リフォーム時の税金控除

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女性(ふー)

リフォームしたいけど、思ったよりお金がかかりそうだなぁ…。




こんにちは!
ハウスメーカー、今不動産特化FPカルタです!

親と同居することになったからリフォームしたい!
太陽光発電装置をつけて、省エネ住宅にしたい!
介護のためにリフォームしたい!

リフォームを考えるキッカケはいろいろありますが、そのどれもに税金の控除制度があるのをご存知ですか?

家をリフォームしたときの税額控除制度は大きく2種類あります。


まずひとつめが、ローンを借りてリフォームをしたときの税額控除制度
家を買ったときに、住宅ローン控除が受けられることは有名ですが、これは買ったときだけではありません。
リフォームしたときだって受けられます!


ふたつめが、自己資金でリフォームをしたときの税額控除制度。
ローンを借りなくても、税金の控除は受けられるんです!


どちらも、知らなければ勝手に適用なんてされません!
役所の人が突然家にやってきて、「おたく、税金の控除がうけられますよ?」なんて教えてくれるわけもないですし、リフォーム業者は税金について詳しくないことも多々あります。


知らないと損してしまいますから、ここでしっかりと説明しますね!


ご紹介する税額控除制度は全部で8種類。
ただ、そのうち選べるのは1種類だけで、併用はできません
どれが自分に当てはまるのか、ここでしっかりと確認しておいてください。

それでは、まいりましょう!

リフォームに使える住宅ローン控除は4種類!

住宅ローン

住宅ローン控除とは、ローンの年末残高×1.0%を所得税から減額し、前年支払った所得税を返金してくれる制度のこと

ローンを借りた翌年の3/15までに確定申告をするか、サラリーマンであれば、年末調整時に必要事項を記入するだけで、返金を受けられます(サラリーマンでも初年度のみ確定申告が必要)。

「住宅ローン控除」という呼び名が定着していますが、本名は「住宅借入金等特別控除」。
住宅ローンだけでなく、リフォームローンも適用の対象になります。

そして、リフォームで受けられる住宅ローン控除は、さらに次の4種類に分かれます。

  • 一般の住宅ローン控除
  • バリアフリーローン控除
  • 省エネローン控除
  • 多世帯同居改修ローン控除

それぞれ見ていきましょう!

一般の住宅ローン控除

住宅ローン

一般の住宅ローン控除は、後で説明する3つの住宅ローン控除と比べて、特殊な適用要件もなく、受けやすい制度になっています。

控除額は以下のとおり。

一般の住宅ローン控除

 

つまり、ローンを借りてリフォームをすれば、毎年最大40万円を10年間、受取ることができます。

簡単な例を見てみましょう。

リフォームローンを借り、初年度の年末残高が2000万円。
その後、毎年100万円を返済するとした場合、次のようになります。

年末ローン残高 控除額
1年目:2000万円 20万円(2000万円×1.0%)
2年目:1900万円 19万円(1900万円×1.0%)
3年目:1800万円 18万円(1800万円×1.0%)
4年目:1700万円 17万円(1700万円×1.0%)

このような控除が10年間続きます。

ただ、所得税を減額する制度ですから、控除額以上の所得税を支払っていることが条件です。
控除額が20万円でも、支払った所得税が15万円なら、返ってくるお金は15万円ということですね。

ただし、所得税から減額しきれなかった控除額があるときは、次の式で計算した金額を翌年度の住民税からも控除できます。

所得税の課税総所得金額×7.0%(最高13万6,500円)




続いて、一般の住宅ローン控除を受けられる要件を確認しておきましょう。
次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 増改築の場合は、増改築後6カ月以内に居住していること
  • 年末まで引き続き居住していること
  • 合計所得金額が3000万円以下であること(給与のみの場合は、収入金額が3230万円以下であること)
  • 工事費用が100万円を超えていること
  • 家の登記面積が50㎡以上であること
  • 店舗併用住宅の場合、床面積の1/2が居住用であること
  • 銀行のリフォームローン等を利用していること
  • 住宅ローンの年末残高があること
  • (※1)2年以内に家を売って、所定の特例を受けていないこと
  • ローンを借りた翌年の3/15までに確定申告すること

(※1)所定の特例とは、「居住用財産の軽減税率の特例」、「居住用財産の3000万円の特別控除」などの特例をいいます。



これらの要件は、4種類の住宅ローン控除に共通のものになります。

後で説明する「バリアフリーローン控除」「省エネローン控除」「多世帯同居改修ローン控除」の3種類は、これらに+αの要件が加わることになります。




一般の住宅ローン控除の基本的なスタンスとしては、「他3種類の住宅ローン控除の適用要件を満たせなかったときに、これを使う」というもの。

というのも、他3種類の住宅ローン控除の方が、控除額が大きいからです。


また4種類の住宅ローン控除の中で、一般の住宅ローン控除のみ、総返済期間が10年未満の場合には適用されません

「控除期間が長い方がいいんじゃないの?」と思ってしまいそうですが、住宅ローンに比べてリフォームローンは金利が高いです。
返済期間が長いと、それだけローンの支払利息も、積みかさなって高額になります。

さらに、途中で繰上返済をして総返済期間が10年を切ってしまうと、住宅ローン控除もその時点で打ち切りになってしまうので注意が必要です。


一般の住宅ローン控除を使うべきなのは、次のようなときと思っておきましょう。

  1. (後述する)バリアフリー、省エネ、多世帯同居の住宅ローン控除が適用対象外であるとき
  2. ローンの借入額が1000万円超など、大規模リフォームをするとき

バリアフリーローン控除

住宅ローン

それでは、ふたつめ。バリアフリーローン控除です。

バリアフリーローン控除とは、一定の条件に該当する者後述)がバリアフリー工事をしたときに適用され、税金の控除が受けらる制度です。

控除額は以下のとおり。

バリアフリーローン控除

 

次のようなリフォームをしたとして、シミュレーションしてみましょう。

リフォームローンの年末残高…500万円
内バリアフリー部分の工事費用…300万円


この場合、バリアフリー部分の工事費用については250万円まで×2.0%の控除率になります。
それを超えた分と、バリアフリー工事以外は×1.0%。

だから…

250万円×2.0%+(500万円-250万円)×1.0%=75,000円

この計算で算出した額を、5年間にわたって受け取れることになります。




つづいて、適用要件です。
バリアフリーローン控除は、一定の条件に該当する者にしか適用されません。
一定の条件とは、次のようなものです。

  1. 50歳以上の者
  2. 介護保険法上の要介護または要支援の認定を受けている者
  3. 障がい者である者
  4. 上の2もしくは3に該当する者、または65歳以上の親族いずれかと同居している者

また、対象となるバリアフリー工事には×2.0%の控除率が適用されますが、その対象は、次のように定められています。

  1. トイレの改良
  2. 浴室の改良
  3. 手すりの設置
  4. 屋内の段差の解消
  5. 車椅子用に通路や出入口の拡幅
  6. 階段の勾配緩和
  7. 引き戸への付け替え
  8. 床表面のすべり止め

※1~8の工事合計額が50万円を超える場合のみとなります。




バリアフリーローン控除を受けるためには、確定申告時に次の書類を添付する必要があります。

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
    コチラからダウンロードできます)
  • リフォームローン等の年末残高等証明書
  • 登記事項証明書、請負契約書の写し
  • 増改築等工事証明書
  • (該当者のみ)介護保険の被保険者証の写し
  • 源泉徴収票

省エネローン控除

住宅ローン

つづいて3つめ。省エネローン控除です。

省エネローン控除とは、その家の所有者一定の省エネ改修工事等を行ったときに適用され、税金の控除が受けらる制度です。

省エネローン控除の控除額は以下のとおり。

省エネローン控除
※ただし、太陽光発電装置をつけるときは300万円が上限

控除される期間や額は、「バリアフリーローン控除」とまったく同じです。
だから計算方法も同じ。
違いうのは、×2.0%の控除率となる適用要件だけです。




それでは、省エネローン控除の適用要件を確認してみましょう。

一般の住宅ローン控除の適用要件に加え、以下を満たす必要があります。

ケース①

全ての居室の窓の改修工事と、それに併せて行う床・天井・壁いずれかの断熱工事であって、改修後に各所の省エネ性能が平成28年基準以上となるとき。

ケース②

居室の窓の改修工事と、それに併せて行う床・天井・壁いずれかの断熱工事であって、改修後に各所の省エネ性能が平成28年基準以上となり、かつ改修後の住宅全体の省エネ性能が断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級3となるとき。

ケース③

ケース①または②の工事と一体になって省エネ性を高める太陽光発電装置などを設置するとき。

※いずれか工事合計額が50万円を超える場合のみとなります。




省エネローン控除を受けるためには、確定申告時に次の書類を添付する必要があります。

  • 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
    コチラからダウンロードできます)
  • 増改築等工事証明書
  • 登記事項証明書
  • 源泉徴収票

多世帯同居改修ローン控除

リフォームローン

4種類の住宅ローン控除の最後、多世帯同居改修ローン控除について説明します。

多世帯同居改修ローン控除とは、親の実家に子世帯が同居することになったときなど、多世帯同居用のリフォームをしたときに、所得税の減額が受けられる制度です。

多世帯同居改修ローン控除の控除額は次のようになります。

多世帯同居ローン控除

控除額や期間は、「バリアフリーローン控除」「省エネローン控除」と同じ。
控除額の計算方法も同じです。

 


では、多世帯同居改修ローン控除の適用要件です。

ひとつの家に多世帯が暮らすためのリフォームであって、単に部屋が増えただけでは適用されません

この控除を受けるためには、次の部位を増やしたときに適用になります。

  1. キッチン
  2. 浴室
  3. トイレ
  4. 玄関

※工事合計額が50万円を超える場合のみとなります。

玄関がひとつであったところを、親世帯用にもうひとつ設置するとか、そういった工事でなければ、この控除は適用されません。




多世帯同居改修ローン控除を受けるためには、確定申告時に次の書類を添付する必要があります。

  • 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書(コチラからダウンロードできます)
  • 増改築等工事証明書
  • 登記事項証明書
  • 源泉徴収票

自己資金でリフォームしたときの税金控除の制度

これまでは、ローンを借りてリフォームしたときの税金控除の制度をご紹介しました。

つづいては、自己資金でリフォームした場合です。

自己資金でリフォームした場合の税金控除には、次の4種類があります。

  • バリアフリー改修工事による税金控除
  • 省エネ改修工事による税金控除
  • 多世帯同居改修工事による税金控除
  • 耐震改修工事による税金控除

これらです。

住宅ローン控除との一番の違いは、これらが適用された場合、所得税の返金は一時金受取りになることです。

控除額は次のとおりになります。

自己資金でリフォームしたときの税額控除




それでは、次に1~4についての適用要件を確認しておきましょう!


1~3については、上の住宅ローン控除でご紹介した「バリアフリーローン控除」「省エネローン控除」「多世帯同居改修ローン控除」と、それぞれ適用要件は同じものになっています。


4の耐震改修工事による税金控除については、住宅ローン控除では×2.0%の控除率となる制度はありませんでした。
(だから「一般の住宅ローン控除」を使うしかありません。)

しかし、自己資金の場合は、税額控除の制度があります。

ただこれは、かなり古い家をリフォームした場合でないと適用されません。
要件は次のようになっています。

  1. 昭和56年5月31日以前に建築された家で、所有者の居住用であること
  2. 耐震改修後に、現行の耐震基準を満たすこと。

まとめ

以上、リフォームのときに使える税金の控除制度についてご紹介してきました。

使える制度は計8種類!

<ローンを借りてリフォームする場合>

  • 一般の住宅ローン控除
  • バリアフリーローン控除
  • 省エネローン控除
  • 多世帯同居改修ローン控除

<自己資金でリフォームする場合>

  • バリアフリー改修工事による税金控除
  • 省エネ改修工事による税金控除
  • 多世帯同居改修工事による税金控除
  • 耐震改修工事による税金控除

併用できないので、選べるのは、このなかでひとつだけです!

たとえば、バリアフリー工事をしつつも、トイレや浴室を増設した場合には、「バリアフリーローン控除」か「多世帯同居改修ローン控除」のどちらかを選ぶようになります。

どちらを選択するかは、見積り金額次第ですので、工事内容を項目別に見比べてください。


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