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こんにちは!
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
マイホームを新築するとき、建設会社から「地鎮祭はやりますか?省略しますか?」と聞かれることがあります。
つまり、どちらでもいい訳ですが、地鎮祭のことを知らないと迷ってしまいますよね。
個人的には、地鎮祭をやる人の比率は半分くらいで、年々省略するケースが増えていると感じています。
でも、そもそも地鎮祭とは一体なんなのでしょう?
一生に一度になるかもしれないマイホームの新築ですから、地鎮祭の意味や意義を知った上で、Yes・Noを判断したいもの。
そこでこの記事では、地鎮祭の意味や意義、儀式の流れ、玉串(たまぐし)料などの相場そして服装マナーなどを紹介していきます。
参考になりますように!
地鎮祭の意味と意義を知ろう
地鎮祭は、地域の氏神(うじがみ)様に土地利用の許可を願って、建築場所を祓い(はらい)浄めて(きよめて)もらい、工事の平安無事と家の繁栄を願うものです。
日本書紀にも記述されているほど古い日本文化の一つで、地域の神職(神主)が儀式をとり行います。
まれに住職(お寺)がとり行う場合もあります。
単に迷信と思うかもしれませんが、一生に一度のマイホーム。
家族との思い出づくりと考えてもいいのかもしれませんね。
地鎮祭の手配や準備はどうすればいいの?
地鎮祭なんて、そうそう参加することはないでしょうから、何をどうすればいいのか悩むかもしれません。
でも、安心してください。
建設会社にお願いすれば、手配から準備までのほとんどをやってくれます。
掲載元:荏原神社
参考までに、祭壇は神社側が用意して現地で組み立て、四方の竹やしめ縄、そして盛砂は、建設会社が用意して設置してくれます。
お供えものは施主が用意するのが基本ですが、神社側あるいは建設会社で用意してくれることがも増えているので確認してみてください。
最近は、祭壇を含めて地鎮祭に必要なものを設置共でレンタルしている業者もあります。
神社側や建設会社で用意できないようであれば、利用するといいでしょう。
いずれにしても、ほとんどのケースで、施主みずからが地鎮祭の手配や準備をすることはありません。
地鎮祭の流れと作法
地鎮祭が始まれば、神主が主導して進められます。その儀式の中ほどにある施主が担当する「地鎮の儀」と「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」について説明しますね。
地鎮の儀は「刈初の儀(かりぞめのぎ)」「穿初の儀(うがちぞめのぎ)」「鎮物埋納の儀(しずめものまいのうのぎ)」の3種類で成り立っています。
この内、施主が担当するのは「穿初の儀」です。
一応の作法があるので紹介しますが、難しく考えないで大丈夫です。
また3つの地鎮の儀が終わると、施主と参加者が行う「玉串奉奠」があります。
刈初の儀:設計事務所が担当
「刈初の儀」とは、土地の草を刈る儀式で、設計事務所の担当者が行い、建設会社が設計を兼ねている場合は省略されます。
穿初の儀:施主が担当
「穿初の儀」とは、土地を整地する儀式で、施主が担当します。
神職に呼ばれたら、神前に一礼して鍬(くわ)を受け取り、盛砂を整地する仕草を、左・右・左と3回行います。
このとき、「えい!えい!えい!」とかけ声をかけましょう。
整地といっても、盛砂をきれいに均す必要はなく、盛砂を崩すような感じです。
この仕草が終わったら鍬を神職に返し、神前に一礼して自席(元の位置)に戻ります。
この間、おそらく30秒ほどですから、あっという間ですね。
鎮物埋納の儀:建設会社
「鎮物埋納の儀」では、建設会社の担当者が、施主の整地した盛砂に穴を掘る仕草を行います。
そして掘った穴に神主が鎮め物を埋めるわけです。
鎮め物には、人像・盾・矛・鏡・水玉・刀・長刀の7つが入っていて、土地の神を鎮め、建物に住む家族に安寧(あんねい:平和なこと)をもたらすと考えられています。
神主から授けられた鎮め物は、地鎮祭のあと工事担当者が持ち帰り、基礎工事のときに建物の中央付近の地面に埋めます。
以上が地鎮の儀で、関東と関西、あるいは地方によって若干異なるようですが、神職が教えてくれますから心配無用です。
玉串奉奠
玉串は、神様に真心を伝える遣い物とされており、榊(さかき)に紙垂(しで)を付けたものです。神職から受け取った玉串を、作法の従って神前に捧げます。
どのような作法かは下図がわかりやすいと思うので、参考にしてください。
掲載元:江坂神社
以上が、地鎮祭で施主が行うことですが、参考までに地鎮祭全般の流れも紹介しておきましょう!
地鎮祭の流れ
- 修跋の儀(しゅばつのぎ):祓(はら)い清める儀式。
- 降神の儀(こうしんのぎ):神をお迎えする儀式。
- 献饌 (けんせん):神にお供えする儀式。
- 祝詞奏上(のりとそうじょう):神の加護を願い祝詞を奏上します。
- 清祓い(きよはらい):敷地を祓い清める儀式。
- 地鎮の儀(じちんのぎ):草を刈り、地を掘り均し、鎮物を埋める儀式。
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん): 玉串を神前に捧げる儀式。
- 撤饌(てっせん):お供えした酒や米などを取り下げる儀式。
- 昇神の儀(しょうじんのぎ):お迎えした神をお帰しする儀式。
- 閉式の辞(へいしきのじ):神職が儀式の終わりを告げ、挨拶します。
- 神酒拝戴(しんしゅはいたい):御神酒を”かわらけ”でいただくこと。
以前は、地鎮祭の後に直会(なおらい)という、会食の場を設けることもありましたが、現在では省略されるのが一般的です。
地鎮祭の儀式そのものにかかる時間は30分ほどで、準備や後片付けを含めた総時間としては、2時間前後が目安になります。
地鎮祭にかかる費用相場
標準的なマイホームの地鎮祭にかかる総費用をざっくりと紹介しておきますね。
神社によっては、謝礼金額を決めているところがあります。
また近隣の挨拶件数が変わることもありますが、およそ以下に紹介するくらいの総費用になるでしょう。
地鎮祭玉串料の相場
玉串料とは神社への謝礼金で、初穂料(はつほりょう)ともいいます。
神社によっては、お供え物を用意できない、あるいは車での送り迎えが必要な場合もありますが、それらを含めておよそ5万円くらいになります。
式場の設置費用
四方竹、しめ縄、そして盛砂は、建設会社が用意して設置します。
ただし、サービスであったり工事請負金額に含まれていたりする場合がありますので確認しておきましょう。
参考までに、四方竹、しめ縄、盛砂をレンタル会社にお願いすれば、設置費込みで2万円前後になります。
また当日が雨の時には、テント代が追加になります。
奉献酒(ほうけんしゅ)
神様にお供えするお酒を「奉献酒」といいます。
建設会社によっては、施主分の奉献酒も用意してくれる場合もありますが、できれば施主ご自身で用意する方がいいでしょう。
奉献酒は清酒2本が基本で、1本を神様に捧げ、1本を神霊が宿った御神酒として参列者に振る舞うためとされています。
上記以外で施主が用意するものとしては、洗い米(水切り乾燥させたもの)、水、塩があります。
いずれも祭壇に供えた後、土地のお清めに使うもので、それぞれ1合ほど用意してください。
なお、地鎮祭で工事関係者にご祝儀を渡すことはあまり有りませんが、渡す場合は数千円程度になります。
近隣挨拶と粗品
地鎮祭が終わったあとは、工事担当者と一緒に近隣挨拶に回ることを勧めます。
工事担当者と一緒であれば、工事のことを聞かれても的確に答えられますからね。
挨拶まわりは、向こう3件と両隣、そして裏側の3件が一般的ですが、近隣状況をみて判断するといいでしょう。
地鎮祭の日取りはいつがいいか
地鎮祭をやるときめたら、つぎは日取りが気になりますよね?
地鎮祭には、適した日があり、一般的には大安・先勝・友引の午前中が地鎮祭に良い日と言われています。
大安・先勝・友引は暦(こよみ)のひとつで、カレンダーの中には、それらを表記したものがありますから、参考にするといいですね。
暦の専門家は、地鎮祭に適した日取りを詳しく調べるようですが、こだわりすぎると着工が遅れる恐れもあります。
一般的な大安・先勝・友引の午前中でいいと思います。
地鎮祭に出席する時の服装マナー
基本的に、カジュアルな服装でかまいません。
ただし、同じカジュアルなものでも、少しお出かけできるくらいの服装がいいと思います。
場合によっては地鎮祭の後に近隣の方と挨拶をかわすことも考えられますから、あまりくだけた服装では失礼になりますよね。
いずれにしても、神様をお呼びして行う儀式ですから、神様と神職に失礼のない服装とすることが必要です。
以上、地鎮祭の概略を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
ほとんどの手配や準備は建設会社にお願いできますし、作法も難しくはありません。
億劫になるほど面倒なものではないはずです。
それでも、地鎮祭をやるかどうかは施主の自由ですから、この記事を参考に考えてみてくださいね!