ハウスメーカーと工務店の違い

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カルタ


ハウスメーカーと工務店の違いって、ピンとこないですよね?

なんとなく、ハウスメーカーは高いけどモノはよい、工務店は安くて普通…そんなイメージでしょうか。

さて、ここでこんな例があります。

Aさんがある大手ハウスメーカーで家を建てました。
Aさんの友人であるBさんは、地元工務店で家を建てました。

後で知ったのですが、実は、Aさんの家もBさんの家も、建てたのは同じ大工さんでした。



えっ?と思うかもしれませんが、これは、あり得る話です。

建てる大工さんが同じなら、ハウスメーカーと工務店の違いって一体なに!?って思ってしまいますよね。

そこでこの記事では、”ハウスメーカーと工務店の違いがわかる15項目”をあげて、比較していきます。

両者の違いを知った上で、どちらがあなたにあっているか、考えてみましょう!

大工の違い

大工

ハウスメーカーに勤めている大工というのはいません。

ハウスメーカーが受注した仕事は、そのメーカーが指定する地元の工務店が下請けします。

(ハウスメーカーによっては、系列子会社が下請け)

「じゃあ、ハウスメーカーは契約を受けて、あとは丸投げ?」

……かというとそうではなく、部材や仕様などはすべてハウスメーカー指定のものを使いますし、家が一棟建つまでの現場監督もハウスメーカーの仕事です。


工務店の場合は、ハウスメーカーと同じく、勤めの個人大工に発注することもあれば、社員として職人を抱えているところもあります。

価格の違い

ハウスメーカーが工務店に下請けにだすなら、中間マージンが発生するはず。
だったら工務店に直接依頼した方がよい?

当然、そんな疑問もでてくるでしょう。

たしかに、下請けにだすことは、ハウスメーカーの家を高くしているひとつの原因ですね。

また、工務店とは違って展示場があったり、CMを使ったりと広告費が高くつくこともそう。

ただ、ハウスメーカーは部材や仕様を大量生産・発注することで、コストを抑えられている面もあります。

(標準仕様のキッチンなど、同じグレードのものを別で買おうと思ったら、倍近い費用がかかるはず)

また、工場で部材をプレカットし、現場でそれを組み立てるため工期が短く、人件費が抑えられるのもあります。


工務店が安いのは、自社で設計・施工まで一貫体制でするなら中間マージンは発生しませんし、広告費もハウスメーカーほどには高くありません。

工務店によって価格差はありますが、一般的にハウスメーカーよりは安くなります。

品質の違い

木造建築

ハウスメーカーの家は、「品質が高い」というより、「品質が安定している」といった方があっています。

ハウスメーカーでは、部材のほとんどを工場でプレカットして、現場で組み立てています。

だから、大工の腕に大きく左右されません


工務店は、大工の腕に左右されることが大きいといえます。

ただ、地元で長く営業しているところほど、よい職人を抱えているケースがあり、価格の割に細部までこだわり抜いた高品質な家を建てられる可能性があります。

「ハウスメーカーの方が高いだけに高品質」というイメージがあるかもしれませんね?

でも、よい工務店と巡り会えて、かけるところにしっかりとお金をかければ、ハウスメーカーに優る品質の家を建てられます。

間取り自由度の違い

間取り

ハウスメーカーもよく「自由設計」とうたっていますが、工務店に比べると自由度は低いといえます。

使うべきパーツは決まっていて、あとはその組み合わせだけ変えられるといったイメージ。

そのため、狭小土地や変形土地では、設計が難しいケースもあります。

(ハウスメーカーにもよります。たとえば住友林業は工務店並に自由度が高い)


工務店は「完全自由設計」であることが多く、階段の手すりや玄関の上り框など、細部の細部までとことんこだわり抜いた家を建てられます。

設計士の違い

ハウスメーカーに大工はいませんが、設計士はいます。

採用されたばかりの新米設計士からベテラン設計士までいて、通常は自分からは選べず、ハウスメーカー側が担当を決めます。

センスのよい設計士にあたれるかどうかは、運次第。

ただ、現場見学会などにいった際に、「この家を設計した人に担当して欲しい!」と言えば、配慮してもらえるはずです。


工務店の場合、設計士がいることもあれば、施工のみで設計は外注の場合もあります。

工務店勤務の設計士であれば、デザイン性より性能を重視タイプが多いです。

設計を外注している場合は、どんな設計事務所かにもよりますが、性能よりデザイン性にこだわるタイプが多いです。

デザイン性の違い

 

ハウスメーカーによって得意とするデザインがあり、メーカーによっては外観を見るだけで「あ、◯◯ハウスの家だ」とわかります。

たとえば積水ハウスなど、わかりやすいですね。

そしてそのデザイン性が、そのままブランド力とも言えます。

「この家、高かったんだ」など言わなくても、積水ハウスなら言うまでもありませんから。


工務店の場合は、設計士の腕によりけりといったところ。

ただ工務店の場合、別の建築事務所に設計を依頼し、できた設計図を持ち込むことも可能

(ハウスメーカーだと断られます)

「どんな人が住んでいるんだろう」と近所で話題になるような、奇抜で個性的な家だって建てられます。

仕様・設備の違い

キッチンで料理する女性

 

ハウスメーカーには、部材や設備に標準仕様とオプション仕様とがあります。

価格のところでもお伝えしたように、大量生産・発注でコストを下げられるのが、ハウスメーカーのメリット。

標準仕様は、価格の割に高品質です。


工務店には、ハウスメーカーのように標準仕様の設備がなく、キッチンなど設備に関しては一般的な価格になります。

ただ腕のよい職人を抱える工務店なら、間取りに合わせた、造作キッチンをお願いしてもよいかもしれませんね!

また工務店の場合、地元で長く営業しているところはとくに、地元の繋がりでよい部材を仕入れていることもあります(運送費を下げる目的もあり)。

工法の違い

ハウスメーカーの場合、木造軸組・2×4・鉄骨軸組・RC造など工法はさまざま。


工務店もさまざまですが、木造軸組と2×4が多くを占めます。

工期の違い

カレンダー

ハウスメーカーの方が、工務店より工期は短くなります。

ハウスメーカーは工場で多くの工程を済ませて、現場で組み立てるからですね。

工法にもよりますが、一般的に4ヶ月くらいと思って大差ないはずです。

セキスイハイムなどユニット工法はとくに、現場に到着したときには、もう部屋の形になっています。

早ければ2ヶ月そこそこで家一棟が建ってしまうこともあります。


工務店は、現場で一から組み立てる分、工期が長くなりますので、6ヶ月をベースに考えておくとよいでしょう。

「子どもが小学校にあがるタイミングで家を建てたい!」など期限がある場合は、余裕を持たせて契約するようにしましょう。

営業マンの違い

営業マン

ハウスメーカーは離職率が高く、人の出入が激しい業界です。

なので他業種からの転職者も多く、ベテランのように見えて経験の乏しい担当者もいるのが実際のところです。

あなたが展示場に行くなり、電話をするなりした場合、そこではじめて対応してくれた営業マンが、そのままあなたの担当になります。

設計士と同じように、優秀な営業マンが担当になってくれるかは、運の要素が強いですね。

だから展示場に行ったり、電話で問い合わせたりするよりも、外部の資料請求サイトを使った方が、要望に合わせた営業マンが担当になってくれやすいのでオススメです。


工務店の場合も、営業マンの優秀さはピンキリといったところ。

小さなところでは、社長自らが担当することもあります。

いくつか質問や宿題を出すなりして、誠実に答えてくれるかや、対応スピードが早いかなど見極めていきましょう。

現場管理体制の違い

ハウスメーカーは、安定した品質の家を建てれらるのがメリット。

現場監督はハウスメーカーの仕事であり、大工が自社基準の品質に届く仕事をしているか、ビス1本1本の間隔に至るまで厳しくチェックしています。


工務店の場合は2通りあります。

  • 一貫体制型:施工と監理(設計図通りに施工されているかチェックすること)を同じ工務店が行う。
  • 分離型:施工は工務店が、監理は第三者(設計を依頼した設計事務所など)がする。

一貫体制型は、工務店によっては甘い監理になりがちで、施工不良を見過ごされてしまうリスクあり。

逆に分離型では、第三者がチェックするので安心ですが、コストがかかります

また、施工途中に変更があった場合に時間がかかるデメリットもあります。

土地紹介の違い

ハウスメーカーには、系列の不動産会社や地元不動産会社が毎日のように物件を持ち込むので、多くの土地情報が転がっています

情報が多いうえに、価格や間取りの相談もしながら土地を探せるので、不動産会社にいくよりも土地は探しやすくなります。


工務店は、付き合いのある地元の不動産会社を紹介してくれますが、自社の建売物件がある場合、そちらに誘導することが多いです。

ただ、それが悪いわけではなく、その工務店がどんな家を建てられるか知るよい機会。

建売を気に入って買うのであれば、土地・建物を分けて買う必要がないので決済が楽です。

住宅ローンの違い

住宅ローン

ハウスメーカーは案件数が多いだけに、銀行への影響力は結構なもの。

あなたがハウスメーカーで家を建てる場合、物件の担保評価が高く、破産してしまうリスクも低いため、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

そして、ハウスメーカー限定の金利優遇があるケースもあるので、チェックしておきたいところ。


工務店の場合、物件の担保価値は慎重に審査します。

たとえあなた自身の評価が良くても、工務店に対する信頼が低い場合、審査に影響することもあるので注意が必要です。

アフターサービスの違い

アフターサービス

ハウスメーカーの場合、アフターサービスは規模の力で長期保証をしているケースが多いです。


工務店の場合、保証期間はハウスメーカーほど長くはありません。

ただ工務店が地元で長く営業していくには、施主から信頼されて、紹介案件をいかに獲得するかがキモ。

だから、軽いフットワークで建築後のアフターサービスに力を入れているケースが多くあります。

将来売却の違い

ハウスメーカーの家はブランド力により、将来売却することになったときに、売りやすいケースがあります。

不動産チラシで、「◯◯ハウス施工案件!」のように案内しているのを見たことはないでしょうか。


工務店の場合、ブランド物として売り出すのは難しいですが、デザインに凝った家なら、「デザイナーズ住宅」として目を引けるかもしれません。



▼あなたにあった工務店を探すには

工務店は、大手ハウスメーカーと違って展示場がありません

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▶︎ 工務店の探し方・選び方まとめ!情報収集の方法から工務店の見分け方まで
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