本書ではあえて、坪単価・金利・保証年数といった「時間で変わる数字」を本文にほとんど書きませんでした。印刷した瞬間から古びていくからです。本は"見抜く物差し"、数字はこのシートで最新に。 この二段構えで、あなたはいつ本を手に取っても、いちばん新しい相場感で判断できます。
数字はすべて公的な調査を軸に「幅(レンジ)」で載せています。ある一社・一サイトの一点の数字を鵜呑みにせず、幅の"どのあたりに自分がいるか"を掴むのが、相場に振り回されないコツです。
1. お金の目安
「みんないくらで建てているのか」の全国平均。あなたの上限額ではなく、相場の真ん中として使ってください。
| 項目 | 2026年7月時点の目安 |
|---|---|
| 注文住宅(建物のみ)の建設費 | 全国 約3,900万円台/首都圏 約4,200万円台 |
| 土地付き注文住宅(土地+建物) | 全国 約5,000万円/首都圏 約5,800万円 |
| 年収倍率(総額 ÷ 世帯年収) | 注文 約6.9倍/土地付き注文 約7.5倍/建売 約6.7倍/マンション 約7.0倍 |
| (参考)利用者の平均像 | 世帯年収 約669万円/世帯主 平均44.5歳 |
確認先:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」 https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2024.html
FP・カルタからの一言:年収倍率は「借りられる目安」であって「返せる目安」ではありません。無理のない返済は、毎年の返済額が手取り年収の20〜25%以内が一つの目安です。
坪単価の帯(依頼先タイプ別)
| タイプ | 坪単価のレンジ |
|---|---|
| ローコスト系 | 約 40〜60万円/坪 |
| 中堅ハウスメーカー・優良工務店 | 約 60〜80万円/坪 |
| 大手ハウスメーカー・高性能帯 | 約 80〜120万円/坪 以上 |
近年は資材・人件費の高騰で、全体が上振れ傾向です。数年前の記事の数字は低めに出ていることがあります。坪単価は「延床の取り方」で変わるため、各社見積もりの"含む・含まない"を必ず確認してください。
2. 工期の目安(着工から完成まで)
| 依頼先 | 着工〜完成の目安 |
|---|---|
| 大手ハウスメーカー | 約 3〜4か月 |
| ローコスト系 | 約 2〜3か月 |
| 工務店 | 約 4〜5か月 |
| 設計事務所(建築家) | 約 5〜6か月 |
| ユニット工法 | 現場での据付は 1日規模(全体でも短め) |
これは「工事」の期間です。土地探し・設計・確認申請・住宅ローンまで含めた全体は、契約から入居までおおむね8〜15か月を見ておくと安全です。期限があるなら、この工期に"余裕"を足して逆算してください。
3. 保証(「10年保証」の正しい意味)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法律で義務の保証(品確法) | 新築住宅は、「構造耐力上主要な部分」+「雨水の浸入を防ぐ部分」について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任。短縮できません。 |
| ここが大事 | 「10年間は何でも無料で直る」ではありません。対象は"家の骨組みの要になる部分と、雨漏り"に限られます。 |
| 各社の上乗せ(初期保証) | 大手は初期20〜30年保証が主流。 |
| 延長保証 | 定期点検+有償メンテを条件に、最長60年(一部70年)まで延ばせる会社も。年数・条件は各社公式が正。 |
確認先:品確法・瑕疵担保(国土交通省) 国交省PDF/住宅瑕疵担保責任保険協会 https://www.kashihoken.or.jp/kashihoken/
カルタからの一言:営業トークの「長期保証」は、"有償メンテを受け続けること"が条件になっているのが普通です。「無条件で◯年」なのか「点検・補修を受ければ◯年」なのかを、必ず切り分けて聞いてください。
4. 設計料の目安
| 依頼先 | 設計監理料の目安 |
|---|---|
| 設計事務所(建築家) | 工事費の 約10〜15%(案件により〜20%) |
| ハウスメーカー・工務店 | 総工事費の 約2〜5%前後(本体価格に含む形が多い) |
設計事務所は料率が高く見えますが、その分「第三者として工事を監理する」役割が乗っています。価格の高低ではなく、"何にお金を払っているか"で比べてください。
5. 木造でも火災保険が下がる「省令準耐火」
意外と知られていない、効くお金の話です。同じ木造でも、「省令準耐火構造」の認定を受けた家は、火災保険の区分が有利な「T構造(耐火)」になります。認定のない木造(H構造)に比べ、火災保険料がおおむね3〜4割、条件によっては半分程度まで下がることがあります。地震保険の区分も有利になります。
ポイントは「木造だから高い」ではなく「火災への強さの認定を受けているか」で決まる、ということ。契約前に「この家は省令準耐火に該当しますか?」と一言聞くだけで、35年で数十万円単位の差になり得ます。
※割引率は保険会社・地域・築条件で変わります。具体的な保険料は必ず保険会社に見積もりを取って確認を。確認先:日本木造住宅産業協会 https://www.mokujukyo.or.jp/initiative/ministry/
6. 値引きの「相場」について(あえて数字を出さない理由)
値引き率・利益率には、公的な"一律の相場"は存在しません。 会社・時期・競合状況・あなたの交渉で大きく変わるからです。「◯%引けるのが普通」という断定は鵜呑みにしないでください。
大事なのは数字より構造です。値引きは「最初に乗っている利益率を、契約が近づくと下げていく」もの。担当者一人で下げられる幅には限界があり、大きな値引きは管理職の決裁が必要です。だからこそ、担当者を敵にせず、"上司を説得できる材料(同じ工法の競合)"を渡すのが効きます(本書第6章)。
出典一覧(一次情報を優先)
・住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」 jhf.go.jp
・国土交通省(品確法・瑕疵担保責任) mlit.go.jp
・住宅瑕疵担保責任保険協会 kashihoken.or.jp
・日本木造住宅産業協会(省令準耐火) mokujukyo.or.jp
・各ハウスメーカー公式(保証年数の最新確認用)
次の一歩:本書の第4章「同じ土俵に乗せる」と第6章「値引き術」を、このシートの数字と一緒に読むと、交渉の解像度が一段上がります。
— 不動産FPカルタ/マイホームのイロハ
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