に加え、フローリングやキッチンといった仕様など、暮らしやすくするためのポイントはたくさんあります。
このあたり各住宅会社で、間取りや仕様にどこまで自由が効くかを確認したいところです。
複数の住宅会社にプランを依頼して、提案を比較してみましょう!
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