元ハウスメーカー営業で今は不動産特化FPのカルタが、間取りの失敗事例やハウスメーカー比較をFP目線で解説。平屋・L字間取り・コスト実例など、マイホーム計画で後悔しない情報を無料公開中。

平屋の地盤改良はなぜ400万円?土地の契約前に現地で見るサインは3つ

平屋の地盤改良はなぜ400万円?土地の契約前に現地で見るサインは3つ

この記事は、住宅に関する有益な情報をFPの視点でわかりやすくお届けすることを目的として作成しています。
この記事には広告が含まれます。

【PR】


こんにちは!このブログも10周年
ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!

家づくりは「担当者」で9割決まる! 表紙著書家づくりは「担当者」で9割決まる!元営業マンが明かすハウスメーカーの裏側Kindle Unlimited なら0円で読めます ▶

平屋を建てたいと思って土地を探していると、どこかで「地盤改良って、いくら見ておけばいいんだろう」と気になってきます。土地にいくらまで出せるかは、建物代だけでは決まらないからです。

いずれ建築会社から渡される資金計画書にも、地盤改良費という行が入ります。家づくりの総額を1枚にまとめた紙で、その中の「付帯工事費」——建物の外側にかかるお金——にあたる部分です。ただ、その金額の根拠は、どこにも書かれていません。

地盤改良というのは、やわらかい地面の上で家が沈まないように、建てる前に地面を補強しておく工事のことです。私が営業として担当した現場では、30坪ほどの平屋で400万円でした。建物とは別に、です。ただしこの金額は、平屋だからでも、30坪だからでもありません。地面の下の硬い層が、想定よりずっと深かったからです。

地盤改良の金額を決めているのは、基礎の面積ではなく深さです。そして、その深さは土地の契約前には分かりません。今日いちばん伝えたいのは、そこです。

ただ、金額が読めないからといって、手も足も出ないわけではありません。土地を決める前に確認できるサインが、3つあります。その3つを持って土地を見に行けるようになれば、あとから慌てずにすむはずです。

400万円!? 建物とは別に、そんなにかかることあるの?
私も見積書を見たときは声が出ました。ただこれは、特別に運の悪い土地を引いたという話ではなくて、調べる順番の問題なんです。
地盤改良の金額が出てくるまでの順番を3段階で並べた図。土地を決める前には金額が出ず、土地を買って建築会社が決まり地盤調査をしたあとに、はじめて工事の見積りになることを示している
▲金額が出るのは、土地を買って建築会社が決まったあとです。

🏠 この記事でわかること

  • 30坪の平屋の地盤改良が400万円になるまでに、現場で何が起きたのか
  • 「平屋は基礎が広いから高い」が、どこまで本当なのか
  • 土地を決める前に、専門知識がなくても確認できる3つのサイン
目次[閉じる]

30坪の平屋で、地盤改良に400万円かかった

その現場で何が起きたのかを、順に話します。

ただ、その前に家づくりの手順を確かめさせてください。まず土地の売買契約を結び、引き渡しを受ける。それから建築会社を決めて、間取りの打ち合わせをする。地盤調査は、そのあとです。

他人のものである土地を、買う前に掘らせてもらえることは、まずありません。だから地面の中身は、土地を決めたあとにしか見えないんです。この順番が、これから話すことの全部に効いてきます。

最初の調査で、機械が硬い層まで届かなかった

機械が届かなかった、という話をする前に。そもそも地盤の硬さを、どうやって測るのかから。

その土地に家を建てられるかどうかは、地盤調査で調べます。先がスクリューになった鉄の棒におもりを載せ、回しながら地面にねじ込んでいく。何回転で何センチ入ったかで、深さごとの硬さを読み取ります。住宅ではこのやり方(スクリューウエイト貫入試験)が、ほぼ標準です。

この調査で探しているものが、支持層です。家の重さを最後に受け止められるだけの、十分に硬い地層のこと。以下、単に「硬い層」と書くこともありますが、同じものです。

なぜそれを探すのか。やわらかい土の上にそのまま家を建てると、家は沈みます。しかも場所によって沈む量が違うので、家が傾く。だから、硬い層まで届かせて支えるか、やわらかい層ごと固めるか、どちらかをやる。これが地盤改良です。

ところが、その現場では機械が硬い層まで届きませんでした。想定外の1つめです。

え、機械が届かないなんてことあるの? 調査したら分かるんじゃないの?
私も報告を受けたときは、まずそこで止まりました。この調査には、届く深さの限界があるんです。

定番の鋼管杭が使えない、と言われた日

使えないと言われるまでに、もう一段階ありました。

まず、別のやり方で測り直すことになりました。地面に揺れを与えて、その伝わる速さから硬さを面でつかむ調査(レイリー波探査)です。棒が届かない深さでも、おおよその見当が付きます。

そして、2つめの想定外が来ます。よく使われる鋼管杭が、この土地では使えない、と。

鋼の管を打ち込んで、その先を硬い層に届かせて支えるのが原則の工法です。裏を返すと、支持層が深すぎる土地では、そもそも選べなくなります。

その日は設計担当と、使えそうな工法を上から順に消していきました。これは届かない、これも無理だ、と。安いほうから候補が消えていくので、話が進むほど金額は上がります。

代わりに使ったのは、細い管をたくさん打つ方法

そこで使うことになったのが、細い鋼管を、間隔を詰めてたくさん打ち込む方法でした。1本1本で建物を支えるのではなく、管と地盤を一体にして沈み方を均一にする。そうすれば家は傾かない、というのが現場で受けた説明です。

そうして出てきた金額が、400万円。平屋だから400万円になったのではありません。30坪だからでもありません。硬い層が深すぎて、安いほうの工法が全部使えなかったからです。

見積書の合計欄を見たときは、金額よりも先に、これをどう伝えようかと考えていました。地盤調査をするのは土地を買ったあとですから、いまさら地面は選び直せません。

じゃあ、うちの土地でも同じことが起きるかもしれないってこと?
起きるかもしれませんし、10分の1で済むかもしれません。ただ、それを土地を買う前に言い当てられる人は、残念ながらいないんです。

「平屋は基礎が広いから地盤改良が高い」は、半分だけ本当

ここで、よく言われる話をひとつ片づけておきます。

同じ延床30坪でも、平屋は30坪ぜんぶが、2階建てはおよそ15坪が地面に接することを比べた図
※平屋の基礎が広いのは事実です。それでも金額を決めたのは深さでした。

面積が効くのは、地面を面で固めるときだけ

平屋の地盤改良を調べると、「基礎が広い分だけ改良費も高くなる」と書かれています。この理屈が当たる場面と、当たらない場面がある。分かれ目は工法です。

工法は、大きく3つに分かれます。あの現場で使った「細い管をたくさん打つ方法」は、下の表のいちばん下、鋼管杭の仲間です。太い管が届かないので、細くして本数で支えた、というだけの話でした。

工法何をするか面積が効くか
表層改良地表近くの土をセメント系の材料と混ぜ、面でまるごと固める効く。広い分だけ固める量が増える
柱状改良土とセメントを混ぜた柱を、設計した位置に何本も作る効かない。本数と長さで決まる
鋼管杭鋼の管を打ち込んで支える効かない。本数と長さで決まる

面積が効くのは、いちばん上の表層改良だけ。

じゃあ、金額を決めていたのは何?

先に、平屋の側の言い分を認めておきます。

平屋の基礎が広いこと自体は、事実です。同じ延床30坪でも、1階と2階が同じ大きさの2階建てなら、地面に接している面はおよそ15坪。平屋は30坪ぜんぶが地面に接します。単純に、倍です。2階が1階より小さい家と比べれば、差はこれより小さくなります。

建物が軽いのも本当です。ただ、軽いから地盤改良が安くなるとは限りません。改良が要るかどうかは、建物の重さではなく土地側の硬さで決まるからです。

あの現場に戻ります。400万円は、基礎が広かったから膨らんだのではありません。金額を決めていたのは、支持層までの深さでした。

じゃあ平屋か2階建てかで悩んでも、地盤改良費はあんまり変わらないの?
その土地の下がどうなっているかのほうが、はるかに大きいです。平屋か2階建てかは、その次の話でした。

相場を調べても、あなたの土地の金額は出てこない

では、いくら見ておけばいいのか。答えは「土地を決めたあとに出る金額を待つしかない」です。相場を調べても、同じ30坪で数十万円から200万円まで、書いてあることがバラバラです。どれも嘘ではなく、前提が書かれていないだけなんです。

その前提というのは、たとえばこういうものです。まず、硬い層までの深さ。それから、同じ土地でも家をどこに置くかで、固める範囲が変わります。隣の土地との段差が大きければ、土を留める工事も足されます。

ここが決まらないと工事の数量が出ないので、金額も出ません。そして、それらが固まるのは、土地を買って建築会社が決まったあとです。だから金額は、土地を決めたあとにしか出てきません。

私が営業だったころも、土地が決まる前にお渡しする資金計画書には、地盤改良費を仮の金額で入れていました。近隣の実績から置いた概算です。当たることもありますが、外れたときの幅が大きい。確定しないものを、確定した顔で1行に並べるしかないんです。

カルタ

💰 不動産FPカルタの解説

私が見た現場は400万円でした。だから私は、土地の予算を借入の上限いっぱいで組まないでくださいとお伝えしています。上限で組むと、地面の下で想定外が起きた瞬間に、削れる先が建物か教育費しか残りません。

家が建ったあと、この400万円でできたものは何ひとつ目に見えません。床が1畳広くなるわけでも、キッチンが良くなるわけでもない。それでも、この工事をしなかった家は沈みます。払わない選択肢がないお金です。

金額が出ないなら、土地を選ぶときは何を見ればいいの? もうお手上げじゃん…
金額は出せません。でも、危なそうかどうかの目星なら、買う前に付けられます。私が土地を見に行くとき、確認していたものが3つあります。

土地の契約前に、私が見ていた3つのサイン

3つとも、地図と現地で確認できます。専門の知識は要りません。

地図で取れるものと、現地に立たないと取れないものは、分けておくと迷いません。地図は何度でも開き直せますが、現地で取るものは、その日その時間に立った人にしか取れないからです。土地の情報をこの分け方で3つに並べたのが、家で調べられるものと、現地でしか取れないものです。地盤の3つも、そこに収まります。

土地を決める前に確認できる3つのサイン。昔の航空写真、地名、現地で周りの家と道路を見る
※3つとも、地図と現地で確認できます。専門の知識は要りません。

昔の航空写真で、その土地が何だったかを見る

国土地理院の「地理院地図」なら、無料で、スマホからでも過去の航空写真と今の地図を重ねられます。50年前はここが田んぼだった。それが一目で分かります。

地形分類という表示に切り替えると、台地なのか低地なのか、人の手で盛られた土地(盛土)なのかまで、色分けで出ます。

盛土と出たら、その土地に「印」を付けてください。買わない土地、という意味ではありません。あとで建築会社に「このあたりの地盤はどうですか」と聞く土地、という印です。

「〇〇が丘」「〇〇台」でも、谷を埋めた土地のことがある

地名は、昔の地形の手がかりになります。沼・池・谷・窪・沢が入っていたら、そのままの意味だと思ってください。

ここまでは、たいてい知られています。問題は、その逆です。

「丘」や「台」なら安心、は成り立ちません。造成のあとで、イメージの良い地名へ変えられた土地があるからです。

谷や沢を埋めてつくられた大きな造成地は、全国に5万カ所以上あります。ハザードマップポータルサイトで「大規模盛土造成地」を表示すると、その分布が地図で見られます。

分かるのは、危ないかどうかではなく「谷や沢を埋めた場所かどうか」。地名だけでは絶対に分からないことが、ここで分かります。

現地で、周りの家と道路を見る

最後は足で確認します。現地でまず見ていたのは、その土地より周りでした。

  • 電柱や標識が、不自然に傾いていないか
  • 近隣の家の基礎・ブロック塀・擁壁(土が崩れないように留めている、高いコンクリートの壁)に、ひびが入っていないか
  • 道路が波打っていないか。マンホールだけが飛び出していないか

どれも、地面が均一に沈んでいないサインです。1つ見つけたら黄色信号、2つ以上そろったら、その土地は候補の下のほうに置いてください。土地そのものより、周りの家がどうなっているかのほうが正直です。売り出し中の土地は整えられますが、隣の家の塀は誰も整えません。

この3つで分かるのは、金額ではありません。「身構えておくべき土地かどうか」です。それが分かっていれば、予算の組み方を先に変えられます。

深さが分かるのは土地を決めたあと。だとすれば効いてくるのは、土地を見る目より探し方のほうです。

私が営業だったころは、会社にたまっている近隣の調査結果を見て、土地を見に行く前に「このあたりは深いことが多い」と伝えていました。

だから、気になる土地が出てきたら、建築会社の担当に「このあたりで地盤調査をしたデータはありますか」と聞いてみてください。手元にあれば、たいてい見せてくれます。隣のデータがそのままあなたの土地の答えになるわけではありませんが、深い土地が多い地域かどうかの見当は付くはずです。

なお平屋の土地は、面積より形で決まります。見に行く前に決めておく数字は、平屋の土地探しの記事にまとめました。

そもそも土地探しをどこに頼むかは、不動産屋とハウスメーカーで何が違うのかからまとめた記事に書いています。

まとめ

要点は3つです。

  • 30坪の平屋で400万円になったのは、硬い層が深すぎて、安いほうの工法が全部使えなかったから
  • 金額を決めるのは基礎の面積ではなく、支持層までの深さ
  • その深さは契約前には分からない。だから土地を見る段階で、成り立ちと周りの様子を確認しておく

そのうえで、土地の予算を上限いっぱいで組まないでください。地盤改良にいくらかかるかは、土地を決めたあとにしか分かりません。だから、決める前にできる備えは「金額を当てること」ではなく「幅を残しておくこと」です。

幅は、目で見て測れます。見積書で「概算」と書いてある行を、電卓で足してみてください。その合計が、これから動きうる幅です。地盤改良は、その中でいちばん大きく動く行です。

あの現場で私が一番悔しかったのは、400万円という金額そのものより、土地を決める前には誰にもこの金額が読めなかったことでした。もっと早く言えたはずだと何度も考えましたが、順番として無理だったんです。

地面の下は、最後まで見えません。それでも、見えないと知っているだけで、予算の組み方は変わります。あなたの土地選びが、いい結果になることを願っています。

\ メール登録だけ・ぜんぶ無料 /

元ハウスメーカー営業がつくった
「家づくりの道具」4点

家づくりは、ほとんどの人が一生に一度です。だから、会社の比べ方も、担当者への聞き方も、誰にも教わらないまま本番が始まります。
私が売る側にいたころ、「お客様がこれを持っていたら、話がまるで違ったのに」と思っていたものを、4つの道具にまとめました。

  • わが家のライフプランシート(Web)
    年齢と年収を入れて、建てたい価格帯(ローコスト・中堅・大手)を選ぶだけ。「わが家は、いくらまでの家なら無理なく建てられるのか」——その上限額が出ます。
  • 後悔しないハウスメーカー比較チェックシート(PDF)
    候補の会社を「5つのものさし」と「担当者チェック」で採点して、ご夫婦で見比べられる一枚です。
  • 同じ工法メーカー早見表(PDF)
    どの会社とどの会社が同じ工法どうしなのか、36社分の一覧。相見積もりの組み方が変わります。
  • 家づくり最新データシート(Web・毎年更新)
    坪単価の相場、保証年数、火災保険が下がる「省令準耐火」など、時間で変わる数字をまとめてあります。

登録は無料です。しつこい売り込みはしません。配信はいつでも1クリックで解除できます。
ご登録いただいたメールアドレスは、特典のお届けと家づくりに役立つ情報の配信にのみ使用します。ご登録の前にプライバシーポリシーをご確認ください。

Powered by メール配信『オレンジメール』

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

コメント Comments

コメント一覧

コメントはありません。

コメントする

CAPTCHA


トラックバックURL

https://117gift.com/hiraya-jiban-kairyo-cost/trackback/

関連記事 Relation Entry