この記事は、住宅に関する有益な情報をFPの視点でわかりやすくお届けすることを目的として作成しています。
この記事には広告が含まれます。
【PR】
こんにちは!このブログも10周年。
元ハウスメーカー、今不動産特化FPのカルタです!



坪単価70万円、30坪だから2,100万円。その前提で資金計画を立てた人が、詳細見積書を開いたところで黙り込みます。私が見積書を出す側にいた頃、打ち合わせの席が急に静かになるのは、いつも同じページでした。
「え、こんなにするの……?」
「土地代も入っていないのに、もう予算オーバーしてる」
見積もりが高いのではありません。最初に見た数字が、家の値段の一部だっただけです。坪単価に何を含めるかは、会社ごとにバラバラだからです。




この記事では、その「一部」がどこまで膨らむのかを、本体工事費・付帯工事費・諸費用の3つに分けて数字で出します。
先に答えを言うと、30坪の平屋の総額は、本体工事費の1.22〜1.36倍。坪単価70万円なら2,560万〜2,861万円です。しかもこの倍率は、坪単価が上がっても下がってもほとんど動きません。


🏠 この記事でわかること
- 坪単価から総額(本体工事費の1.22〜1.36倍)を出す式
- 削っていい順番と、触ってはいけないもの
- 建築費100万円と金利0.1%、効くのはどちら
30坪の平屋の総額はいくら?坪単価×30坪で止めると、必ず足りなくなります
家の値段は、3つのお金でできています。本体工事費——建物そのものを建てる費用。付帯工事費——建物の外側で必要になる工事。諸費用——工事ではないのに払うお金です。
このうち付帯工事費は、見積書によっては「別途工事費」「付帯工事」と書かれています。呼び名が違うだけで、中身は同じものです。
そして最初の提案書に載るのは、ほぼ本体工事費だけなんです。付帯工事費と諸費用は、土地と敷地の条件が決まらないと正確に出せません。まだわからないので、だいたいの金額を仮に書いておくことになります。
問題は、その仮の金額の書き方です。売る側の事情で、低めに書くことがあります。契約する前に総額を大きく見せると、お客様は他社へ行ってしまう。契約したあとで増えるぶんには、そこまで痛くない。会社から見ると、そういう計算になります。
「坪単価70万円だから2,100万円」——ここに、あと1.22〜1.36倍かかります
付帯工事費は、建物の外側にかかるお金です。地盤改良(軟らかい地盤を固めて、家が傾かないようにする工事)、給排水の引き込み(道路の下を通っている水道管から、敷地の中まで管を引く工事)、外構(駐車場・門・フェンス・庭)、照明とカーテン、そしてエアコン。
住むために全部要るものばかりです。それでも最初の見積書に入らないのは、どれも土地が決まらないと金額が出せないからなんです。地盤が軟らかいかどうかは調べてみるまでわからない。水道管が敷地の目の前まで来ているのか、20m先で止まっているのかでも変わる。駐車場を2台にするか3台にするかも、土地の形を見てからです。
地盤改良の金額感は平屋の地盤改良費の記事に。
諸費用は、工事ではないのに払うお金です。登記費用(その家が自分のものだと法務局に記録してもらう手続きの費用)、火災保険料、ローン事務手数料(借りるために銀行へ払う手数料)、印紙税(契約書に貼る印紙代)。
諸費用は、そもそも工事の見積書に載っていません。工事ではないからです。これらは工務店やハウスメーカーが受け取るお金ではなく、法務局・保険会社・銀行・国に払うお金なので、見積書を作る側の管轄の外にあります。隠しているわけではなく、書く欄がないんです。
あなたの手元の紙は、どこまで書いてありますか。
では、お手元の見積書の本体工事費に当てはめてみてください。
| 提示された坪単価 | 本体工事費 | 付帯工事費(15〜25%) | 諸費用(6〜9%) | 実際に払う総額 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 70万円/坪 | 2,100万円 | 315〜525万円 | 145〜236万円 | 2,560〜2,861万円 | 1.22〜1.36倍 |
| 80万円/坪 | 2,400万円 | 360〜600万円 | 166〜270万円 | 2,926〜3,270万円 | 1.22〜1.36倍 |
| 90万円/坪 | 2,700万円 | 405〜675万円 | 186〜304万円 | 3,291〜3,679万円 | 1.22〜1.36倍 |
※倍率は、筆者が仮に決めた前提で計算しています。本体工事費に付帯工事費を15〜25%上乗せし、その合計にさらに諸費用を6〜9%上乗せしました。式にすると 2,100万円 × 1.15〜1.25 × 1.06〜1.09 = 2,560万〜2,861万円。




坪単価がいくらであっても、総額は本体工事費の1.22〜1.36倍に収まります。2,100万円のつもりでも、実際に払うのは2,560万〜2,861万円。差は460万〜761万円です。
みんな実際いくら払ってる?30坪クラスの全国平均は4,214.8万円
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査2025年度版では、建売住宅の全国平均は住宅面積100.4㎡=30.4坪で4,214.8万円(土地込み)。
| フラット35利用者調査(2025年度・全国) | 金額 | 30坪換算 |
|---|---|---|
| 注文住宅の建設費(土地代を含まない) | 4,259.8万円(35.8坪) | 3,568万円 |
| 建売住宅の所要資金(土地込み・平均30.4坪) | 4,214.8万円 | — |
| 5年前(2020年度)からの伸び | +20.6% | 坪単価では+26.7% |
ただ、この「建設費」には、外構など建物の外の工事まで含まれています。本体工事費と付帯工事費を足した額に近いので、坪単価70万円とは直接比べられません。諸費用は、この平均にも入っていません。
建売は直近1年だけで+388.7万円上がりました。
この5年で建築費は+20.6%、直近1年でも+10.2%。待っている間に、金利も上がりました。
景気待ちなら逆効果です。ただ、比べるための1〜2か月は待ちではありません。急ぐべきは決断で、急がなくていいのは比較です。
平屋の見積もりは、2階建てより「削れる場所」が少ない
なぜ平屋は2階建てより坪単価が高くなるのか?
同じ延床30坪でも、総二階の2階建てなら1階は15坪ですが、平屋は30坪すべてが1階なので、基礎と屋根の面積は単純計算で2倍になります。
これは値引き交渉が来ても動かせない場所です。基礎は構造計算で、屋根は面積で決まりますからね。
しかも平屋は敷地が広いぶん、外構も広くなります。平屋の予算調整は、削れる余地が少ないところから始まります。
平屋と2階建てのどちらが安いかはこちらの記事に。




「予算オーバーです」の後に出てくる提案には、順番があります
私が営業だった頃も、この順番でした。口にした瞬間の気まずさは、今でも覚えています。
- 設備のグレードダウン(キッチン・浴室・床材)
- オプションの取り下げ
- 外構を後回しにする
- 延床面積を減らす
- 構造・断熱・耐震の仕様を落とす
理由は、住む人の満足度ではなく会社側の都合です。設備は「仕入れの値段が定価の何割」と決まっているので、グレードを落としても会社の取り分はほとんど変わりません。図面を描き直す必要もない。
ところが坪数を変えると、間取りも構造もやり直しになります。着工の予定日が後ろへずれる。着工がずれれば、その営業の今期の売上が、来期に回ってしまいます。
あとから直せるものから削り、あとから直せないものは、いくら予算が足りなくても触らない。上から3つは現場の順と一致し、ズレるのは4番と5番の間です。断熱・耐震・構造の話が出てきたら、そこで止めてください。
設計で削れる余地は、廊下をゼロにした34坪の平屋で実際の間取りとして見られます。


💰 不動産FPカルタの解説
会社の都合が、お客様への提案の顔をして出てくる。私が会社を辞めた理由も、突き詰めればこれです。




【FPの視点】建築費を100万円削る努力は、金利が0.2%動くのと同じです
金利が0.5%上がるだけで、建築費を254万円削った分が吹き飛びます
前提は借入3,000万円・35年・元利均等(毎月の返済額が最後までずっと同じ方式)、繰上返済とボーナス返済なし、金利は完済まで一定。
| 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 0.6% | 79,209円 | 3,326万円 | 326万円 |
| 1.0% | 84,686円 | 3,556万円 | 556万円 |
| 1.5% | 91,855円 | 3,857万円 | 857万円 |
| 2.0% | 99,379円 | 4,173万円 | 1,173万円 |
建築費を100万円削ると、総返済額は118.6万円減ります(金利1.0%)。一方、金利が0.1%動くと総返済額は59.0万円動きます。
建築費を100万円削っても、効き目は金利が約0.2%動くのと同じです。裏返せば、金利が0.5%上がるだけで、建築費を254万円削ったのと同じ分が吹き飛びます(1.0%→1.5%で総返済額+301万円)。




返済額が5年間据え置かれる「5年ルール」も、直前の1.25倍を上限とする「125%ルール」も、あなたが借りる銀行にあるとは限りません。「金利が上がったとき、返済額は5年間据え置きになりますか」と一言聞けば済みます。


💰 不動産FPカルタの解説
食洗機のグレードで何度も打ち合わせるより、借入先を1つ比べるほうが効きます。ただし比べるのは金利だけではありません。事務手数料が定率か定額か、団信に何が付くかまで、総返済額で並べてください。FPとして、いちばんもったいないと感じるのがここです。
2026年新設「みらいエコ住宅」補助金は、110万円で「130.4万円の値引き」相当
「みらいエコ住宅2026事業」のGX志向型住宅の補助額は、多くの地域で110万円、1〜4地域(寒冷地)で125万円。110万円を借入の圧縮に充てると、35年ローンでは総返済額が130.4万円減ります。ただし金利に換算すれば0.22%分。
補助金は取れるなら取る。ただし、それ単体で総額の問題は解決しません。
要件は重い。断熱等性能等級6以上に加え、省エネ設備と、HEMS(家じゅうの電気の使用量をモニターやアプリで見える化して制御する機器)まで必須です。割に合うかはこちらの記事で回収まで計算しました。
申請は登録事業者が代行します。依頼先の会社が登録事業者でなければ、この補助金は受け取れません。第2期の期限は2026年12月31日、8月時点の消化率はGX志向型で48%。枠はまだありますが、着工時期を動かせない制度なので、依頼先を決める段階から条件に入れてください。




30坪の平屋の総額は、1社の見積書だけでは判断できません
相見積もりで差が出るのは、実は2か所だけです
1つは、どこまでを標準仕様に含めるか。網戸もカーテンレールも標準の会社と、全部オプションの会社があります。もう1つは、付帯工事費をいくらで見ておくか。地盤改良を、まだ調査していないからと0円のまま出してくる会社もあります。この差は値引き交渉では埋まりません。
値引き額が最初から印字されている見積書があります。あれは、値引きしていい金額が社内であらかじめ決められている、という意味です。その分は、最初の提示額に上乗せしてあります。
そして、他社と比べられていないとわかった瞬間、提案の中身を良くする理由がなくなる。これは営業をやっていた側の実感です。
相見積もりの価値は値切るためではなく、どこまでを見積書に書いてくれる会社かを見分けるためにあります。




土地が決まっていなくても、間取りと見積もりは頼めます
私はむしろ、土地が決まる前にこそ取り寄せてくださいと伝えています。全体像を持たずに土地を決めると、付帯工事費と諸費用が、あとから全部乗ってくるからです。
私が長くおすすめしているのが、タウンライフ家づくりです。無料で、土地が決まっていなくても、間取りと見積もりを依頼できます。返ってくるのは各社の本体工事費と、会社によっては付帯工事費のおおよその額までですが、そこにこの記事の式を当てれば、総額の全体像は自分で描けます。






⚠️ 依頼した会社の数だけ連絡先が届きます。まずは3〜4社を目安に。届くのは各社の概算なので、総額はこの記事の式(1.22〜1.36倍)で確認してください。
\ スマホから3分で入力完了 /
よくある質問(Q&A)
- Q. 30坪の平屋だと、どのくらいの土地の広さが必要ですか?
- A. 建ぺい率50%なら60坪、60%なら50坪が下限です。ただし軒の出が0.5mを超える分は建築面積に加算され、60坪でも足りないことがあります。詳しくは平屋に必要な土地の広さの記事へ。
- Q. 見積もりが高いと感じたら、値引き交渉をすべきですか?
- A. 交渉より先に、担当営業に3つ聞いてください。①地盤改良は入っていますか、いくらで置いていますか ②外構と照明・カーテン・エアコンは標準ですか ③登記費用と火災保険は入っていますか。
- Q. 諸費用は、いくら見ておけばいいですか?
- A. 借入3,000万円なら、印紙税と登録免許税だけで6万円。ここにローン事務手数料(定率2.2%なら66万円)、火災保険料、司法書士報酬が乗ります。数万円では終わりません。登記した後で住宅用家屋証明書を出しても、軽減税率は受けられません。司法書士に「住宅用家屋証明はどちらが取りますか」と、着工後すぐ確認してください。
さいごに|30坪の平屋を安く建てる一番の近道は、削る前にあります
あの見積もりは高かったのではなく、まだ途中だっただけでした。
- 坪単価70万円=2,100万円は、実際には2,560万〜2,861万円(本体工事費の1.22〜1.36倍)
- 削るなら、あとから直せるものから。断熱・耐震・構造には触らない
- 建築費100万円は金利0.2%分。同じ手間なら、借入先の比較のほうが効く
削る話ばかりしていると、家づくりは苦しくなります。あなたの平屋が気持ちよく予算に収まることを、応援しています。
総額のほかにも、契約前なら直せる平屋の失敗があります。平屋の失敗は住んでから気づく!ハウスメーカーとの契約前に直せる6つへどうぞ。
\ メール登録だけ・ぜんぶ無料 /
元ハウスメーカー営業がつくった
「家づくりの道具」4点
家づくりは、ほとんどの人が一生に一度です。だから、会社の比べ方も、担当者への聞き方も、誰にも教わらないまま本番が始まります。
私が売る側にいたころ、「お客様がこれを持っていたら、話がまるで違ったのに」と思っていたものを、4つの道具にまとめました。
- わが家のライフプランシート(Web)
年齢と年収を入れて、建てたい価格帯(ローコスト・中堅・大手)を選ぶだけ。「わが家は、いくらまでの家なら無理なく建てられるのか」——その上限額が出ます。 - 後悔しないハウスメーカー比較チェックシート(PDF)
候補の会社を「5つのものさし」と「担当者チェック」で採点して、ご夫婦で見比べられる一枚です。 - 同じ工法メーカー早見表(PDF)
どの会社とどの会社が同じ工法どうしなのか、36社分の一覧。相見積もりの組み方が変わります。 - 家づくり最新データシート(Web・毎年更新)
坪単価の相場、保証年数、火災保険が下がる「省令準耐火」など、時間で変わる数字をまとめてあります。
登録は無料です。しつこい売り込みはしません。配信はいつでも1クリックで解除できます。
ご登録いただいたメールアドレスは、特典のお届けと家づくりに役立つ情報の配信にのみ使用します。ご登録の前にプライバシーポリシーをご確認ください。





コメント Comments
コメント一覧
コメントはありません。
トラックバックURL
https://117gift.com/30tsubo-hiraya-cost/trackback/