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こんにちは!このブログも10周年。
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!

「平屋を建てよう」と決めたら、次は土地探しです。不動産会社の店頭でも、住宅展示場でも、まず希望の広さを聞かれます。私が営業をしていた頃、そこでいちばんよく聞いた答えがこれでした。「50坪くらいあれば建つと聞いたので、そのくらいで探しています」。
この50坪には、根拠があります。ただ、これだけでは平屋が入るかは決まりません。決めているのは面積ではなく、土地の形だからです。
もっと言うと、間口。道路に接している辺の長さです。この間口は、土地の広告にたいてい書かれていません。




同じ50坪でも、正方形に近い土地なら家の幅は約9.8m取れます。細長い土地だと5m。5mというのは、廊下を1本通したら、部屋は1列しか置けない幅です。面積は同じでも、平屋にとってはまったく別の土地なんです。


だから土地を見に行く前に、建物の側で決めておく数字が3つあります。この3つがあると、「この土地では無理です」が、契約する前に分かります。
🏠 この記事でわかること
- 希望の平屋に必要な敷地の広さを、自分の坪数で出す割り算
- 同じ50坪でも建物の幅が9.8mと5mに分かれる理由と、土地情報のどこを見るか
- 土地を見に行く前に決めておく、建物側の3つの数字
平屋づくり全体の流れは、平屋を建てる完全ガイドのほうにまとめました。
目次[閉じる]
延床30坪の平屋に、土地は何坪要る?
土地は何坪あればいいのか。まず、そこから片づけましょう。ここが決まらないと、間口の話にも進めません。
何坪の平屋にするかを、先に決める
先に決めるのは、建物のほうです。何坪の平屋にするかが決まらないと、敷地は逆算できません。
ここでいう坪数は「延床」。1階と2階の床を全部足した広さのことです。平屋なら2階がないので、そのまま1階の広さになります。
目安はあります。3人家族で約30.3坪、4人で約37.8坪、5人で約43.1坪。戸建てで窮屈さを感じずに暮らすなら、このくらい、という広さですね。
この記事では、私がいちばん相談を受けることの多い、延床30坪の平屋で進めます。自分の家族の坪数に置き換えて読んでください。
平屋だけ、土地がたくさん要るのはなぜ?
平屋に土地が要る理由は、床が全部1階にあることです。同じ延床30坪でも、上と下が同じ大きさの2階建て——総2階といいます——なら、地面を覆うのは15坪で済みます。平屋は30坪まるごと。
ここに建ぺい率がかかります。敷地の広さに対して、真上から見た建物の広さをどこまでにしていいか。その上限を決めた割合です。敷地いっぱいに建てられると、火が隣へ移りやすく、風も光も通らない。それを防ぐための決まりですね。
必要な敷地は、地面を覆う広さを建ぺい率で割れば出ます。だから建ぺい率が何%の地域でも、平屋に要る敷地は総2階のきっかり2倍になります。
平屋は、真上から見た建物の広さと延床がほとんど同じ。だから割り算には、延床の坪数をそのまま入れられます。
割り算に入る前に、もう1つ。土地の情報には「用途地域」が書かれています。何を建てていい土地かの、国の種類分けです。
この欄に「低層住居専用」と書いてある土地は、建ぺい率の上限が60%。商業地域のような80%の指定は、静かな住宅街にはまずありません。ただし上限が60%というだけで、実際には40%や50%に抑えられている地域も多い。自分の候補地の欄を見てください。
用途地域は「低層住居専用」だけではありません。静けさも、まわりに建つものも、種類ごとに変わります。どれが暮らしやすいかはオススメな用途地域TOP3にまとめました。平屋を建てるなら、建ぺい率の上限とセットで見てください。
必要な敷地の下限は、割り算ひとつで出ます。
希望する延床面積 ÷ 建ぺい率 = 必要な敷地面積(の下限)
| 建ぺい率 | 計算 | 必要な敷地 |
|---|---|---|
| 60% | 30 ÷ 0.6 | 50坪 |
| 50% | 30 ÷ 0.5 | 60坪 |




建ぺい率40%の地域なら、同じ延床30坪で75坪。候補地の欄がひとつ違うだけで、必要な土地は25坪も動きます。
📌 この章の要点
平屋に要る敷地は、総2階のきっかり2倍。延床30坪なら、建ぺい率60%の地域で50坪、50%なら60坪からです。ただしこれは建物が乗るだけの下限で、50坪あれば平屋が入る、という話でもありません。
同じ50坪でも、平屋にとってはまったく別の土地


土地の広告に、間口と奥行きは載っていない
間口と奥行きは、土地の広告にたいてい載っていません。そして、この載っていない数字のほうが、平屋では効きます。同じ50坪でも、間口が違うとどうなるか。
さきほどの50坪を、2つ並べます。どちらも建ぺい率60%。形だけが違います。
前提を1つだけ。建物は、敷地いっぱいには建てられません。地域によっては「境界から1.5m下がるまで壁を置いてはいけない」と決められています。ゆとりのある街並みを守るための決まりで、これを「外壁の後退距離」といいます。1.5m下がるということは、左右で3m。50坪の土地では、これがいちばん効きます。
| 敷地の形(どちらも50坪) | 建物に使える幅 | 建てられる建物の広さ |
|---|---|---|
| 間口12.86m × 奥行12.85m(ほぼ正方形) | 9.86m | 29.4坪 |
| 間口8.00m × 奥行20.66m | 5.00m | 26.7坪 |
見てほしいのは、真ん中の列です。広さは29.4坪と26.7坪でほぼ同じなのに、建物の幅だけが半分近くまで痩せます。




幅が引かれる理由は、2つあります。
1つ目は、どの土地でも共通のもの。建物は、境界線から50cm以上離さないといけません。平屋は横に広いので、両側で1m、必ず引かれます。
2つ目が、さきほどの外壁の後退距離です。こちらは土地によって、あったりなかったり。土地情報の「用途地域」の欄に「低層住居専用」と書いてある土地で、決められていることがあります。距離は1.5mか、1m。共通の50cmより大きいので、引かれるのは後退距離のほうだけです。表の9.86mも、1.5mを引いた数字です。
だから、必ず不動産会社に聞いてください。「この土地に、外壁の後退距離の定めはありますか」。定めがなければ、引かれるのは50cmだけ。間口8mの土地でも、建物の幅は7m取れます。同じ土地情報を見ていても、ここで2m変わるんです。
ここまでは、数字を知っていれば計算できる話です。問題は、その数字が手に入らないことのほうです。
土地の情報に載っているのは、所在地、面積、坪単価、用途地域、建ぺい率、容積率、接道。この7つが揃っていても、平屋が入るかは1ミリも分かりません。
土地の広告が、2階建てを建てる前提でできているからです。2階建ては上に伸ばして帳尻を合わせられる。平屋には、逃げ場がありません。
ただし、聞けば分かります。土地を売っているのは不動産会社で、家を建てるのはハウスメーカーや工務店。別の会社です。
間口と奥行きを知っているのは、土地を売る側。不動産会社に聞けば、その場で答えられるはずです。答えられないなら「測った図面はありますか」と重ねてください。境界を示した図面があれば、そこに辺の長さが入っています。
車2台を横に並べるなら、間口はあと6.2m
幅を食うのは、建物だけではありません。車です。
車のサイズをそのまま当てはめると、足りません。実際に要るのは、ひとまわり広い場所です。駐車に必要な幅は「車の全幅+1.3m」、長さは「車の全長+1m」。曲がって入るときのハンドル分と、ドアの開け閉め、荷物の出し入れ。その分です。
中型セダンなら1台で幅3.1m、2台を横に並べて6.2m。ミニバンなら6.4mです。車の幅だけで数えた5mとは、1m以上ちがいます。ここに、玄関へ歩く道が加わります。
さっきの間口8mの土地で考えてみてください。建物の幅は5m。両脇に残るのは、外壁を下げた1.5mずつだけです。この幅に車は入りませんから、車を置く場所は建物の前しかありません。今度は奥行きが5.6mから6m、建物のために使えなくなります。
逆に、間口が広い土地なら、車を横に並べたうえで建物も横に伸ばせます。平屋と相性がいいのは、こちらの形です。
もう1つ、先に決めておくことがあります。数えるのは今の車ではなく、この先いちばん大きくなるときの車です。子どもが増えてミニバンに乗り換えたときに入らないと、外構をやり直すことになります。駐車場スペースの取り方11パターンにも書きましたが、100万円を超えることもある工事です。車種ごとに必要な広さと、土地の向きごとの停め方は、そちらに図で並べてあります。
「車2台は絶対」と「平屋」を両立させたいなら、間口は最初に押さえるしかありません。
私はハウスメーカーの営業でしたが、土地探しにはいつも同行していました。お客様と不動産会社の間に立つのが、土地から探すお客様を担当したときの仕事です。土地の資料でまず見ていたのも、面積ではなく図面のタテとヨコの比率でした。面積は、あとから電卓を叩けば足ります。でも形は、その場で見当がつきます。
見る順番は、いつも同じです。まず間口。次に外壁の後退距離の定めがあるかを確認して、その分を引く。定めがなければ、引くのは50cmです。残りが、建てられる建物の幅になります。
この計算を、土地を契約する前にやるか、あとにやるか。分かれ道はそこだけです。
📌 この章の要点
面積が同じでも、間口8mの土地では建物の幅が5mまで痩せます。その間口は土地情報に載っていないので、聞くしかありません。車2台を横に並べるなら、さらに6.2mが要ります。
土地を先に決めると、庭から順に消えていく
「入りません」と分かるのは、決まってこの場面です。土地の契約をしたすぐあと、ハウスメーカーや工務店との最初の打ち合わせ。測量図を回して1週間ほどで上がってきた図面を挟んで、部屋が並ばないと分かります。
このとき、土地の契約はもう済んでいます。住宅ローンの事前審査も進行中。引き返す先がない状態で、削るものを選ぶ話が始まる。
削る順番も、現場ではだいたい決まっています。
- まず庭が消えます。「小さくてもいいから庭を」は、一番先に建物の幅へ吸収されます
- 次に駐車台数が減ります。2台の並列を諦めて縦列に。前の車を出さないと、後ろが出せません
- その次に部屋が減ります。子ども部屋を1室にまとめる、和室をなくす、廊下を削る
- 最後に、平屋そのものを諦める話が出ます
上から順に、この順で削られます。下にあるものほど、最初は「絶対に譲れない」と言われていたものです。




最後の「平屋そのものを諦める」が出てくるのは、何度往復しても部屋数が入らないと分かった時点です。その会社の設計担当から「2階建てなら全部入ります」という図面が出てくる。ここで選んでいるのは、もう間取りではありません。「平屋にしたかった理由」を守るか、手放すかです。
階段のない生活。家族の気配がつながっていること。老後に2階を持て余さないこと。そのどれを選んで平屋にしたのかを、思い出させられる場面です。
正直に言うと、家を建てる側の営業にも事情があります。「その土地では難しいです」と言えば、お客様の熱が一度冷める。だから「間取りで工夫すれば何とかなりますよ」と言ってしまう瞬間が、業界にはあります。冷めるなら、土地を買う前に。
📌 この章の要点
削られる順番は、庭・駐車台数・部屋、そして平屋そのもの。順番が逆なら、削るのは間取りではなく土地の候補のほうで済みました。
土地を見に行く前に決める、建物側の3つの数字


では、土地を見に行く前に何を決めておくのか。ここまでの話を、3つの数字にまとめます。
私が土地探しに同行するときの順番は、必ず「建物が先、土地が後」でした。間取りは描き直せますが、土地は契約したら描き直せないからです。
先に決めるのは、次の3つです。
- 希望の延床坪数(平屋で) — 例:延床30坪の平屋
- 必要な敷地面積の下限 — 希望の延床 ÷ その地域の建ぺい率。駐車場と外構の分を上乗せする
- 間口の最低ライン — 建物に使いたい幅 + 駐車に使いたい幅
2つ目に関わる話をひとつ。土地を買ったあとに出てくる地盤改良の費用は、平屋の地盤改良の記事にまとめています。水道を引く、土地を平らにする、といった建てる前の工事の話です。
この3つを先に渡せば、削るのは間取りではなく、土地の候補のほうになります。庭も駐車場も、削らずに済むはずです。
平屋は横に広いぶん、候補は自然に郊外へ寄ります。エリアをどこまで広げるかも、この3つを持っていれば数字で判断できます。
数字のほかに、不動産会社への頼みごとを1つ。さきほどの「この土地に、外壁の後退距離の定めはありますか」です。ここまで聞ける人は、まずいません。だから効きます。




不動産会社には、面積ではなく”幅”で伝える
「50坪以上で探しています」と伝えると、50坪以上の土地が全部出てきます。不動産会社の検索システムは面積・価格・エリアで絞る作りで、「平屋が建てられるか」という絞り込みは、そもそもできません。細長い土地も、道路から細い通路で奥に入る旗竿地も、同じ顔をして並びます。
紹介する側に悪気はありません。平屋という言葉から間口を連想できるのは、平屋を何棟も建てた人だけです。
「この人は数字で見ている」と伝わった瞬間に、出てくる土地の質が変わる。これは、現場にいれば誰でも分かることです。
土地探し全般の進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
その3つを、自分で出すのが難しいときは
つまずくとしたら、1つ目の「希望の延床坪数」です。間取りを描いたことがないのに、何坪必要かは出てきませんから。
そこで私が長年おすすめしているのが、タウンライフ家づくりです。


希望する条件を1回入力すると、それを見た住宅会社が「家づくり計画書」を作って送ってくれます。画像の右下に小さく3つ並んでいるのが、届くものの中身です。
- 間取りプラン — 希望の部屋数と暮らし方から、平屋の間取りを描いてもらえます。1つ目の「延床何坪か」が、ここで数字になります。
- 資金計画 — 建物だけでなく、土地代や諸費用も入れた総額の見積もりです。郊外まで広げるかどうかの判断が、ここでできます
- 土地探し — 間取りに合わせて、希望エリアの土地を提案してもらえます。この記事で言ってきた「建物が先、土地が後」の順番そのものです
全国に対応していて、提携するのは1300社以上。入力はスマホから3分ほどです。
忖度なく書くと、届くのはざっくりした間取り案と、ざっくりしたお金の計画です。確定した図面ではありませんし、複数の会社から連絡も来ます。それでも「何坪の平屋なら希望が入るのか」の見当がつけば、土地の見方は変わります。
だから、要望欄を空欄のまま送らないでください。ここに何を書くかで、返ってくる提案がまるごと変わります。
✍️ 本気度が伝わる「要望欄」の書き方(コピペOK)
要望欄は自由に書ける欄です。ここが1行だと、返ってくるのも一般的な間取り案になります。この記事で決めた数字を、そのまま入れてください。


▲赤い枠が要望欄です。ここに、下の文章を貼り付けます。
👇 以下をコピーして、◯の部分だけ自分の数字に直してください。
・延床は◯坪くらい(家族は◯人です)
・敷地は◯坪以上で探しています
・間口(道路に接する辺)は◯m以上ほしいです
・駐車は普通車を◯台、横に並べたいです
・庭は小さくても残したいです
・外壁の後退距離の定めがある土地かどうかも、あわせて教えてください
最後の1行は、さきほど不動産会社に聞いてほしいとお伝えした質問と同じものです。土地の提案までもらうなら、こちらにも入れておいてください。
⚠️ 土地を契約してからでは、幅は1cmも増やせません。
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📌 この章の要点
延床坪数、敷地面積の下限、間口の最低ライン。この3つを持って行く人にだけ、平屋が入る土地が出てきます。
まとめ
要点は3つです。
- 平屋に要る敷地は、総2階のきっかり2倍。延床30坪なら、建ぺい率60%の地域で50坪から。ただし建物が乗るだけの数字
- 同じ50坪でも、間口しだいで建物の幅は9.8mにも5mにもなる。それは土地情報に載っていない
- だから建物が先、土地が後。3つの数字を決めてから土地を見に行く
「50坪あれば建つと聞いたので」。足りなかったのは面積ではなく、幅でした。幅は、契約したあとでは1cmも増やせません。
平屋にしたかった理由を、土地の都合で手放さずに済みますように。あなたの土地探しがうまくいくよう、応援しています。





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