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土地の内覧で見るべきポイント!ハウスメーカーの営業がたどる6か所

土地の内覧で見るべきポイント!ハウスメーカーの営業がたどる6か所

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こんにちは!このブログも10周年
ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!

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気になる土地が見つかって、今度の週末に見に行くことになりました。ただ、土地の内覧で見るべきポイントとなると、急に手がかりがなくなります。建物なら、キッチンを開けたり、水まわりをのぞいたりできます。更地には、開けるものが何もありません。

土地を見に行く日のことは、意外と誰も教えてくれません。そのまま行くと、その日その場所でしか確かめられないものを、見ないまま帰ってくることになります。

この記事では、同じ更地の上でハウスメーカーの営業が見ている6か所と、道具がなくてもできる4つの確かめ方をお伝えします。土地を見に行く日に、家を建てる会社の営業が一緒に来ることは、めずらしくありません。同じ時間、同じ更地に立って、その人が見て帰るものは、あなたとまるで違います。

次に現地へ行く日、営業と同じ場所に立って、同じものを見て帰ってこられるはずです。

同じ更地に立っていても、あなたと営業は違うものを見ています。あなたが見ているのは「気に入るかどうか」。営業が見ているのは「見積りに乗るかどうか」。そして営業は、それをその場では言いません。だから現地で変えるのは、たったひとつ。立つ場所を、敷地の中から道の上へ変えることです。立つ場所が変わると、見えるものは勝手に増えます。

🏠 この記事でわかること

  • 車を降りてからの5分で、あなたと営業がそれぞれどこに立って、何を見ているか
  • 営業が、気になったことをその場で言わない2つの理由
  • 現地で見なかったものが、数か月後に見積りのどこに出てくるか
  • 道具がなくてもできる、その日の4つの確かめ方
目次[閉じる]

車を降りてからの5分、あなたは空を見上げ、営業は下を見ている

同じ更地で買主が見ているものと営業が見ているものを左右に並べて比べた図

土地を見に行く日、車を降りてからの数分間で、その場にいる人のやることは、きれいに分かれます。

更地の前に立っているのは、たいてい3者です。あなたと、その土地を売っている不動産会社の担当者と、家を建てる側のハウスメーカーの営業。土地を売るのは売主さんで、あいだに入って手続きを進めるのが不動産会社です。ハウスメーカーの営業は、そのどちらとも別の会社の人だと思ってください。売っているのは建物で、土地はよその会社の商品です。

会社を決める前から営業が土地を見に付いてくるのは、よくあることです。私も、その立場でご夫婦の隣に立っていました。この記事で「営業」と書くのは、このハウスメーカーの営業です。

あなたは、まず敷地の中に入っていきます。真ん中あたりまで歩いて、空を見上げて、「思ったより広いね」「日当たり、いいね」と言う。

これ、たぶんあなたもやると思います。私が横で見てきたご家族は、ほぼ全員そうでした。責める気は、まったくありません。

ここにリビングを置いたら、この向きに窓を開けたら。頭の中で、もう家が建ち始めています。当たり前だと思います。お金を出して手に入れたいのは、そこでの暮らしですから。

一方の営業は、敷地の中にあまり入りません。入っても、真ん中で立ち止まらない。たいてい道に立っています。

前の道を、端から端まで一度歩く。電柱がどこに立っているか、そこから斜めに張ったワイヤーがどこに刺さっているかを、目で追う。

敷地の四つ角にしゃがんで、杭を探す。それから隣の家の壁を見上げます。窓がどこを向いているか、室外機がどっちに風を吐いているか。

最後に、道と敷地の境目に段差がないかを、足元で確かめる。

あなたが空を見上げている5分のあいだ、営業はずっと下と横を見ています。

では、なぜ道に立つのか。更地の真ん中に立つと、その土地は広く見えます。明るくも見える。でも、そこから見えないものが1つあります。この土地に、工事車両がどう入ってくるか、です。

家は、道から入ってきて建ちます。だから営業は道に立つんです。

あなたが見ているもの営業が見ているもの
立っている場所敷地の真ん中道の上、ときどき道の反対側
視線の向き上と、遠く下と、横
見ているもの日当たり・広さ・雰囲気・まわりの様子道の幅と角/電柱と支線/四つ角の杭/隣の壁/道との段差
頭の中の問いここで暮らせるかこの土地は、標準のやり方でそのまま建てられるか
答えが出る日その日のうち会社が決まって、図面が引かれたあと

見ていただきたいのは、いちばん下の行です。あなたの側は、その日のうちに答えが出ます。営業の側は、会社が決まって図面が引かれるまで、答えが出ません。

この時間差が、このあと効いてきます。

今回は1人で見に行く、という方もいると思います。それでも大丈夫です。この記事に出てくる6か所は、全部、あなた1人で見られる場所にあります。

📌 この章の要点
同じ土地を、同じ日に、同じ時間見て帰ります。持ち帰るものが違うのは、立った位置の差です。

現地で営業が口にするのは、気に入る材料のほう

あなたが敷地の中を歩いている数分のあいだ、営業は無言だったわけではありません。むしろ、よくしゃべっています。

「南向きなので明るいですね」「駅まで歩けますね」「このあたりは同じくらいの世代の方が多いですよ」。全部、本当のことです。嘘は言っていません。

ただ、しゃべっている内容と、見ている場所が一致していません。隣の家の窓を見上げながら「いい環境ですね」と言う。杭を探して立ち上がりながら「広さは十分取れそうですね」と言う。

私も、口では別のことを言いながら、同じ場所を見ていました。我ながら、器用なことをしていたと思います。

じゃあ、聞けば教えてくれるんじゃないの?
それが、聞かれないかぎり言わないんです。しかも聞き方によっては、聞いても出てきません。その聞き方は、この記事の後半でお伝えしますね。

現地で営業の口から出る言葉には、はっきりした傾向があります。気に入るための材料は、全部その場で言う。気に入らなくなる材料は、持ち帰る。

悪意でそうしているわけではありません。そう動くようにできています。

気に入らなくなる材料は、営業の頭の中にはもうあります。口から出る順番が、あとに回っているだけです。

📌 この章の要点
現地で交わした会話は、あとから思い出せます。相手の視線は思い出せません。記録に残るのは、言葉です。

気になったことを、その場で言わないのはなぜ?

気になったことを持ち帰るなんて、隠しているのと同じだ——そう思われるかもしれません。もっとも、その場にいた側の実感を言うと、理由は2つあって、どちらも身も蓋もないものです。

その場では、まだ言いようがない

営業の頭の中では、こういうことが起きています。前の道が狭いから工事の段取りが変わりそうだ。そこまでは、立った瞬間にわかります。

でも、それが具体的にどうなるかは、この土地にどんな大きさの家を、どの位置に置くかが決まらないと出てきません。

図面が引かれる前に数字を口にした時点で、それは憶測です。憶測で数字を言った営業がどうなるかは、社内で一度でも見れば覚えます。だから言わない。

言えば、その土地は決まらなくなる

土地は、売主も仲介も「早く決めてほしい」と思って出しています。売り出したものが長く残るのは、売る側にとって痛い。商売としては、ふつうのことです。

一方、横に立っている営業にも、土地が決まらないかぎり自分の話が始まらない、という事情があります。

私たちの評価は、契約が取れたかどうかで決まっていました。土地が決まらないお客様は、何か月経っても契約になりません。

だから現地で「ここ、道が狭いので工事が面倒かもしれません」とは言いにくい。言った瞬間、お客様は迷います。迷えば持ち帰る。持ち帰れば、他の土地も見たくなる。

その一言で、自分の半年が消えることがあります。

誰が誠実かの話ではない

ここで「営業が悪い」と結論づけると、たぶん次の土地でも同じことが起きます。この構造は、目の前の営業が誠実でも、そのまま働くからです。

早く決まるほうに全員の得が向いている場に、買主だけが一人で立っている。それが、この日の構造です。

だから対策は、「信用できる営業を見抜く」ではなく、「自分の目で、見る場所を変える」になります。

私がこの仕事を辞めた理由の一つも、ここでした。現地で気づいたことを、車に戻ってから言うか、支店に戻ってから言うか、それとも言わないか。その判断を毎回していることに、だんだん耐えられなくなりました。

📌 この章の要点
この構造は、担当者が替わっても、会社が替わっても、そのまま残ります。替えられるのは、あなたの立ち位置です。

現地で見なかったものは、数か月後に見積りに出てくる

土地を決めたあと、次に金額の書かれた紙が出てくるのは、何社か回った中から会社を決めて、図面が引かれたあとです。そこに並ぶ数字の中身を、先に見ておきましょう。

家の見積り書は、ふつう大きく3つに分かれています。本体工事費付帯工事費、そして登記や税金などの諸費用。このうち、土地の条件で動くのは2つ目です。

本体工事費は、家そのものを建てるお金です。柱を立てて、屋根をかけて、内装を仕上げるところまで。チラシやカタログに大きく出ている坪単価が指しているのは、この1つ目です。

付帯工事費は、家の外側で必要になる工事のお金。水道やガスを敷地に引き込む、地面の高さをそろえる、駐車場をつくる。会社によっては「別途工事」「屋外給排水」「敷地造成」といった名前で並びます。

現地であなたが見なかったもの——道の幅、電柱の位置、段差、境界、引き込み——は、ほぼ全部がこの付帯工事費に入ります。名前は会社ごとに違っても、意味は同じです。「その土地だったから、追加で必要になった工事」。

あの日の5分で営業が見ていたものは、そのまま残っています。数か月後に、見積りの行として戻ってくる。しかもその時点では、土地はもう自分のものになっています。

見積りに出てから交渉すればよくない?
交渉できるのは金額です。行そのものは、土地の契約書にサインした日に決まっているんですよ。

比較表で営業の側に書いた「この土地は、標準のやり方でそのまま建てられるか」は、そのまま見積りの行数のことです。標準のままいけるなら、見積りは会社の型どおりに出ます。いけないなら、その分の行が増える。

道が狭ければ運び方を変えるところで増え、段差があれば建てる位置を決めるところで増え、引き込みが来ていなければ地面を掘るところで増える。営業はその増える行を、現地で数えています。

見積りで削れるのは、家のほうです。土地から出た行には、削る相手がいません。

なお、土地と建物のどちらを先に決めるか、予算をどう振り分けるかは、この記事では扱いません。順番の話は土地を先に探すときのリスクと、予算の分け方にまとめてあります。

📌 この章の要点
いつか、2社の見積りを並べて比べる日が来ます。そのとき同じ条件で比べられるのは、家の値段までです。その下に並ぶ行は、土地が決めています。

道の上から順にたどる、営業が見ている6か所

営業が現地でたどる場所には、順番があります。現地に同行していると、たいていこの通りでした。敷地の中には、最後まであまり入りません。

前の道の幅は、建てられる家の大きさを直接削る

前の道の幅は、その土地に建てられる家の大きさを、そのまま削ります。削られる仕組みは、土地の広告に載っている数字で説明できるんです。

土地の広告には、面積や坪単価と並んで「建ぺい率」「容積率」という数字が載っています。建ぺい率は、敷地の広さに対して、真上から見た建物をどこまで大きくしていいか、その割合。容積率は、各階の床を全部合わせて、どこまで広く取っていいかの割合です。敷地いっぱいに建てられると、火が隣へ移りやすく、風も光も通らなくなる。それを防ぐための決まりなので、地域ごとに数字が違います。

ここで効いてくるのが、前の道の幅。

道の幅が4mに足りない土地だと、道の中心から2mのところまでが「道路」の扱いになります。みんなが少しずつ下がって、いずれ道幅を4mにしていきましょう、という決まりだからです。4mの半分で、2m。

下がった分は、あなたが買った土地なのに、家の大きさを計算するときの面積からは外れます。登記簿の面積は1㎡も減らないのに、建てられる家が小さくなる。土地の広告に「要セットバック」と書いてあるのは、この話です。

これは、市街地としてルールがかかっている区域の中での決まりです。広告に「第一種低層住居専用地域」のような用途地域の名前が書いてあれば、その中だと思ってかまいません。

買った面積と、家を建てるときに使える面積は、別の数字です。差を作っているのは、前の道の幅。

営業が道の幅を目で測っているのは、これを頭の中で引き算しているからです。

決まりの話は、ここまでです。ここからは、工事の段取りが効いてきます。

コンクリートを運ぶ生コン車は、住宅街に入るときには小さい車に落とします。落とせば1回に運べる量が減るので、その分だけ台数が増える計算です。

それに、幅の数字と同じくらい効いてくるのが、その道の角を、その車が曲がれるかどうかです。まっすぐの部分に余裕があっても、入口の角が直角に近ければ、切り返しが要ります。

営業が道の角まで歩いて振り返っているとき、見ているのはそれです。

電柱そのものより、そこから地面に伸びている線

道を端まで歩いたら、営業はいったん立ち止まって、上を見ます。電柱です。

電柱は、動くこともあれば、動かないこともあります。決めるのは電力会社で、しかも「どこへ移すか」が決まらないと話が始まりません。住宅が建て込んだ場所だと、移す先の空きがそもそも無いことがあります。移設先が公道側になるなら、隣の家の了解が要ることもあるんです。そのうえで、費用を請求されることもあります。

だから現地では、「これは動かせる」を前提に間取りを考えないでください。

もう1つ、この場所で見落とされやすいものがあります。支線です。電柱を斜めに支えている、あのワイヤーのことですね。

電柱は、電線に片側から引っ張られています。倒れないように、引っ張られている向きと反対側へワイヤーを張って、地面で受け止めている。それが支線です。だから支線は、電線が伸びている方向の反対側の地面に落ちます。電柱を見つけたら、電線がどっちへ伸びているかを見て、その反対側の地面を探してください。

支線に気づく人は、ほとんどいません。電柱は立体で目に入りますが、支線は視界のなかで線にしか見えないので、更地の写真を撮っても、写っているのに気づかない。

でも支線は、敷地の角に、地面に向かって刺さります。刺さった先が駐車スペースの予定地なら、変わるのは車の停め方です。庭の予定地なら、その一角は使えなくなります。

営業が目で追っているのは、その線が地面のどこに落ちているかです。

四つ角の杭は、あるかないかより「なかったとき誰が入れるか」

電柱から目を下ろして、次は敷地の四つ角。ここだけは、しゃがみます。

敷地の四つ角には、境界を示す杭や、地面に打ち込まれた金属のプレートが入っています。杭を探すこと自体は、私も現地でいつもやっていました。それでいいんです。

問題は、杭がなかったときにどうなるかで、ここは現地では決まりません。

杭がなかったときに誰が入れるのかは、法律ではなく、契約書の一行で決まります。

土地の売買契約書には、「境界明示」という項目があります。そこに「売主の負担で杭を入れて、境界を示してから引き渡す」と書いてあれば、入れるのは売主です。反対に「境界の明示はしない」と書いてある契約もあります。この場合は、杭がないまま、その土地があなたのものになるわけです。そういう取引は実在します。

だから営業が杭のあたりを指さして「ここですね」と言ったら、次に見るのは契約書の「境界明示」の欄です。

カルタ

💰 不動産FPカルタの解説

図面と突き合わせたくなりますが、昔から一度も分けられずに残っている土地には、そもそも測って作った図面が存在しないことがあります。

図面が無いこと自体は珍しくないので、「図面がない=怪しい」とは考えなくて大丈夫です。無いなら無いで、誰が杭を入れるのかを契約書で決めることになります。

隣の家の壁で見ているのは、窓の向きと、壁に空いた穴

杭のところから立ち上がって、そのまま顔を上げた先が、隣の家の壁です。

隣の家の、床まである大きな窓——掃き出し窓といいます——が、どっちを向いているか。ここを見ずに帰ると、間取りの打ち合わせで、なぜこの面に窓が取れないのかが分からないまま話が進みます。

境界から1m未満のところに、隣の宅地が見通せる窓を作る側には、目隠しを付ける義務があります。義務を負うのは、あとから窓を作るほう。つまり、これから建てるあなたです。

しかも建物そのものも、境界から50cmは離すのが原則です。その地域に別の慣習があれば、そちらが優先します。

敷地に余裕のない土地でこれをやると、リビングの大きな窓を開けられる面が、実質1か所しか残らない、ということが起こります。

営業が隣家の壁を見上げているとき、数えているのは「この面は窓に使えない」という枚数です。

もう1つ、壁で見ているものがあります。室外機です。

自分の家の室外機をどこに置くかは、設計で決められます。隣の家の室外機がどこを向いているかは、決められません。しかも室外機は建物より後から付くものなので、更地の段階で手がかりになるのは「隣の壁のどこに穴が空いているか」くらい。配管を通した穴と、壁を這う白いカバーです。

道と敷地の段差は、その場で判定しない。測っておくだけ

隣の壁から目を戻して、最後は足元。道と敷地の境目です。

道と敷地のあいだに段差があったら、その高さを測って帰ってください。判定は、その場ではできません。

段差そのものは、よくあることです。効いてくるのは、その高さが”がけ”と呼ばれる高さに届いているかどうか。届いていれば、建物をどこに置けるか、基礎をどう作るかに条件が付きます。

やっかいなのは、何メートルから”がけ”になるかが、都道府県ごとに違うことです。2mからのところもあれば、3mからのところもある。傾きの角度の基準も違います。

測ってきた数字は、その日のうちには使いません。使うのは、家に帰って市の名前と一緒に調べたときです。

判定は、持ち帰ってから調べれば足ります。いちばん早いのは、仲介の担当者に「この土地、がけの決まりにかかりますか」と聞くことです。高低差の話は、契約前の説明でも出てきます。ただし、自分で測った数字がないと、その説明を自分の家のこととして聞けません。

営業が敷地の境目をのぞき込んだあと、少し離れて全体を眺めているときは、この高さを目で測っています。

なお、地面の下——地盤の話には、この記事では踏み込みません。段差のある土地で地盤にどこまで気をつければいいかは、平屋の地盤改良にかかるお金と、契約前に現地で見るサインにまとめてあります。

そして最後の1か所は、地面の下にある

ここまでで5か所。最後の1か所だけは、目を向ける先がありません。

上下水道やガスが引き込まれているかどうかは、地面の下の話です。現地では確定できません。

水道の本管とは、道路の下を通っている太い元の管のことです。現地で見えるのは、その本管が前の道のどちら側に来ていそうか、地面にマンホールや水道メーターの入った四角い蓋があるか、という外側の手がかりまで。最後に確定させるのは、市の水道の窓口です。

そして、ここが一番やっかいなところ。かかるお金の大きさは、土地の条件と、そこがどの市かで変わります。

同じ工事でも、水道を新しく使い始めるときにまとまったお金を納める市があり、納めなくていい市があります。名前も額も市ごとに違うので、ここだけは相場という言葉があてになりません。

だから現地で聞くのは、この一言で足ります。「この土地、水道は引き込み済みですか」。それなら、仲介の担当者がその場で調べられます。

それと、前の道が私道——誰か個人の持ち物になっている道です——だと、掘るのにその持ち主の承諾が要ります。公道か私道かは広告に書いてあることが多いので、書いていなければ、そこも一緒に聞いてください。

営業が道の端を見ながら歩いているのは、この蓋を探しているからです。

📌 この章の要点
最後の1か所をのぞけば、全部その日その場所に出ています。目の高さを下げると、順番に見つかります。

道具はいらない。その日、その場所でしかできない4つ

土地の内覧で道具なしにできる4つの確かめ方をまとめたチェックリストの図

メジャーも、方位磁石も、なくてかまいません。手ぶらのままできることが、いちばんよく効きます。

メジャーとか持ってったほうがいい?
あってもいいですが、更地でメジャーを広げると、けっこう目立つんですよね。自分の歩幅さえ知っていれば、歩くだけで足ります。

現地でやることを、4つに絞りました。順番も、このとおりです。

  1. 家を出る前に、自分の歩幅を1回だけ測っておく
    フローリングの目地でも、玄関からの距離でもかまいません。ふつうに歩いた1歩がだいたい何cmかを知っておく。60cmでも70cmでも、自分の数字ならなんでもいい。あとは現地で、前の道を横切って歩数を数えます。4mありそうか、それとも明らかに足りないか。その区別がつけば、この日の目的は達成です。
  2. 一度、道の反対側まで渡って、振り返る
    中に立っていたときには見えなかったものが、まとめて視界に入ります。電柱と、そこから伸びる支線がどこに落ちているか。隣の家がどれくらいの高さで建っていて、窓がどっちを向いているか。道と敷地のあいだに段差があるか。営業が最初にやっているのは、これです。
  3. その土地に入ってくる道の、曲がり角に立ってみる
    大きめの車がここを曲がって入ってくる姿を、想像するだけで十分です。「これは無理そうだな」と思ったら、その感覚はだいたい合っています。
  4. 写真は、道の反対側から敷地に向かって撮る
    多くの人は、敷地の真ん中から外に向かって撮ります。景色を撮っているんですね。撮っておきたいのは逆向きで、道の反対側から敷地に向かって、隣の家ごと入れて1枚に収める。空も地面も入れておく。あとから見返したときに気づけるのは、こっちの写真です。

この4つは、敷地の外に一度出ないとできません。中に立っている5分と、外に出る5分の差です。

じゃあ、その場で全部聞けばいいじゃん。「何か気になるところあります?」って。
いい質問です。ただ、その聞き方だと「特にないですね」で返ってきます。聞くなら「この土地、標準のままで建てられますか」ですね。同じ質問に見えて、答えが変わります。

「何か問題ありますか?」は感想を聞いているので、「大丈夫だと思いますよ」で終わります。「この土地、御社の標準仕様のまま建てられますか?」は仕事の範囲を聞いているので、答えるには一度考える必要があります。

念のために書いておくと、営業は頼っていい相手です。その場で答えず「持ち帰って調べます」と言う担当者は、むしろ当たりです。数えている人ほど、その場では答えられない。理由は、この記事の前半に書いたとおりです。見る場所を自分で持っておくと、誰に何を聞けばいいかが分かるようになります。

カルタ

💰 不動産FPカルタの解説

この質問をしたとき、答えと同じくらい見ておきたいのが、返ってくるまでの一瞬の間です。少し黙ってから話し始めた担当者は、その場で土地を見直しています。

即答できる担当者もいます。前もってその土地を見ていれば、答えは出せます。そのときは「どこを見てそう思いましたか」と続けてください。見た場所の名前が出てくれば、その人は数えています。

時間帯を変えてもう一度行くのは、いいことです。時間を変えると分かることは、山ほどあります。ただ、この記事で見てきた6か所は、朝に行っても夜に行っても同じ形をしています。だから1回目に、この6か所を済ませてしまってください。

暮らし心地——周りに何があるか、隣とどう向き合うか、災害のときはどうか——は、この記事では扱いません。土地選びで暮らしやすさを確かめるチェックリストにまとめてあります。

📌 この章の要点
この4つは、営業がいてもいなくてもできます。次に見に行く土地でも、その次の土地でも同じです。

それでも、更地の上では最後まで分からないことが1つある

道の幅も、電柱の支線も、隣の窓も見て帰れば、その日に持ち帰れるものはかなり増えるはずです。ただ、更地の上に何時間立っていても、答えの出ない問いが1つ残ります。

残る問いは、これです。「この土地に、自分たちの希望する家が入るのか」。

道の幅も、段差も、隣の窓の向きも、全部見た。それでも、延床何坪の家が置けるのか、駐車場2台と庭が残るのかは、更地を見ているかぎり出てきません。

広告に書いてある容積率の数字も、前の道が12mより狭ければ、上限が下がることがあります。用途地域の名前が付いている土地では、道の幅が天井を決めることがあるからです。どこまで使えるのかは、この土地に置く家が決まってから出てきます。

理由は、営業が現地で言えなかったのと、まったく同じです。図面がないからです。

どんな大きさの家を、どの位置に置くか。それが決まらないと、この土地で足りるかどうかも出てこない。営業が憶測を口にできなかったのと同じ場所で、あなたも止まります。

現地に行かなくていい、という話ではありません。行って、見る場所を変えてください。そのうえで、図面のほうを先に出させておく。入るかどうかは、間取りが1枚ないと出てきません。

先に会社へ間取りを描かせて、その間取りが入る土地を探してもらう、という頼み方もできます。なぜハウスメーカーに土地探しまで頼むのかは、ハウスメーカーに土地探しを頼むと何が変わるかに書きました。

では、図面を先に出させるには、どうするか。1社ずつ展示場を回って同じ希望を話す手もありますが、同じ話を何度もするうえに、返ってくるまでに何週間もかかります。

希望する条件を一度入力すると、複数の住宅会社へまとめて依頼できるサービスがあります。「一括資料請求」と呼ばれるものです。

先に図面のほうを出させる方法がある

私が長くすすめているのは、そのなかのタウンライフ家づくりです。

タウンライフ家づくりの公式サイト。無料で家づくり計画書を作ってもらえる

入力した条件をもとに、登録している住宅会社が「家づくり計画書」を作って送ってくれます。全国1,300社以上が登録しています。画像の右下に小さく3つ並んでいるのが、届くものの中身です。

間取りプラン――あなたの希望を入れた間取りです。土地の広さと前の道の条件を書いておけば、それを前提にした案が返ってきます。この記事で答えの出なかった問い(この土地に希望の家が入るか)は、ここで初めて形になります。

資金計画――土地の代金を含めた総額の形で返ってきます。坪単価を眺めていたときには出てこなかった数字が、総額として並びます。

土地探し――間取りのほうを先に決めて、その間取りに合う土地を探してもらう使い方もできます。ここまで3つとも無料です。

正直に書いておきます。届いた計画書を作るのも、同じ営業です。この記事の前半に書いた動機は、そこでも変わりません。変わるのは、口で言われるか、紙に残るかです。口頭なら「言わない」が成立しますが、紙に書いた条件と金額は、あとから並べて比べられます。しかも複数社ぶんが、同時に並びます。

提案が来るのは、提携している会社の中からです。自分の市区に何社いるのかは公開されていません。

送られてくるのは、その時点の条件で描いたラフな案です。正式な見積りではありません。

複数社に一度に希望を伝える形なので、そのぶん連絡は来ます。

それでもすすめているのは、更地の前で止まった問いに、図面という形の答えが返ってくるからです。

要望欄に書いておくこと

入力の途中に、自由に書ける欄があります。「要望欄」と呼ばれているところです。ここに現地で見てきたことを書いておけば、それを前提にした案が返ってきます。

✍️ 本気度が伝わる「要望欄」の書き方(コピペOK)

タウンライフ家づくりの要望欄の入力画面。赤い枠の自由記入欄に希望を書き込む

▲赤い枠が要望欄です。ここに、下の文章を貼り付けます。

👇 以下の文章を要望欄にコピーして、〇の部分だけご自身の数字に直してください。

【気になっている土地】
・〇〇市〇〇町、約〇〇坪です。
・前の道は、歩幅で数えて約〇mでした。角が少し狭いです。
・道と敷地のあいだに、〇〇cmくらいの段差があります。
・敷地の角に、電柱の支線が刺さっています。

【希望】
・延床〇〇坪、〇LDK。駐車場は〇台ほしいです。
・この土地に、この家が入るかどうかを知りたいです。
・入らない場合は、どこを削れば入るのかも教えてください。
・この土地は、御社の標準の仕様のまま建てられますか。追加の工事が要りそうなら、その項目名だけでも教えてください。

〇のところを自分の数字に直すと完成します。上の4行は、この記事で見てきた6か所のメモから、そのまま埋まります。

そして最後の1行は、さきほど「同じ質問に見えて、答えが変わります」と書いたものと同じです。現地で聞きそびれたなら、ここで聞いてしまえばいい。

⚠️ 「この土地に希望の家が入るか」は、更地の上では分かりません。図面を出してもらって確かめてください。

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📌 この章の要点
更地は、誰が見ても同じ形をしています。形が変わって見えるのは、そこに置く家が決まってからです。

さいごに|次に土地を見に行く日、変えるのは立つ場所だけ

土地を見に行く日にやることは、そう多くありません。

  • 敷地の真ん中から、一度出る(道の上と、道の反対側に立つ)
  • 見るのは、道の幅と角/電柱から地面に伸びる線/四つ角の杭/隣の壁/道との段差
  • 仲介に、水道などの引き込みが済んでいるかを聞く
  • 写真は、道の反対側から敷地に向かって、隣の家ごと撮る

あなたが空を見上げている5分のあいだ、営業は下と横を見ている——と、はじめに書きました。

同じ5分で、同じものを見て帰ってきてください。

あなたが気に入った土地が、そのまま気に入ったままでいられるよう祈っています!

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元ハウスメーカー営業がつくった
「家づくりの道具」4点

家づくりは、ほとんどの人が一生に一度です。だから、会社の比べ方も、担当者への聞き方も、誰にも教わらないまま本番が始まります。
私が売る側にいたころ、「お客様がこれを持っていたら、話がまるで違ったのに」と思っていたものを、4つの道具にまとめました。

  • わが家のライフプランシート(Web)
    年齢と年収を入れて、建てたい価格帯(ローコスト・中堅・大手)を選ぶだけ。「わが家は、いくらまでの家なら無理なく建てられるのか」——その上限額が出ます。
  • 後悔しないハウスメーカー比較チェックシート(PDF)
    候補の会社を「5つのものさし」と「担当者チェック」で採点して、ご夫婦で見比べられる一枚です。
  • 同じ工法メーカー早見表(PDF)
    どの会社とどの会社が同じ工法どうしなのか、36社分の一覧。相見積もりの組み方が変わります。
  • 家づくり最新データシート(Web・毎年更新)
    坪単価の相場、保証年数、火災保険が下がる「省令準耐火」など、時間で変わる数字をまとめてあります。

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