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元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!
「木の家」と聞くと、真っ先に住友林業を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれませんね。
同社で建てたユーザーアンケートでも、住友林業を選んだ理由の第一位が「木の質感」になっているほどです。
掲載元:住友林業
創業は1691年の林業からと言うのですから、老舗の中でも正統派といえるでしょう。
住宅事業は1964年からですが、木を知りつくした住宅会社として業界でもトップクラスの位置を占めています。
そんな歴史ある住友林業の家の構造には、どのような特徴があるのでしょうか。
歴史を重ねるだけでなく、先進の技術をも兼ね備えた同社の住宅構造を解説していきます!
木造の可能性を拡げたビッグフレーム構法(BF)
掲載元:TOYOSU MAGAZINE
一時期、横綱がビッグフレームの大きな柱を相手に鉄砲稽古してもビクともしない、というCMがありました。
家の強さをストレートに表現したものですね。
ですが、単に柱を大きくしたから強いのではありません。
それ以上に大きく貢献しているのは、柱と梁をつなぐ住友林業オリジナルの接合金物なんです。
ビッグコラム(柱)とオリジナル金物
掲載元:住友林業
写真のように、ビッグフレームの柱は幅広(560mm)で、一般的な柱(105mm)の5倍以上の大きさがあります。
幅広の柱の両端に、太くて長いボルト状の金物を埋め込み、ジョイントBOXで柱と梁、あるいは基礎と結合させているのが特徴。
これにより、木造では難しいラーメン構造を実現しているんです。
ラーメン構造で大開口の窓も可能
ラーメン構造とは、重量鉄骨造やコンクリート造にあるもので、簡単に言うと筋交いが無くても横揺れ時に柱が斜めにならない構造のことです。
掲載元:住友林業
筋交い不要になるのが大きな特徴で、大開口の窓をつくることも可能になります。
鉄骨造やコンクリート造に負けない木構造を目指したところに、同社の木造に対するこだわりが感じられますね!
ビッグフレームの耐震性能
耐震性能は、3階建ての実大振動試験で震度7クラス(東日本大地震や阪神・淡路大地震に相当)に22回も耐える性能を示しました。
ビッグフレーム構法は、平屋から4階建てまでに対応していて、専用ブランドとしては「 The Forest BF 」があります。住友林業の看板商品ですね。
住友林業が誇るマルチバランス構法(MB)とは?
先のビッグフレーム構法に対して、マルチバランス構法は、伝統の軸組構造を進化させたものと言えるでしょう。
国産ヒノキにこだわった構造用集成材「スーパー檜」
掲載元:住友林業
構造用集成材に国産のヒノキ材を使用しているところは珍しく、ここにも住友林業のこだわりを感じます(北海道仕様のみ、道産の「スーパーカラマツ」を採用)。
なお、和室などで柱が化粧で見える部分には、スーパー檜に代えて無垢材の「ミズダス檜」が用意されています。
ヒノキには、一般的な木材の中でも圧倒的なねばり強さがあるのが特徴で、伐採後も年々その強度を増す性質があります。
さらに、耐腐朽菌や耐シロアリの性能も合わせ持っているのです。1000年以上も昔に建てられた法隆寺がヒノキ材で造られているのは有名ですよね。
強さと通気性を両立した「きずれパネル」
掲載元:住友林業
きずれパネルとは、写真のように日本住宅の伝統美を感じさせるものですが、耐力倍率(強さ)は建築基準法で定められている最高の5.0倍の性能をもっています。
パネルは格子状ですから外壁内の通気性がよく、壁内結露を低減させる効果もあるのが特徴的。
なお、きづれパネルの他に、汎用品の「Dパネル(構造用面材)」も用意されています。
床に強さと遮音性を備えた三層構造「剛床」を採用
「剛床」とは、梁の上に構造用面材を張り、地震などの揺れに建物が平面的にねじれるのを防ぐためのものです。
床の筋交いと考えればいいでしょう。
マルチバランス構法の剛床では、構造用面材(24mm)とせっこうボード(12.5mm)を張り、その上に木質フロア(12mm)を張る、合計48.5mmの三層構造としています。
マルチバランス構法の耐震性能は?
マルチバランス構法では、2階建て(耐震等級3)の実大振動試験を行っています。
試験では、阪神・淡路大震災の最大加速度の1.2倍、1.5倍を2回、さらに2倍を7回加えても、急激な耐力の低下が発生しないねばり強さを示しました。
その他、地震の揺れを最大で70%も抑え、住宅の長寿命化をはかる制震装置のGSパネルも用意されています。
掲載元:住友林業
マルチバランス構法の住宅は、古来より建築材として使用されてきた檜と伝統の軸組構造にこだわり、先進の技術を加えた住友林業ならではのものといえるでしょう。