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古いマンションは安いけど、何か大きなデメリットがあったりするのかな……。
築年数が古いマンションを選ぶ際、目には見えないデメリットがありそうで気になりますよね?
確かに築年数の古いマンションは、購入費が安いものの、物件によっては大きな修繕費がかかってしまうことがあります。
古いだけに耐震強度や設備の老朽化状況、直近の大規模修繕の予定など、新築よりもチェックしなければいけないことが多いのは確か。
「安く買ったつもりが、結局高くついてしまった…」
とならないように、この記事では、そんな築年数が古いマンションのデメリット6つと、損しないための対策をお届けします!
①耐震性が低い可能性がある
それでは、築年数の古いマンションのデメリットを確認してみましょう。
まずは特に大事な、建物そのものの耐震性です。
古いマンションのなかでも特に注意したいのは、1981年(昭和56年)の建築基準法の改正以後の建物であるかどうか。
この年の建築基準法の改正によって、耐震基準が大きく見直されました。
改正前に建てられた建物は旧耐震基準のため、新耐震基準の建物に比べて耐震性が劣る可能性があり、古いマンションでは、これが大きなデメリットになりえます。
対策として重要なのは、建物がいつ建てられたかではなく、建築確認申請がいつ申請されたかということ。
例えば1982年に建てられたマンションでも、1981年5月以前に建築確認申請をしているなら、旧耐震基準の適用だったことになります。
建築確認申請がいつ申請されたかは、管理組合や建築主が保管している場合が多いので、仲介の不動産会社を通して聞いてみましょう。
②耐震補強が必要になる場合がある
古いマンションだと、マンションを購入したあとになって、耐震補強工事しなければならない可能性もあります。
仮にその工事費用が修繕積立金でまかなえないほど高額であった場合、あなたに一時金の請求(専有面積や所有比率によって全住民で按分)がくる可能性もあります。
そんな予期せぬ出費は、避けたいところですよね?
対策として、築年数の古いマンションを買う前に、不動産会社経由で耐震診断の実施状況や今後の耐震補強工事の計画について確認するようにしましょう。
修繕積立金の積立状況や過去に実施された大規模修繕の履歴などもチェックするべきです。
③設備の老朽化で修繕費用がかかる場合がある
古いマンションのデメリットとして、設備の老朽化で、買った直後に修繕費がかかるケースがあるというのもあります。
例えば配管が古くなっていると、サビや腐食により水漏れが発生したり、配管内に汚れや異物が蓄積されて水の流れが悪くなることがあるので、配管の清掃や部分的な交換が必要になるかもしれません。
電気配線も、経年劣化で断線やショートが発生していると、火災の原因にもなり得るので非常に危険です。
断線などなくても、古いマンションの電気設備は最近の生活様式に合わないこともあって、エアコンや大型テレビ、パソコンなどを同時に使用するとブレーカーが落ちるという問題が発生するかもしれません。
これらは素人目にはなかなか判断がつかないので、できればその対策として、専門家による建物診断(ホームインスペクション)を受けておきましょう。
④給湯器などの設備を交換する場合がある
エアコンや給湯器などの家電製品も、使用年数が長くなると性能が落ちたり、故障のリスクが高まります。
エアコンの寿命は10年、給湯器の寿命は10年〜15年くらいなので、古いようなら設備は買い替えすることを前提にしておきましょう。
最新の設備はランニングコストが低かったり便利な機能も多いので、長い目で見れば、そっちの方がお得かもしれません。
ただ古いマンションだと、新しい設備がそのまま設置できないケースがあるので要注意。
配管のサイズが合わない、電力容量が足りないといったこともあるので、これも不動産会社に相談しながら、下調べを慎重にしましょう。
⑤管理費や修繕積立金が高額になる
古いマンションの場合、管理費や修繕積立金が高くなるのもひとつのデメリット。
建物が古いと、エレベーターや共用部の照明など、老朽化した設備の維持・管理に、より多くの費用がかかります。
また屋根や外壁の塗り替え・防水工事・設備の大幅な更新など大規模な修繕の頻度が多くなり、これらを修繕するための積立金を高めに設定しないといけません。
もっとひどい場合、予定されている大規模修繕に向けて管理組合から追加の費用を請求される可能性もあります。
これは「特別積立金」とも呼ばれるもので、通常の修繕積立金とは別に、特定の大規模修繕工事を行うために必要な費用を住民に分担してもらうものです。
予想外のランニングコストに困らないように購入前には、管理組合の財務状況や修繕積立金の残高、過去の修繕履歴や今後の修繕計画を確認するといった対策をしましょう。
⑥将来売りにくい
建物は古くなるほど、基本的に売りにくくなるものです。
買ったときにすでに古いマンションは、数年から数十年経って売ろうとしたときに、なかなか買い手がつきにくいかもしれません。
暮らしているうちに設備が老朽化し、もっと修繕積立金が高くなってくると、買い手がついたとしても、かなり安くなってしまう可能性が高いです。
将来的な売却を視野にいれるなら、市場のニーズに合わせたリノベーションで価値を高めたり、駅近などの立地を活かした販売戦略が必要になってきます。
さいごに
築年数の古いマンションのデメリット6つを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
築年数が古いマンションには、耐震性の問題、設備の老朽化、管理費・修繕積立金の増加、そして再販売時の価値の減少など、様々なデメリットがあります。
ただ、これらのデメリットを理解して、調べるべきをちゃんと調べておけば、損をせずにマンションを購入できるはず!
建築確認申請がいつだったかや将来の大規模修繕の予定など、買う前にしっかり不動産会社に確認してください。
可能ならば、ホームインスペクションも利用して、事前に修繕にどのくらいの費用がかかりそうか見積もっておきましょう。
あなたが満足いくマンションが買えますように!